医療改革に向けての緊急意見

 

1.医療保険制度の現状

 ポイント

 国民皆保険制度の中で、市町村国保加入者(4,224万人)は国民の3人に1人に当たる33.1%を占めている。

 我が国の医療保険制度は、国民皆保険制度を採用しており、全ての国民がいつどこでも平等に医療機関において医療を享受できる体制が採られている。
 保険としては、自営業者や無職者等を対象とし、市町村等を保険者とする市町村国民健康保険(4,224万人)、その他国保組合(434万人)及び政府・組合管掌健康保険、その他の被用者保険(7,982万人)に二分化される構造となっている(図1・2参照)。
 このうち、市町村国保加入者は国民の3人に1人に当たる33.1%となっている。

●医療保険制度の加入者(平成12年3月末現在)(図1)

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●国保(市町村)の現状(図2)

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2.国民健康保険(国保)の現状

 ポイント

 国保の平成11年度決算状況は、一般会計からの法定外繰入金が3,305億円余(法定分含め8,555億円)されているにも関わらず、1,205億円の赤字収支となっており、これらを併せた単年度赤字収支額は概ね4,500億円となり、毎年度恒常化している。
 市町村の国保事業はほぼ破綻状況にある。

 保険料(税)収納率は市町村の努力により90%以上を維持しているが、今年10月の介護保険料全額徴収により収納率低下が懸念され、両者は市町村にとって双子の赤字となる可能性が高い。

  国保(市町村)の決算状況は、平成11年度において、市町村の一般会計から法定外繰入金が3,305億円余(法定分を含めた一般会計繰入金合計は8,555億円)されているにも関わらず、1,205億円の赤字収支(国保保険者の60.6%が赤字)となっている。これらを併せると最終的な単年度実質赤字は概ね4,500億円に到達し、毎年度恒常化している。(図3・4参照)
 更に地方交付税により、平成12年度までの暫定処置とされていた「国保財政安定化支援事業」並びに「高額医療費共同事業」については、今年度1年間のみ延長され1,000億円(前年度比250億円減)、400億円(同額)が 措置されたものの、来年度は基本的に措置されないこととされている。従って来年度は、この合計1,400億円に単年度実質赤字額の4,500億円を加えた、概ね5,900億円 が実質赤字額となる。国保事業については、本来特別会計を組んでいるにもかかわらず、多額の法定外一般会計繰入金を投入し、それでも赤字となっている現状を考えると、国保事業はほぼ破錠状況にあると言える。
  国保の保険料(税)収納率をみると、平成11年度全国平均で91.38%(町村部で94.90%)となっており、平成7年度と比較すると、全国平均で1.94%、町村部平均1.36%減少しているが、国保を取りまく厳しい環境の下で、90%を越える収納率を維持してきたことはこれまでの市町村の努力を評価すべきものである。しかしながら、昨年度より介護保険制度が導入され、10月から保険料を半額、今年10月から全額徴収される。65歳以上については介護保険料(第1号保険料)が国保の保険料(税)に加えて徴収されることから、介護保険料としての収納率はもとより、国保に対する負担感も増加し、収納率の低下が生じることは避けられないと思われ、このことは、結果として市町村の法定外一般会計繰入金を更に増加させる要因となる。  
  もっとも、現状においてもこの市町村の持ち出し分は税金をもって充てられていることから、国保加入者のみならず、間接的には他の被用者保険加入者も含めた全住民が負担していることになる。一般財源の投入はゴール ドプラン、エンゼルプラン等の各種福祉施策の推進等の行政サービスが圧縮されることに繋がり、住民が享受す べき多くの行政サービスを阻害してきたことになる。現実に市町村は貴重な税収を永年に亘り、累積で何兆円もの金額を投入をしてきたことになる。
  国保事業については、もともと収納率と保険料(税)設定について特有の問題がある。国保は前年度所得に対し保険料(税)を徴収する方法が採用されているが、その他の被用者保険はチェックオフ(給料等天引き)機能により収納率という問題が生じることはない。失業等により国保加入者となった場合は、所得がないにも関わらず、前年度の所得で保険料が算定されるため、保険料が払えないという事態が起こり、ここでも収納率低下を招くこととなる。
  また、国保の構造上、低所得階層が多く、保険料(税)減免対象が他の被用者保険と比して多いため、滞納分はその中間層の翌年度の保険料に転嫁され、収納率の低下により保険料(税)は年々高くなることを繰り返している。結果的には保険料(税)納入者が未納者分も肩代わりすることになる。また、介護保険制度も同様の恐れ(第2の国保)があり、この両者は保険者である市町村にとって、解決できない双子の赤字となる可能性が非常に高い。

