地方分権推進委員会の今後の活動について
−地方分権推進委員会 諸井委員長談話−
平成12年8月8日
 
 地方分権推進法は、5年間の時限法であり、本年7月2日にその期限が到来することとなっていたが、「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律が本年4月に施行される一方で、わずか3ヶ月後の7月に地方分権推進法が失効することとなると、地方分権推進委員会の監視活動が十分にできないこと、また、引き続き検討を要する課題もあること」(地方分権推進法の一部を改正する法律案の提案理由説明)から、このたび地方分権推進法の有効期限が1年延長され、これに伴い、当委員会の任期も1年間延長されることとなった。これを受けて、当委員会としては、延長された期間を活用して、引き続き監視活動に取り組むとともに、市町村合併の推進、地方税財源の充実確保などの課題について検討を行うこととしたい。
 
T 監視活動について
 
 監視活動については、地方分権推進計画及び第2次地方分権推進計画に基づく施策の実施状況について行うこととなる。
 地方分権推進一括法の施行により、地方公共団体に対する国又は都道府県の関与についての関与の基準、手続などが設けられたところであるが、現実の地方公共団体の事務の処理がこうした国と地方公共団体との関係についての新たなルールに基づき適切に行われるのかどうか、特に入念に見届けることが必要であると考えている。また、地方分権推進一括法に対する参議院の附帯決議において「既に発出している通達は、今回の改正の趣旨に則り適切に整理することとし、いわゆる通達行政が継続されることのないようにすること」とされているが、当委員会としても、政府における通達、通知、法定受託事務の処理基準などの取扱いの状況について、強い関心を抱いている。
 さらに、第2次地方分権推進計画に定められた公共事業の直轄事業等の基準の明確化と縮減や統合補助金の創設とその趣旨に沿った運用の徹底、国が策定又は関与する各種開発・整備計画の見直しなどの実施の状況や今回の意見に対する対応の状況などについても、十分に監視を行っていきたい。
 具体的な主な項目は以下のとおりである。
1 第1次及び第2次地方分権推進計画の措置状況
 ○ 通達、通知、法定受託事務の処理基準などの取扱い
 ○ 許認可などの基準、標準処理期間の設定・公表の取扱い
 ○ 暫定法定受託事務等とされたものの取扱い
 ○ 地方公共団体の行政体制の整備・確立の状況
 ○ 直轄事業・直轄公物の縮減の状況
 ○ 統合補助金の制度内容及び運用状況
 ○ 各種開発・整備計画の見直しの状況
 ○ 新規立法の事務区分、関与などのあり方
2 地方分権推進委員会の意見の措置状況
 ○ 国庫補助負担金の整理合理化と当面の地方税源の充実確保策について
 ○ 法令による条例・規則への委任のあり方
 ○ 個別法に関する諸点について
 
U 引き続き検討を要する課題について
 
 これまでの当委員会の5年にわたる活動を経て、なお引き続き検討を要する課題があるが、地方分権を真に実のあるものにしていくためには、地方公共団体の財政基盤の確立、基礎的自治体の役割の見直し、市町村の行財政能力の向上、効率的な地方行政体制の整備・確立等が重要な課題となってくる。当委員会としては、このうち市町村合併の推進及び地方税財源の充実確保の問題については、次のとおり、調査審議を行うこととする。
 
1 市町村合併の推進
 
 当委員会の第2次勧告を受けた地方分権推進計画に基づき、地方分権推進一括法により、「市町村の合併の特例に関する法律」が改正され、住民発議制度の拡充、都道府県知事による合併協議会の設置の勧告、普通交付税の算定の特例の期間延長、合併特例債の創設、地域審議会の設置等の諸措置が講じられたほか、自治省から各都道府県知事に対して、「市町村の合併の推進についての指針」が示され、市町村の合併の検討の際の参考や目安となる合併のパターン等を内容とする「市町村の合併の推進についての要綱」を平成12年中のできるだけ早い時期に作成するよう要請がなされている。
 これらの措置によって、「市町村の合併の特例に関する法律」の期限である平成17年3月までに十分な成果が挙げられることが期待されるところであるが、今後、「市町村の合併の推進についての要綱」に基づき、市町村の合併の着実な推進を図っていくための方策などについて、広く各界各層の人々のご意見を聴取しながら、早急に調査審議を行うこととする。 
 
2 地方税財源の充実確保
 
 地方税財源の充実確保については地方分権推進一括法の成立の際の衆議院での改正附則、参議院での附帯決議等を受けて、当委員会において、本年の3月から4月にかけて、有識者、地方公共団体及び関係省庁から、ヒアリングを行ってきたところである。
 当委員会としては、
○ 地方分権の時代において、地方公共団体が住民参画の下に個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現に責任を持って取り組めるようにするためには、機関委任事務制度の廃止、地方への権限委譲、国の関与・必置規制の整理合理化のみならず、地方の財政面における自己決定権と自己責任を確立することが不可欠である。
○ 地方における歳出規模と地方税収の乖離をできるだけ縮小するという観点に立って、課税自主権を尊重しつつ、自主財源である地方税の充実確保を図る。その際、地方の自立的な行財政運営を確保するため、国庫補助負担金や地方交付税などのあり方についても検討する必要がある。
○ 自主財源である地方税については、国税と異なり応益課税を原則とし、地域で生活し、生産し、消費する個人も法人も地域社会のメンバーとして公平に地域社会を運営するコストを負担することを基本とする必要がある。
○ 地方公共団体は、住民の生活に身近で基礎的な行政サービスを行っていることから、安定的な財政基盤を確立すべき緊要度が高く、この点からも、偏在性の少なく、安定性のある地方税体系の確立が必要である。
という基本的な考え方に立って、地方税財源の充実確保のあり方についてさらに検討を行う必要があると考えており、今後、広く各界各層の人々のご意見を聴取しながら、調査審議を行うこととする。
 
V その他
 ○ 一日地方分権委員会の開催等
 

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