第6回 地方自治確立対策委員会 議事概要

平成16年2月19日


1 日 時
  平成16年2月6日(金)10:30〜12:30

2 会 場
  都道府県会館3階 知事会会議室

3 出席者
 ○委 員

  茂木委員長、岡崎委員、金澤委員、北川委員、木村委員、小西委員、小早川委員、
 高見澤委員、田嶋委員、水城委員、持田委員
 ○地方六団体
  全国知事会:佐藤福島県知事、中川事務総長
  全国都道府県議会議長会:襲田事務総長
  全国市長会:西川小松島市長、鈴木事務総長
  全国市議会議長会:佐藤事務総長
  全国町村会:山本会長(福岡県添田町長)、谷合事務総長

4 議 題
 ○平成16年度における三位一体改革の推進状況について

5 議事概要

○骨太の方針から始まって三位一体改革、本県で言うなら地方分権について10年近く取り組んできた中で、残念ながら税財源の問題が残っていた訳であるが、三位一体の改革により税財源の改革が始まるのかと期待したのが大間違いであった。 全国知事会としての三位一体の評価案についても資料説明にあったが、各知事からかなり厳しい意見も出され、評価案については没になっている。
本県でも構造改革で数百億円の削減を進めるということで取り組んできたが、結果的にはそれでも成り立たたないような予算編成で、基金も300億円程度持っていたが、今度の16年度の予算編成で全部使い果たしており、平成17年度の予算を編成できるのかどうかというところまで来ている。特に、今回の地方交付税と臨時財政対策債の予想を超える大幅な削減の影響は地方団体に非常に厳しいものとなっている。本県も数字的にはこの減額された300億円分が基金を食いつぶした。これは県ばかりでなく市町村も同様で、来年度予算を編成できない、あるいは再来年はどうしようかというのが実態である。 全国知事会としては、5月に臨時の知事会を開催して、もう一度これらの問題について協議を行うこととしている。
地方自治体も、大幅な職員定数の削減を行い、歳出削減を行い、徹底した行財政改革を進めてきたが、残念ながらこのような状況ということで、大変厳しい状況にあるということを申し上げる。
また、全国過疎連盟の会長として、今回の政府予算案をみると、大都市圏空港の30%プラス、三大都市圏環状道路の8.5%プラスなど、やはり大都市偏重の予算編成になっていると感じている。自治体では全国過疎連盟の会費まで出せない、過疎の団体から抜けるという話も出るような厳しい状況である。全国過疎連盟の事務局もリストラをしながら経費削減に努めようとしており、さらに、過疎とか離島とか条件不利地域の一本化についても動いたが、霞ヶ関は厳しさを理解していなかった。結果、過疎連盟は過疎連盟としてリストラしながら進めることとした。
このように、地方は行財政改革を進めて最大限の努力を行っているが、今回の三位一体の改革についてはどうしようもない結果で終わったということが率直な感想である。(佐藤福島県知事)