●国保保険者の約6割が赤字(図3)

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3.国保と他制度との比較

 ポイント

 国保、政管健保、組合健保について主なものを比較すると、加入者平均年齢は国保51.3歳(政管健保36.9歳、組合健保33.6歳)と非常に高い。

 一人当たり診療費は政管健保12.3万円、組合健保10.2万円に対し、国保は16.4万円と高い。

 国保の職業構成の中では無職者が46.7%を占め、毎年度増加している。

 世帯単位の年間所得は政管健保246万円程度(国保の1.4倍)、組合健保383万円程度(同2.1倍)に対し、国保は179万円であるが、保険料にはほとんど差がない。

 法定給付率は政管健保、組合健保共に本人8割に対し、国保は一般で7割である。

 以上のように負担と給付に大きな不公平が生じている。

 国保、政管健保、組合健保の各制度を比較すると、加入者の年齢構成や年間所得等に大きな格差が生じてい る。(図6・7・10参照)
 中でも国保は、他の制度と比較すると加入者平均年齢が51.3歳(政管健保36.9歳、組合健保33.6歳)と非常に高く、それに比例して老人加入割合も25.3%(同5.7%、 2.8%)と高い割合を占めている。高齢割合が高ければ、それだけ医療費が高額になり(図8参照)、一人当たりの診療費も政管健保12.3万円、組合健保10.2万円に対し 、国保は16.4万円となっている。
 また、国保の職業構成をみると、昭和40年当時42.1%を占めた農林水産業が減少の一途をたどり、平成10年で は6.8%まで落ち込み、変わりに6.6%だった無職者が46.7%を占めるに至っている。(図9参照)
 この職業構造の変化や高齢化等により世帯単位での年間所得も政管健保246万円程度、組合健保383万円程度に対し、国保は179万円となっているにもかかわらず、一世帯当たりの保険料にはほとんど差がなく、このことから、保険料負担率は国保が著しく高くなっている。
 また各医療保険制度の法定給付率をみると、政管健保・組合健保共に本人8割、家族の入院8割、外来7割に対し、国保は一般で7割となっており、他制度よりも自己負担割合が高くなっている。(図5参照)

●各医療保険制度の法定給付率(図5)

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4.医療制度改革(一本化)に向けての方策

 ポイント

 国民皆保険制度の中で、負担と給付には制度間で大きな格差が生じており、拡大傾向にあることから、国民に対する安定した質の確保及び負担と給付の公平化のため、全ての国民に通じた医療保険制度の一本化を早急に実現させる必要がある。

 当面は一本化の段階的措置として、医療保険に関し財政を一本化する方法が考えられる。

 このことを全国市長会、全国町村会、国民健康保険中央会として、平成11年12月「医療改革問題研究会報告書」として提言している。

 厚生労働省高齢者医療制度等改革推進本部が平成13年3月に公表した「医療制度改革の課題と視点」について、5月に同3団体として、例えば、国保関係記述に以下のような問題があることを指摘した。

 基本的な問題として、将来に亘って国民が安心して必要な医療を受けるためには、高齢者医療のみでなく、医療保険制度全体の抜本的な改革を進めることが必要であること。

 また、国保の現状認識については、市町村国保は保険料ほか、多額の一般会計からの繰入金があっても6割が赤字となっているが、仮に繰入金がなければ殆どが赤字という実態が明らかにされていないこと。

 一世帯当たりの所得と保険料について、制度間に大きな格差が生じているのに的確に表現されておらず、また、国保7割、被用者保険8割という給付の格差も表現されていない。

 

