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権限移譲の推進

地方公共団体の自主性・自立性を高める観点から、地方分権一括法の施行により国の権限が都道府県に、また都道府県の権限が市町村に移譲されます。
特に住民に身近な地方公共団体である市町村への権限移譲を推進するため、市町村の規模等に応じ、一括して権限の移譲を図る観点から、地方自治法等の改正により、人口20 万人以上の規模の市に権限をまとめて移譲する特例市制度が設けられました。
また、都道府県から市町村への権限移譲を推進するため、条例による事務処理の特例制度が創設されました。これらの制度によって、地域の実情に応じた事務の移譲が図られるようになります。

具体例

都道府県へ
  • 重要流域以外の流域内に存する民有林に係る保安林の指定・解除等
  • 国定公園の特別地域の指定等
  • 公共下水道事業計画の認可等
市町村の規模に応じた権限移譲

政令指定都市へ

  • 都市計画の決定(特に広域的な判断を要する都市計画を除く)
  • 埋蔵文化財包蔵地域における土木工事等の届出受理等

中核市へ

  • 都市計画法に基づく開発審査会の設置
  • 県費負担教職員の研修
  • 宅地造成工事規制区域の指定等

特例市(人口20万人以上の市)へ

  • 騒音規制地域、悪臭原因物排出規制地域、振動規制地域の指定等
  • 開発行為の許可等
  • 再開発事業の計画の認定制度に係る認定等

市(一部福祉事務所設置町村を含む)へ

  • 史跡・名勝・天然記念物の軽微な現状変更等の許可
  • 児童扶養手当の受給資格の認定等(平成14年8月施行)
  • 商店街振興組合及び商店街振興組合連合会の設立認可等

市町村へ

  • 犬の登録、鑑札の交付、注射済票の交付
  • 身体障害児に対する補装具の交付、身体障害児及び知的障害児(知的障害者)に対する日常生活用具の給付
  • 市町村立高等学校の通学区域の指定

その他(建築主事を置く市町村へ)

  • 建築基準法の許可事務等の一部(建築審査会を設置した場合に限る)

権限移譲の取り組み例

A県では、市町村重視の県政を一層進めていくため、国から地方自治体への分権を主とする国の取り組みと並行して、A県独自に県から市町村への分権を推進するために、平成11年3月に「A県分権推進計画」を策定しました。
この計画では、これまでの個別の権限毎に移譲を行う方式に加えて、市町村の人口規模や意欲に応じて、まとまった権限を移譲する「モデル市町村制度」を創設しており、さらに今回の地方分権一括法の施行により条例による事務処理の特例制度が整備されたので、これを活用して、市町村の意欲と実情に応じた権限移譲について一層の推進を図っていくこととしています。

モデル市町村の種類  
中核都市 人口20万以上の市(中核市に準じた権限を移譲。中核的な市として総合行政の推進が期待できる)
分権モデルタウン 人口3万5千以上の町(標準的な市が受け入れる権限を移譲。市制施行の準備や周辺の市と同様の権限を持つことになる)
分権推進自治体 人口規模に関わらない(「保健・医療・福祉」「まちづくり」のいずれかの分野を含む3分野以上の権限を移譲。地域の実情に応じた権限の選択が可能となる)

特例市へ向けての取り組み例

B市では、低公害車の普及促進や新エネルギーの導入など、環境先進都市としてさまざまな事業を推進してきていますが、特例市制度の創設にあわせて、より一層環境に配慮した個性あるまちづくりの展開や市の活性化を目指して、全国に先駆けて特例市の指定を申し出るよう準備を進めています。
そして、特例市指定により拡大する権限に対応するために、人口20万人規模の都市としては、全国的にも数少ない職員研修の機能を併せ持つシンクタンク「政策総合研究所」を、地方分権一括法の施行と同時に設立することにしています。
研究員には、専門家・職員に加えて、公募による市民の参加も予定しています。
また、研究所が担うべき機能として、

  1. 中長期の課題発見型の基礎研究と職員の政策形成能力や問題解決能力の向上
  2. 市民ニーズの政策への反映や市民のまちづくり活動の支援方策の研究及び実践

を考えており、「分権時代に対応した市民参加型のシンクタンク」を目指しています。