○私どもの市町村行政は待ったなしの先端行政であるので、早くから都市自治体の財政運営は非常に厳しくなるということを見通して、平成元年から、職員数六百数十人の小さな市ではあるがこれを五百人少々と百人ぐらいを削減するとか、議会に理解を頂き定数30人のところを21人まで減らす、特別職報酬について5%から10%の削減、さらに管理職手当の削減などを行い、近々では一般職員の基本給にもある程度の考えを持たなくてはならないというところまで行財政改革の取組を行っている。
平成12年度頃までは交付税制度等によりまずまずであったが、以降厳しくなり、特に、来年度に向けた予算案等が発表され、これが予測以上に厳しいものであり、都市自治体の経営は大変難しくなっているというのが今日であると思う。このように行財政改革の努力をしながら今日を迎えていることについてご理解を頂きたい。
今回の政府案は三位一体の改革の第一歩という点では一定の理解を示すが、現実としては三位一体が一体として行われていないというのが率直な感じ方である。すなわち、交付税の大幅な縮減とか財政再建に重点が置かれていることから、地方はかってない厳しい状況と言わざるを得ない現実である。私どもは平成16年度の当初予算の編成に当たって大変苦慮しており、大幅な財源不足で義務的経費の積み残しも余儀なくされるような厳しい状況である。一方で、長年実施をしてきた歴史、経過を踏まえた特色あるまちづくり、例えば、福祉のまちづくりとか、地域ならではのまちづくりの推進が非常に難しくなっており、また、総合計画に基づく計画的なまちづくりのあり方についても影響を大きく受けている。住民生活に直接関係する先端行政としての役割を果たすことが、極めて困難な状況であると痛切に感じている。こういうことをご理解を頂き、三位一体について個々具体の内容について触れさせて頂きたい。
まず、国庫補助負担金の改革については、全国市長会では国による統一的な措置が望まれるものなど一部の補助金を除き原則廃止し、その際、地方で引き続き実施する事業については、所要額に見合う税源移譲を同時に実施し、基幹税の充実を基本に地方財源を確保するという考え方に基き国庫補助負担金の見直しを求めてきた。
国庫補助負担金の廃止・縮減は、あくまでも税源移譲を前提として、地方の自由度を拡大し、真に住民が必要とする行政サービスを地方自らの判断と責任で実施することが可能となるように行うものであると考えるが、このような観点から見ると、今回の補助金の見直しは、税源移譲に結びついていないものが過半を占めており、遺憾と言わざるを得ないという心境である。
平成16年度は、約1兆円の国庫補助負担金が廃止されることになったが、税源移譲等により財源が措置されたものは約4,750億円で、この差額については公共事業を縮減するという理由で税源移譲しなかったとされているが、現場にある地方としては、肩代わりして事業を実施せざるを得ない場合が想定されるので、こうした事業の存廃の判断を国の方で一方的に決めるのではなく、地方の意見を聴いた上で行う必要があるのではないかと思う。
また、今回、公立保育所に限定したものであるが保育所運営費負担金が一般財源化されたが、この見直しは部分的に過ぎず、また、保育所設置基準など保育行政を実施する上で国の関与が是正されない限り、地方の自由度を増す見直しにはならない。地方分権の理念に沿ったものとするためには、国庫補助負担金の見直しと同時に法令等による国の関与の見直し、これが速やかに行われるべきと考える。
また、見直しの過程において、厚生労働省から生活保護費負担金及び児童扶養手当給付費負担金の補助率を引下げる案が出され、これに対して地方六団体が総力を挙げて、この案は単なる地方への負担転嫁と言わざるを得ない、到底受け入れられないと反対し、平成16年度の見直しは回避されたが、生活保護費負担金については、政府・与党は、国と地方の役割・費用負担等について地方団体関係者等と協議しながら検討を行い、その結果に基いて平成17年度に実施するとされており、予断を許さない状況にあると思う。単なる補助率の引下げは認められるものではないと考える。
次に税源移譲であるが、平成18年度までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実施することが明確となり、暫定措置としてではあるが、所得譲与税が創設されることは、本格的な税源移譲への道筋が示されたもので、一歩前進と理解をするところである。しかし今回の所得譲与税は暫定措置であり、平成17年度、18年度といわず早急に本格的な税源移譲を実施する必要を感じる。また、これまでも主張している通り、税収が安定的で伸張性があり、かつ、税源の偏在が少ない地方税体系を構築するためには、消費税から地方消費税への税源移譲について確実に行う必要があると思う。
次に交付税の改革であるが、我が国の地方交付税制度には、いずれの地域においても標準的な税負担と地方交付税により、標準的な行政サービスを確保できるように、地方公共団体に実施が義務付けられた事務等に必要な財源を保障すると同時に、地域間で税源が偏在していることにより生ずる財政力格差を調整するという二つの役割があり、今日までは成果が上がっていたと思う。従って、国が法令等により地方に対して事務を義務付けるという仕組みが改められない限り、地方交付税の財源保障機能を廃止することはできない。また税源移譲に当たっては、税源の偏在性の少ない税目によって進められるべきものであると考えるが、なお、地方公共団体間の財政力格差が拡大することも考えられ、地方交付税の財源調整機能の重要性はむしろ今後も高まってくると言っても言い過ぎではないと思う。従って、財源保障と財源調整の両機能を堅持し、その機能を強化して財政力格差の拡大に対する措置を講じて頂きたいと思う。
そのような中、平成16年度の地方交付税総額が対前年度比6.5%の減、さらに地方交付税と同様に一般財源として使用できる臨時財政対策債が28.6%の減、両方で前年度と比較して12%、2兆8,623億円の減額となっている。ある程度覚悟はしていたが、この額は予想をはるかに上回るものであった。あまりにも急激な変化に各都市は危機的な状況下での予算編成を余儀なくされ、先の見通しも立たないという危機感を持っていることを、是非、委員の方々にご理解を頂きたい。
私どもは住民サービスの低下を何としても避けようと最大の努力をしている。国庫補助負担事業といえども、当然、税、地方交付税など一般財源の裏打ちがあって成り立つものであり、このような危機的な財政状況であると、例え国庫補助負担金があっても事業そのものの実施が危ぶまれ、事業を十分精査する必要があり、国庫補助負担金を返上するとまでは言わないものの、事業の優先度を勘案して国庫補助負担金を選別することも考えていかなくてはならないと思いながら予算編成に取り組んでいるが、まだまとめができない状況である。私どもは、いろいろと行財政改革を一生懸命行っており、今後も行っていきたいと思っている。しかし、どうしても行わなくてはならない公共下水道事業、都市再開発事業の継続的事業、あるいは教育施設の更新などがあり、これまで継続して行ってきた中学校校舎の建築がこのままでは地方交付税が減となったため見通し立たないということで、教育の世界で大変な時を迎えたなという感じもしている。また、私どもの地域では、東南海・南海地震に対するキッチリとした耐震対策を行わなければならない。これも大変重要なことであり、こういうことに対して、今のような予算編成の危機的状況では、今後、こういった重要な生命・財産に係るような問題についても、なかなか取り組んでいけないのでないかといった心配をしている。
私は、日本国徳島県小松島市民であり、日本国民はそれぞれの地域に生活基盤があり、経済活動基盤があるわけで、その地方が成り立っていかなければ、本当の意味の日本の国に地方自治が今後健全に存在していかないのではないかと心配をしている。従って、今回の三位一体の改革を総じて拝見させて頂くと、改革の第一歩として一定の理解はさせて頂くが、三位一体の改革の理念は、真の意味の地方分権の推進であるはずである。言い換えると、構造改革を行って、国から地方へ、官から民へ役割をしっかり移行して、自由度を増した地方と規制緩和の上に立った自由闊達な民間、これが育っていく、そして元気な日本を創造していく、これが本来の目的でないかと思っている。
ところが、現在の三位一体の改革の進捗を見ると、いつの間にか財政再建計画、それも国の視点からの取組が先行して、そのしわ寄せが地方に廻っている。直接、国民、県民、市民の生活現場に接する先端行政に大きな打撃を与えている感が否めない。地方分権の本旨からみて、今後に残された課題も極めて多いと考える。今後、地方公共団体の自由度を高めるという三位一体の改革の理念に即した改革、本当の意味での三位一体の改革を同時進行で是非、実行するとういうことを切に要望させて頂く。
我々都市自治体も、創意と工夫を凝らして、従来にも増して行財政改革に積極的に取り組んでいく決意である。(西川小松島市長)