@「一本化」のイメージ

 

  このような給付の格差、負担の不公平等の構造上の問題点を解決し、益々激しさを増す社会経済情勢の変化に耐えながら、国民に対する安定した医療の確保を図っていくためには、被用者保険と非被用者保険の区分を廃止し、全ての国民を通ずる医療保険制度の一本化を実現する必要がある。このことによってこそ、国民の間にみられる給付と負担の大きな不公平を解決することが可能となり、また、安定した保険財政の運営が期待できる。
 一本化を実現した医療保険制度の具体的な姿を最もシンプルに考えるならば、国が保険者となり、全ての国民を通じて必要となる医療給付費を被保険者全てが公平に 負担する仕組みである。この場合、全国単位による方法のほか、財政調整を伴う地域単位による方法もありうる。
 このような一本化した医療保険を制度として組み立てる場合は、現在の分立した制度の場合以上に税方式と社会保険方式についての議論が予想され、また、高齢者医療費などについての国費負担のあり方や現在の事業主負担の取扱いなどについての検討が求められることとなろう。


A段階的な措置(財政の一本化)  

 

医療保険制度の一本化は、医療保険の現状及び将来の展望を考えるならば速やかに実現する必要があるが、既存の各制度や各保険者のこれまでの経緯の中で生じている組織上の問題点等もあり、その実現には多くの困難が予想される。仮にその早急な実現が困難であるとするならば、段階的な措置として、当面は現在の保険者の組織は存続させながら、医療保険に関する財政を一本化する方法が考えられる。
 その具体的なあり方としては以下のとおりである。

 全ての国民に通じる標準給付率を設定し、その給付総額はこれを全ての国民が所得に応じて負担することとし、統一した保険料率を設定する。

 保険料の徴収及び保険給付は現在の保険者組織が行う。保険料率の設定及び保険者毎の収支の調整は国が行う。

 保険者は、追加保険料により附加給付を行うことができる。
 また、各種保険事業も実施することができる。

 国庫負担及び事業主負担は現行通りとする。

 保険料負担の増加状況等から必要があると考えられる場合、高齢者医療費対策等を考慮しつつ、国費による調整措置を検討する。

 具体的な仕組みについては、なお多くの点の検討が必要であるが、段階的な措置としてできる限り早期に「財政の一本化」を実現することを提案したい。

(「医療改革問題研究会報告書」平成11年12月 全国市長会・全国町村会・国民健康保険中央会より抜粋)

  なお、平成13年3月に厚生労働省高齢者医療制度等改革推進本部が公表した「医療制度改革の課題と視点」(以下、「課題と視点」という。)について、平成13年5月に全国市長会、全国町村会、国民健康保険中央会として、国民健康保険制度に関する記述などに次のような問題が あることを指摘し、適切に対処されるべきであることを 要請したところである。

一.医療保険制度の一本化について

 

 医療保険制度をめぐる基本的な問題は、各保険制度の分立が社会経済状況の変化に適応できなくなり、給付と負担の不公平を生んでいることにある。従って、将来にわたって国民が安心して必要な医療を受けることができるようにするためには、高齢者医療のみではなく、医療保険制度全体の抜本的な改革を進めることが必要である。「課題と視点」においてもそのことをまず明記すべきである。


二.国民健康保険の現状に関する説明について

 

 「課題と視点」における医療保険の現状に関する説明には次のような問題がある。

(1)

 健保組合は7割が赤字、国保は(2,030億円の一般会計繰入れ後も)6割が赤字と記述しているが、市町村国保は保険料のほか一般会計から総額8,550億円(11年度決算。保険料収入額に対し28.5%の額)を繰入れており、仮にこの繰入れがなければ、殆ど全てが赤字という苦しい運営を余儀なくされている。このような実態が明らかにされていない。

(2)

 一世帯当たり保険料の額について、医療保険制度間で格差が生じないこととなってなっていると記されており、また、国保7割、被用者保険8割という給付制度の格差に関する記述もないため、我々が従来から強く指摘している医療保険制度の給付と負担の不公平の問題が明らかになっていない。国保の被保険者の所得は被用者保険のそれに比べて著しく低く、一方、高齢者が多いため、同程度の所得の者の保険料負担額を制度間で比較すれば、国保の被保険者の負担が際立って重くなっているという重要なポイントを明確にする必要がある。

