(注)以下の記録は、地方分権推進本部において録音テープを起こしたものであり、仮に誤りがあればその責任は当本部にあること。
 
 
 
1 開会
 
2 行政課長挨拶
 
行政課長の伊藤と申します。今日は、梅雨明けの大変暑い中を、全国からお集まりいただきまして、大変有り難うございます。今日は、地方分権一括法の自治省分の説明ということでこの場を設けさせていただきました。非常に、内容は膨大、多岐に亘りますが、私どもの説明をよくお聞き取りいただければと思います。
 
私は、最初に、ごく一般的な話を一つ、二つさせていただければと思います。今回の地方分権一括法は、7月8日に成立したわけでありますが、今回の地方分権の推進に関する動きは、平成5年の6月に衆参で地方分権の推進に関する決議が行われまして、それ以来の動きではなかったかと思います。いろいろな動きがあったわけですが、平成7年には、地方分権推進法が成立、平成7年7月には、地方分権推進委員会が発足、それから5次に亘る勧告がでました。四次に亘る勧告までをとりまとめて、昨年の5月に地方分権推進計画を閣議決定いたしまして、今回その計画の中の法律の改正を要する法律を全部集めまして、一括して改正をしたということは、皆様方御案内のとおりであります。
 
我が国に、現在1,700本余りの法律があると言われております。1720本前後でしょうか。その内の、475本の法律を何らかの形で改正いたしましたので、全体の約3割弱位を一括して改正したことになるのではないかと思います。また、例えば、要綱でありますとか、新旧対照等々のいわゆる4点セットでお手元の方にありますが、全部で4千頁の膨大な法律になりました。憲政史上でも、最も膨大な法律の一つではなかったかと思いますが、私たちが重さで法律を説明すると、全体で8.8キロありますが、法律の内容を重さで説明するという、非常に膨大な内容になったわけであります。
 
いずれにいたしましても、平成5年からのいろいろな動き、いろいろな方の御苦労のもとで、法律ができあがっておりますので、私ども直接法改正の作業に携わりましたが、先輩の方々の苦労に対しまして、若干でも恩返しと言いますか、責任を果たせたという気持ちでいっぱいであります。
 
国会では、中央省庁の再編法案と併せて審議が行われました。衆参とも特別委員会、総理の出席のもとで、最も重要な法律を改正する、そういう審議が行われたわけであります。また、その審議の内容につきましては、後ほど御紹介があろうかと存じますが、例えば、地方分権の意義は何であるか、法定受託事務の定義が変わったのは、どうしてか、それから、国の関与が強くなったのではないか、税財源が必ずしも十分保障されてないのではないか、また、その他いろんな議論がありまして、大体、私どもが想定しておりました問題は、ほぼ全部審議し尽くしたのではないかと考えております。
 
それでは、今回の法改正の意義はいったい何なのか、と言うことを一つお話をさせていただきますと、私どもは、21世紀、我が国の基本的行政システムをどう構築するかという問題意識がありますが、今回の改正は自己決定、自己責任の原則に基づく、行政システムを我が国に導入すること、これに尽きるのではないかと思っております。そのために、機関委任事務を廃止いたしまして、国の関与の見直し、新たな関与のルールをつくりますとともに、国、地方係争処理委員会等々を設置したわけでありますが、また、今回の改正は一般的な制度論でありますので、直ちに大きな変化が目の前に現れるという類のものではないと思います。ただ、本質的に、さきほど言いました自己決定、自己責任の原則のもとに、国と地方公共団体が対等、協力という新しい関係になりますので、今後大きな変化の要因をはらんでいるのではないかと期待いたしております。非常に中央集権型の行政システムの制度疲労ということが言われて久しいわけでありますが、例えば、国民の意識の変化でありますとか、地域の特性に根ざした地域づくりでありますとか、新たな地域ごとの生活様式の確立とか、たぶん、今後分権型の社会でないと、分権型の地域づくりができるような、そういうシステムでないと、われわれの責任も十分果たせないのではないかと思っておりまして、今回そのための基礎的な枠組みづくりをやれたというのは、我々の共通の自信ではないかと思います。私は、個人的に21世紀の当初の30年位は、地方分権と規制緩和は、国の基本的な潮流として、これは続くものと思っております。文明史的に見ましても、我が国が置かれている客観的な情勢を見ましても、そういうことが言えるのではないかと思います。
 
 
審議の過程で、野田大臣がいろいろ答弁をなさったわけですが、今回の改革について的確な御発言をしておられますのは、今回の改革は、レールのポイントの切り替えだという御発言がございました。集権から、分権へのポイントの切り替え、御案内のように、皆さん方、汽車に乗っておられて、ポイントを切り替えた当初は、ほとんど自分の向きも変わりませんし、相対的な、自分の置かれている状況は変わらないのでありますが、気がついていないうちに、全然違う目的地に着いてしまうことがあります。従いまして、今回の改革は、レールのポイントを切り替えて、分権型社会へ出発する、その一つの契機ではなかったのかと思っております。従いまして、今後、皆さん方にお願いしたいのは、制度運営でありますので、制度運用するのは人であります。従って、今後地方自治制度を運営なさる方々が、今回の改革の意義を十分に認識していただいて、我が国の地域社会を分権型社会に切り替えるんだという、強い意識改革、強い意欲を持って対応していただきたいと思っております。
 
従来どおりの、慣れ親しんだ考え方では、国、地方公共団体の関係は余り変わらないかと思いますし、自己決定、自己責任といいましても、自分たちの住民とか、県民とかどういう責任を果たすかという認識は、なかなかわからないかとは思いますが、もう一度、自分の頭で全体のシステムを整理し直していただいて、今回の改革で我々に課せられた課題は、我々の一般の認識以上にひょっとしたら重いものがあるかも知れない。21世紀の初頭は、先ほど言いましたように、地方分権は、基本的な潮流になるかと思いますが、やはり、これから分権型社会をつくって、それぞれの地域、地域にそれぞれの文化、伝統、産業、暮らしづくりとか、地域、地域の活力でもって、21世紀、我が国を引っ張るんだという意欲を是非、持っていただきたいと思います。
 
皆さん方、お帰りになりまして、自分のところで条例、規則を作りましたり、また、市町村に対する説明とかいろいろあろうかと思いますが、是非この点は、市町村の方々にお伝えしていただきたいと思います。
 
先ほど、実は私、若干早く着きまして、ソファーに座っておりましたら、どこかの県の方が今日はどんな説明をしてくれるのかなあと、若干不安げに話をしておられました。多分、帰られて、市町村への説明会等がありますので、そういう御心配ではなかったかと思いますが、今日は今回の改正作りに直接携わった者が一生懸命説明するかと思いますので、よくその説明をお聞き取りいただきまして、これからの分権型社会のいわば担い手として、かつまた、当面は、皆様方のお仕事を十分に整理するためにこの会合を十分利用していただければと思います。
 
私からは、一般的なお話だけをさせていただきまして、本当に暑い中をお集まりいただいたことに感謝申し上げて私の話に代えさせていただきます。どうも有り難うございました。
 
 

 

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