○最初に、今回の政府予算案による三位一体の取組に関することではないが、先に地方分権改革推進会議の地方団体ヒアリングの席上で、私は地方分権はまったく進歩していないのではないか、地方分権改革推進会議は何も行ってくれないではないかという意見を申し上げたところ、言葉は少し違うが、我々は意見を言うだけであり、実施機関ではないと言われ、がっかりした。市町村合併は地方分権、地方分権を行うから財政改革を行うのだと、すべての話が地方分権に集中しているが、地方分権の方は機能停止をして全然動かない。それでは一体どういうことになっていくのかということになる。そういうところを是非根底に置かれて、委員の方々で、こういう風にすれば良いのではないかということを大きく提言して頂きたいと思うということを最初に申し上げさせて頂く。
今回の財政改革については、財政改革を行うことは私も大賛成である。今回、所得譲与税を作ったが、この後に所得税を地方に移す、住民税に変えるという前段のことであり、恒久策でないことは承知しているが、地方に税財源を移譲するという切り口を作っただけでも、今回の三位一体はある意味では実効性はあったと評価している。必ずしも、私どもが満足し得るものでないということだけであって、切り口を作ったことについては、前進だと思っている。
例えば、国は1兆円の補助金をカットし、必要なもの、義務的なものは地方へ移譲するということで、トータルすると1兆円カットして国は3,500億円ほど、言葉が悪いかもしれないが、営業方法で儲けている訳である。損をしているのは我々地方であると思う。国が儲けるだけというやり方は止めるべきだと思う。それよりも1兆円の補助金をカットするならば、この補助金の対象になっている事業、事務について、こういうものを廃止、中止しますと言って貰えると、カットの分が割と受け入れ易いと思うが、それはなくて、とにかく1兆円カットする、そしてカットした分で、この分については交付金、交付税でと言っている。カットされると地方交付税でこれを差し上げると言われても、地方交付税は6.5%の減だから、カットされた上にさらに減額されるという結果になる訳で、今回の三位一体の財政改革は、まず、最初に国だけが得をしている、楽をしているということが言えるような気がする。
一方、私どもはトータルで3兆2千億円ぐらいが16年度は減額になり、これは大変な事態である。私の町は大体2,500ある町村の平均値だと思っているが、一体16年度でどれくらいの歳入不足が出るかと言うと、4億9千万円ぐらい出て、4億9千万円もでるともう硬直状態になる。
私の町は、私が町長に就任した時から職員数を80人から90人減らし、職員数が非常に少ないため、最近、若い職員を集めて、電子、コンピュータで全ての事務を行えるように、この一年間で全部準備を整えるように指示をした。多分行って頂けると思うが、同時にそうしなければこれからの私どものような町は事務を行っていくことはできないと思う。従って職員数を大幅に減ということで、今年度も希望退職を行ったが、まだ2年も3年もある職員が、こういう時期だから率先し退職しましょうと言ってくれた。今年は全部で10人以上辞めて頂くことになったが、その10人を補充するかといえば、予備を入れても3人ぐらいしか補充をしないつもりであるが、そういう風にして人員削減をすること以外、この今の危機的財政状況を乗り切ることができないと思っている。私の町はそれほど合理化を進めても4億9千万円も足りない。もう一つ、まだ最終判断をしていないが、私のところに町立病院があるが、これについて1年間検討していただき、今年の3月でやめるようにしたらどうかとという意見を頂いた。看護婦とか医師とか病院に従事している職員は一般職の中に入れているので、さらに一般職は減ることになる。従って、それだけのリストラを行わなければ、これからのわが町の事務事業は運営することはできないと思う。町村長は経営者であり、経営者が自分の町村の経営を仕切らなければ、経営者たる資格はないと言われたが、まさにそのとおりだと思っている。だから合理化できるものは、できるだけ合理化をして、そしてこれからの時代に対応していくことが必要だと思う。
ところが我々がそこまで、真剣に合理化を進めているのにもいるにも拘わらず、それをさらに追い討ちをかけるような財源対策というのは決して私は良いものではないと思う。どこに住んでいようと日本人には変わりはない思う。だから、良いところに住んでいる人が日本人であって、田舎に住んでいる人が日本人でないとする考え方があるとすれば、それは間違いだと思う。
また、どうも視点が大きいところだけにしかいっていない、小さいところはどうでもいい、大きいところに十分な手当が行き届いていれば我が国は安泰である、小さいところはおこぼれで良いのではないかというやり方をずっとしてきたと私は思う。だから、これは本当の意味で、地方自治を尊重をしているとは言えない思う。是非そのあたりをお考え頂き、私どもの町村は、約5億近い歳入欠陥を強いられており、これで16年度を運営しろといっても到底できるものではない、一体どうしたら良いのかということを示して頂くよう皆さんにお願いをしておきたい。同時にまたこのような状況について国側なり関係者の皆さんたちに十分熟知して頂くようにご努力を頂ければと思っている。