(3)

 老人保健事業に係る拠出金について、被用者保険の負担が相対的に大きくなっていると記されているが、これは負担の公平に向けた是正の結果であり、むしろ被保険者の所得水準を考慮した拠出金負担は、国保の被保険者の方が重いという実態が示されてない。

 市町村国保については、以上の他、保険者が3,224市町村にのぼっており、中には被保険者数が極めて少数であったり、高齢者が半数以上を占めるなど、さまざまな実態があることを踏まえ、国保全体としてのトータルの数値のみでなく、個別保険者毎の実情を明らかにする必要がある。


5.医療費の適正化に向けての方策

 ポイント

 国民医療費は毎年増加し、平成11年度には30兆9,337億円に達した。医療保険制度改革と併せて、医療費の適正化方策も検討する必要があり、具体的にいくつか提言する。

 診療基準の設定による医療費の適正化。

 老人医療について治療内容の一定基準と使用薬剤等の要領の確立。

 基準を上回る医療は自由診療とすること。

 老人医療以外についても基準を設けること。

 難病等高額医療は国の負担とすること。

 高齢者に対する一部負担の定率化を徹底するなど、負担のあり方を見直すこと。

 レセプト審査の強化と本人への情報公開の徹底。

 レセプトの電算化の推進と「205円ルール」の廃止。

 終末期医療については、在宅医療の普及をはかるなど、そのあり方を見直すこと。

 医療機関の広告規制の緩和。

 生活習慣病対策の推進等、市町村保健事業の支援。

 国民医療費は、人口構造の高齢化に伴い毎年増加しており、国民所得の伸び率を非常に大きく上回り、平成11年度には30兆9,337億円に達した。
 このような老人医療費を中心とした医療費の増加が今後も続くこととなれば、医療保険制度は破綻することは明らかであり、そのことは国民皆保険制度の崩壊に繋がることとなる。
 従って、医療保険制度改革と同時に、国民医療費の伸び率を経済動向と乖離しないよう、医療費の適正化も併せて、その方策を検討する必要がある。
 今後も高齢者の増加により、やむをえない一面もあるが、適正化の努力によって相当程度の抑制は可能と考えられるので、いくつかを提言したい。

(1)診療基準を設定し、医療の適正化をはかること。

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 老人医療については、特殊な疾病を除き、治療内容の一定基準を設けるとともに、使用薬剤等も同様に要領を確立すること。
 (この場合、診療技術や新薬開発に阻害が生ずるが、医療給付には抑制する効果があると推測される。)
 なお、基準を上回る治療は自由診療とし、診療側 (担当医師等)は患者又は家族の同意を得ること。