具体的なことを申し上げると、保育所の運営費を公立の分だけは交付税に転換をするということになったが、保育所は補助金と交付税で運営をしており、従って、補助金を地方へ移譲することになったが、交付税の中に入れると、交付税は最初から6.5%は減額になっている。従ってこれはうがった見方かもしれないが、公立保育園は止めなさい、これは民営化しなさいと言っているのではないかと思う。民営の保育所と公立の保育所は差があり、そこに従事をしている方々の給与が公立は高く差があり、従って民営の方はそれなりの採算がとれて利益が上がっているという見方がされている。公立で行うと運営費がだんだん足りなくなってくるので、今回の移譲でおそらく公立の保育所はうまくいかなくなると思う。そういうことを根底に考えながらこれを移譲するというのは如何なものか。おそらくに16年度公立の保育所は、それぞれの地方自治体が負担をしなければならない現象が起こりうるだろうと思う。その点は十分に注意をする必要があると思う。
まだ、補助金の廃止はこれから3兆円残っており、毎年1兆円の減額をするということになると、保育所に類似するものがまだ残っており、そのような形になるならば、結果として財源のない地方が負担をしていくことになりかねない。そのあたりもご理解を頂くようお願いしたい。
また、所得譲与税も、地域間格差、偏在性が非常に強いものであり、私の町で計算をすると、2200万円程度しかならない。ところが、減額される方は4億9千万円であり、4億7千万円の減額になる。この偏在性をどう解消していくかということが非常に大事だと思うが、この偏在性の解消のためには、地方交付税の財源保障機能と財源調整機能をどんなことがあっても守って頂かなければならない。
地方は合併をしようとしても、財源を確保することは出来ないと思う。今、全国で合併を行おうとしているところは、大きな都市になるというところはわりと少なく、ほとんど中小都市になると思っている。私のところで考えると、1番大きいところで20万人で、大体10万人前後の市として合併するということであり、この税の偏在性を解消することは事実上難しいと思っている。従って、偏在性が高ければ高いだけ、財源不足が生じることになり、交付税が持っている財源保障、その財源については確実に確保する調整機能を持つようしていくことが必要ではないかと思う。
この地方交付税について、減額しろとか無くせというような極端な話まであったが、これについては、自分達がいい加減に金を使った上で、金が足りないから地方交付税を増やせと言う地方自治体が今多いではないか、だから地方交付税制度をやめるべきであると言われたことがある。それは非常に極論であって、何の根拠でそういうことを言ったのかわからないが、今、そういう声の根底は残っている思う。だから、財源保障を止めても良いではないかとか、調整機能だけ持たせれば良いではないかということが言われるのではないか。だから、是非この二つの機能だけはどんなことがあっても堅持するように委員の方々の方で方針を決めて頂くようお願いを申し上げておきたい。
もう一つ心配な点があり、単独の投資的経費で1兆4000億円が今回減らされたが、これは13年度決算でこの投資の分が6兆円ぐらい余るということで、この投資についてはもう少しメニューをきちんと作って交付をしてくれるとか、使い方に難しさがありもう少し柔軟性があるようなやり方をして頂ければと思うが、これに目をつけられて、地方には余分な金がいっているのではないかと言われている。本年度は1兆4千億円減額されたが、これがどんどん減額されていくと益々財政の硬直化が起こる。現在6兆円から1兆4千億円減で4兆6千億円となるが、これは、おそらくもう良いということにはならないと思う。だから、これをどのようにして有効に地方自治体が使えるようにする仕組みを作って頂く必要もあると思う。また、この分がある意味では地方自治体の財源になっている訳であり、これ以上減額がされないように良い知恵を出して頂き、私どもが使えるように持続性のある方策を考えて頂ければと思うので、是非ともお願いを申し上げておきたい。地方自治体の、特に我々町村の仕事のあり方について、もう少し深くご検討頂くことが必要ではないかと思う。こういうことを行うのだからこういう財源が必要だということが出てくるのではないか。そういう点もご検討頂ければと思う。
今の危機的状態は、どうしても、どんなことがあっても切り抜けていかなくてはならない。途中倒れていくところも出てくるかもしれないが、皆で力を合わせて乗り切る以外は私は道はないと思う。しかし、歩いていく道すべてがイバラの道であるということであれば、町村は段々落伍していくのではないか。町村が落伍しても良い、大きなところが健全であれば良いという考えが現在でもあるようだから、そういう点が無いように除去して頂くような方策を考えて頂きたい。私どもも最善を尽くして、この危機を乗り切っていくそういう決心である。(山本全国町村会会長)