A

 老人の外来診療は、同一病名では一日二カ所以上の受診は保険対象外とすること。

B

 老人医療以外の診療基準については、性別・年齢別・病名別等に分類した基準を設けること。

C

 難病等の高額医療は保険対象外として、国の負担とすること。


(2) コスト意識の醸成の観点から、低所得者に配慮しつつ、高齢者に対する一部負担の定率化を徹底するなど、高齢者負担のあり方を見直すこと。


(3) 薬剤費抑制のため、医薬分業の徹底をはかるとともに、薬価差益を解消すること。
 また、医薬分業によって薬剤費抑制に繋がらない要因を検討すること。


(4) レセプト審査を強化するとともに、本人に対する情報公開を徹底すること。


(5) レセプトの電算化を推進するとともに、「205円ルール」を直ちに廃止すること。


(6) インフォームドコンセント(十分な説明を受けた上での同意)を徹底するとともに、終末期医療については、在宅医療の普及をはかるなど、そのあり方を見直すこと。


(7) 患者による医療機関の選択が可能となるよう、広告規制の緩和を推進すること。


(8) 生活習慣病対策の推進や健康づくり活動の積極的な展開を図れるよう、市町村保健事業を支援すること。


6.当面の国保事業改革に向けての方策

 ポイント

 国保事業の問題解決のため、国の責任において早急に一本化を基本とした医療保険制度改革を行うべきであり、一本化に向けて国保側自らも取り組むべきことがある。

 国保財政透明化のため、予算積算の基礎となるべき収入、支出の全体像を明らかにし、多額の法定外一般会計繰入金及び赤字が恒常化している原因の分析を行う必要がある。

 予算と決算の検証の必要性と国庫負担金、補助金等の積算を明確化すること。

 今日のような未曾有の少子高齢化社会を迎えるに当たり、財政状況が逼迫することは10年や20年前から十分予見可能でありながら、国は適切な措置をとらず、放置し続けてきた。その上、町村においては、介護保険を含めて国保事業に対する権限、裁量の余地は極めて小さく、立法措置を含めて制度的権限の多くは国が握っている。
 しかしながら、国は今日まで医療保険制度の抜本改革を何度となく唱えながら、平成12年度より実施するとされていた抜本改革を2年間先送りし、来年度より実行するとされていたにも関わらず、未だ議論がまとまりきっていないのが現状である。
 しかるに、国は国保事業の問題解決のため、国の責任において主体的に調整を行い、早急に一本化を基本とした医療保険制度の抜本改革を断行すべきである。
 また、市町村としては、先に記述したように、国保は平均所得、年齢構成、職業構成、老人加入率など、他の 被用者保険に比べて不利な条件が多く、結果として他の被用者保険の給付率8割に対し7割と較差が生じている。国保事業には、このような種々の不利な条件があることから、我々が従来より主張している医療保険制度の一本化について、他制度の保険者から国保の現状は理解されたとしても、一本化に向けての協力を得ることはなかなか困難であろう。そこで、国保が国民や他の被用者保険から理解を得るためには、先ず国保側自らが解決すべきものに取り組む必要があると思われる。
 第一として、国保財政の透明化があげられる。法定外一般会計繰入金及び赤字が毎年度、当たり前のように生じる理由について、改めて分析する必要がある。毎年度の予算編成後、国庫負担金、補助金を含めて国の助成費は示されるが、予算積算の基礎となるべき収入、支出の全体像、すなわち、地方財政計画に相当するものが示されていない。全体像がなければ、本来、財務省の予算査定も国会の予算審議も行えないはずであり、併せてそれに基づく助成金等の積算も不可能である。
  第二として、毎年度の予算(計画)と決算の比較が必要である。市町村はもとより、国保関係者でさえ国庫負担金、補助金をはじめ予算等が適正に積算され、運用されているのか把握できていないのではないかと思われる。特に、特別調整交付金の配分については交付基準と共に積算が不明確である。また、予算の内示も予算編成 間際にならないと示されず、毎年度補正予算を組まざるをえなくなっている。
  


7.医療改革に向けての意見

 ポイント

 市町村国保は、これ以上の保険料(税)負担の引き上げ及び一般会計からの繰入金については、もはや限界に達している。
 国は負担と給付の公平化のため、医療保険制度の一本化を国の責任において早急に実現すること。
 また、これらの改革が進められない場合は、保険者の立場を国に返上する等といった決断をせざるをえない。

 我々町村保険者は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与する ために、各種問題点の解決に向けて、懸命の努力を傾注しているところである。
 しかしながら、町村国保は財政的に脆弱であるうえに、医療費増嵩等により、年々保険料(税)が高額化し、これ以上の保険料(税)引き上げおよび一般会計からの繰り入れについては、もはや限界に達しており、永年に亘る負担により各種福祉施策の推進等を大きく阻害している。
 国においては、次年度より行うとしている医療保険制度改革に際しては、国保加入者の所得に対する著しく高い負担率および国保7割に対し、他の被用者保険8割という給付率の現状を認識し、負担と給付の公平化をはかるため、医療保険制度の一本化を国の責任において早急に実現すること。
 また、国の責任において、これらの改革が進められない場合においては、我々は保険者としての立場を国に返上する等といった決断をせざるを得ない。

 

     平成13年9月
  

全国町村会長
   山 本 文 男