○三位一体の改革の初年度の姿は、国庫補助負担金の削減と税源移譲については概ね予想の範囲内であったが、地方交付税の大幅な削減が行われたことにたいへん驚いた。地方団体の皆さんのご指摘はたいへんよく理解できる。
ただし、これをどのように受け止めるかということについては多少温度差があるように思う。戦後、高度経済成長が続いて税収がたくさんあがる時代が続いたが、これによって国も地方も財政に依存する体質ができてしまった。財政依存体質を改善することなく、三位一体の改革で税源を移譲してもいつまでたっても肥大化した財政が続くことになる。税源移譲とともに国も地方も肥大化した財政を改革することが大事であり、苦しいと思うが避けて通ることはできない。
西川小松島市長からこのままでは住民サービスの低下は避けられないとの指摘があったが、歳入減で住民サービスの低下は避けられないというのは当然のことで、それが改革の本質である。みんなが財政に依存しているのであるから、ある程度合理化して、よい意味で住民サービスを低下させていかないとこの国はやっていけないのではないか。国が仕事を義務づけているから合理化にも限界があるということであれば、地方から国に逆提案をしてなくしていくようにすべきである。なぜ、自分たちだけがこのような苦しい状態になったのか、制度が間違っているのではないかということを逆提案して解決すべきだ。とにかく苦しいと思うが乗り切っていかないといけないと思う。
国庫補助負担金の削減と税源移譲については、まず3年間で4兆円で、そこからさらに積み上げていくというような悠長な問題ではない。地方交付税改革の方が厳しい波を受け止めているのであるから、税源移譲の方ももっと拡大して、きちんとグランドデザインをつくってやっていく必要がある。私は全国知事会が提案している9兆円くらい(税源移譲ベースでいえば7兆円規模)が適当と思うが、今年の6月上旬にまとめられる予定の骨太方針2004などに向けて、4兆円ではだめだということを逆提案して、もう少しきちんとした展望をうち立てるよう働きかけていくことが重要である。
山本町村会長が指摘されたように、三位一体改革によって様々な地域間の格差がでてくる。「都道府県展望」2月号に寄稿しているが、大正デモクラシーの頃に大幅な税源移譲の動きがあったが地域間格差の問題も命取りになって潰れてしまったことがあるので、地域間格差の問題にはぜひ具体的に取り組んでもらいたい。

○12、3年前は地方交付税特別会計の赤字はゼロだった。今、交付税特会の赤字が47、8兆円になっているが、これは景気対策など国の政策誘導として使われてきた面があった。その結果、交付税が大変だと言うことでカットしなければならないという論理、そうした国の責任を一方的に地方に押し付け否応なしに大幅削減するということは、受け入れられない話である。
三位一体の一番の重要な部分は、手足を縛らないで地方の自由度を高めること。自由に使える金があれば、知事会としては9兆の補助金廃止、8兆の税源移譲で1兆円の削減という考え方を出しているが、地方は有効に使い、それ以上の削減はできる。その部分は国はどうしても手放さないということが問題である。本県では住宅供給公社を廃止するという意思決定をしても法律上できないということがある。手足を縛って自由度が少ない状況の中で、1兆円削減し、今後、4兆円までいくのだろうが、国の関与の部分にこの委員会では切り込んでいっていただきたい。(佐藤福島県知事)

○山本町村会長がお話しされたように、いろいろな会議の場で要望したことがいつの間にかどこかに消えてしまうというかたちのやり方が何回も繰り返されて終わってしまうことは問題であると実感している。
個別に有識者の方が意見を言うのと同時に、まとまった形で具体的にこの補助金は返上しますということを言っていかないと中央省庁の方では真剣に受け止めてくれないのではないか。個々の自治体が個別に要望している事項をまとめた形で訴えていくことが重要であると思う。そして、実態はこうなんだということを関係者以外の人にもわかってもらうことが重要である。たとえば下水道関係の補助金などでは、国全体でみると下水道の整備率はまだまだ低く整備する余地が多いので、予算要求などで全国ベースでみるとその差をうめなければならないというと通りがよいが、これが都市と地方という話になると整備率が異なり、大都市は必要以上に整備されるくらいになってしまう。予算が付くとそれを消化しやすいように大都市に働きかけて何かネタはないかという話になり、このように仕事探しを比較的やりやすいところでやるということが現実の話としてある。地方のほうは本当はやりたいが自分のほうの負担も出さなければならないのでできないし、地方の方がコストも高くなるということがあまり勘案されていないという面もある。このような実態をまとまった形で訴えていくべきではないか。より効果的な方法を考えるべきであろう。
地域再生事業債で対応するということになると、これまでの事業量の7割が通常の地方債で、これをさらに地域再生事業債で増やすということだが、全体的に考えると、元利償還の100%を地方交付税でみる臨時財政対策債の地方分が1.7兆円減っているので、地方の元利負担はマイナスになる。結局、地方の債務の方はグロスにみるとフラットで変わらないが、後年度負担の方は増えるというかたちで今年は切り抜けたということになる。非常に苦労していると思うが、結局、地方交付税の方の借金はなるべく減らして、その分地方の負担にするというようなかたちでのスタートになっている。このようなかたちにならないようにしないと、苦しい苦しいという話が三位一体改革の中で出てくると、結局、地方が借金をしろという話になってしまうので注意する必要がある。

○全国知事会としても9兆円の具体的な補助金の廃止・縮減について掲げている。個別の補助金の話になってくると迷路に入ってしまう。国と地方の関係という根本的な問題から検討すべきだと思っている。
いざ税財源の話になった途端に財政の視点からしか切り込んでこないというのが問題だと感じている。(佐藤福島県知事)

○地方分権の本丸は、税源移譲だけでなく、国の規制について必要なものは残すとしても地方の裁量を最大にするように持っていくことにある。このような意味からすると今までの三位一体改革は成果もあるが反省点もある。事務といったことに目を向けないといけない。たとえば生活保護費負担金の補助率をカットして、まるで地方の裁量を増やしたかのようなとんでもない案がでてくるようなことには抵抗しなければならない。
改革のスピードということについては、がんばってこられた首長から予想を上回るスピードだという指摘を聞くと、自治体がついてこれるスピードというのは何なのかということについても考えないといけないと思う。
首長の意見を聞いていて、あまりにも自分のところの行財政改革というのが役所のなかだけに終わっているように思った。もう少し住民と向き合って超過課税を検討すべきではないか。超過課税が財政再建の柱になるというのは間違っていて限界があることは承知しているが、選択手段として、行財政改革だけでなく、給付水準を住民と向き合って対話して決めていく、負担、つまり税金や使用料を上げられないかといったことに取り組んでいくことは、今後の議論のうえでも地方団体がどこまで腹をくくっているのかを示す上で重要なことではないか。

○三位一体改革の初年度の姿は地方にとっては「大きな痛み、小さな税源移譲」という形になったと思う。大きな痛みという点では、骨太方針には、「歳入歳出ともに地方の自由度を高める」ことをめざして、という文言があるが、これが全く実現されていないというのは問題だと思う。
小さな税源移譲という点についても、地方消費税が出来て以来の税源移譲で、それも所得税の税源移譲への道筋がついたということで一歩前進だと首長たちは評価していたが、これから自治体ごとの税収格差をどう調整していくかという問題が課題としてあるので、それを解決しないと所得税の移譲といっても簡単ではないと思う。
今後は、自治体は特別会計も含めた行財政改革を政治的にも考えなければならない状況になってきていると思う。そういう意味では、首相も三位一体改革の全体像を示すということを言っているので、地方6団体としても全体像を示して、参議院選挙があるので各党ともマニフェストを出してくるだろうから、そういうものと要求を突きつけあうことが重要だと思う。
地方6団体側がまとまったからこそ、これまでならば一方的に押しつけられてしまったと思われる生活保護費の補助率カットや政府税調が答申したたばこ税の移譲などを押し返すようなことが出来たのだと思う。佐藤知事がおっしゃたような住宅供給公社をやめようとしたが、法律があるからできないというような支障事例を具体的に列挙して、その理由を明らかにしていけば住民の理解も得やすいと思う。そのようなものを地方6団体でまとめて国に突きつけることが新たな展望を切り開くことにつながるのではないか。

○今後の検討の際に踏まえるべきテクニカルな点を2点指摘する。
1点目であるが、沖縄県平良市では、来年度予算編成にあたって、三位一体改革が急激に進んだので歳入歳出があわせられないという理由で、歳入歳出が一致しない第一次予算案を内示した。結局、修正される方向のようだが、このように自治体の現場は大変混乱している。それは三位一体改革の中身がよくわからないからである。国庫補助負担金の削減額である1兆円あまりに対して、実際にどれくらいの金額が財源として確保されて、その内訳は何かという細かいところがよくわからない。税源移譲の対象になった国庫補助負担金のリストはある。その金額は昨年ベースでいうと2,440億円だが、これが所得譲与税で2,198億円になる。2割削減されたものや1割削減されたものや手つかずのものがあると思われるわけで、地方財政計画ではいったいいくらに算定されるのかがよくわからない。もっとわからないのは、削減又は減額された国庫補助負担金のリストで、これが公表されていない。財務省が公表すべきものだと思うが、資料1−2よりも詳しいものはでていないのではないかと思う。したがって、予算を組もうにも現場が必要とする細かい数値がわからないのである。
その理由としては、1つには所管が財務省、総務省それぞれに分かれて、統一した事務局がないこと、2つには税源移譲は与党の税制調査会等のベースであり、国庫支出金の方は別のルートと、2つの意思決定ルートでやっていて、それぞれの論理構成がよくわからないからではないかと思う。
これほどの大改革であるのに、この程度の情報開示でよいのか、国はきちんとした情報開示をすべきである。
2点目は、三位一体改革の初年度で3年間で4兆円のうちの1兆円が終わったので、残りはあと3兆円であるが、このうち義務教育職員の給与費負担金の本体分については平成18年度末に決着をつけることになっているので、およそ2兆円が3年後まで留保されていることになる。また、生活保護費負担金は平成17年度には削減の方針とも伝えられているので、これも何千億円か留保されている。そうすると、4兆円のうち1兆円は終わりました、2兆円は2年後ぎりぎりまで留保され、さらに生活保護費負担金の分も考えると、国庫補助負担金の削減額が4兆円とすると実はあまり残っていないことになる。公共事業関係費は来年度も同額程度を単に削減するというやり方になると思うので、結局、4兆円は内訳ベースでは実はすでに決着がついてしまっているということにならないか。
このようなことを踏まえて、三位一体改革の2年目においてどのようなインパクトのある提言をしていくかということについて少し考えないといけないと思う。ここでポイントになるのは、公共事業関係の国庫補助負担金を削減対象に入れるか入れないかということであろう。これを4兆円の中に入れるに、1,330億円のまちづくり交付金というかたちで復活したものもあるが、基本的には代替材源は用意しないでばっさり切るというかたちになるので、税源移譲のインパクトが小さくなる。三位一体改革なのか歳出削減なのかわからないという、いま伺ったような現場からの疑問がでてくるのは、公共事業関係の国庫補助負担金を4兆円の中に入れたからだろう。ここをどう考えるか、今後の検討に際して留意しなければならない点ではないか。

○細かいところを指摘していただいたので、やや大きな話しをさせて頂きたいと思う。地方交付税の削減問題が次の焦点になってきている。もともと論理的には焦点だと私は思ってきたが、実際に来年度予算がなかなか組めないということで、あらためて問題になってきていると思う。ただ、1兆円ぐらいの削減で、1兆円ぐらいといってしまっては良くないかもしれないが、3,000ぐらいの市町村が非常に大変な思いをしている。一方で、日本の世界企業は1兆円の利益を上げている。それから国民の資産というのはグローバル化しているなかで、5%ぐらいの利子があれば15兆円ぐらいの収入があるわけだが、ゼロ金利で、ほとんどが銀行につぎ込まれている。これに20%を掛ければ3兆円ぐらいの財源は出ているはずである。それがほとんど出ていない。1,000万円くらい預金があっても普通預金だったら、2回くらい引き出すと利子が終わってしまうという状況である。ということは分権と言いながら日本の状況をみると、企業は栄えて自治体滅ぶということが起こっているのではないか。1兆円、2兆円の、どうしてナショナルミニマムを保障するお金を日本は出せないのであろうか。片方で非常にミゼラブルな国になっているという気がするし、一方で企業は栄えている。ここのところがひとつのポイントではないかと私は思っている。
所得譲与税の話が出たが、国の方は最後の最後までたばこ税に固執したわけであるが、政府税調の答申にもあるように個人所得課税を今後、日本の財政の中核に再建したいということ、これは選挙のたびに減税をしてきたということを多少反省して、所得課税を基幹にしたいと思っていることであり、この三位一体の期間の最後のところで大増税したいと多分思っていると思う。そしてそのなかで移譲したかったというのが多分国の本音なのではないか。
そして、消費税に関しては年金の財源対策として持っておかないとどうしようもないということで消費税は手放せないということになっている。この方向をみると、要するにグローバル化に対応した税収というのはどこに求めるかというと、企業に掛けてしまうとキャピタルフライトが起こるので、掛けても移動可能性が少ない個人に徹底的に掛けていくという選択をしているのだと思う。今年のボーナスを見てだいぶ減っていると思っていたら、年金のタックスベースのなかにボーナスも入るという改革が行われているのであり、今度の税制改正では均等割りの増税があり、妻に関しても特別扱いしないと、こういうことになっている。現に所得課税の増徴が始まっているのである。そうすると財政再建の基幹税として国は所得課税、これは年金も所得比例税であり保険料にしてもそうであるが、そういう方向で財政再建が進んでいくにもかかわらず、どこに住んでいても日本国民だと、その最低必要な文化的なサービスを保障するはずの地方交付税は削減されていくと、これは国民が納得するのだろうか。税収を支えているのは個人所得だとしたら、それは公共サービスで返せという意見が強くなってくるはずである。
地方交付税がある程度しっかりしていれば、税源の偏在は二義的な問題である。今でも大きな偏在があるわけで、地方交付税さえしっかりしてれば、つまり逆交付税も含めてしっかりしていればあとはどんな財源でもいいというぐらいのつもりで交付税機能ということを重視しておくべきであろうと私は思っている。

○二つに分けて申し上げたい。ひとつはマクロ的に申し上げたい。市役所に行って、こういう問題がありますと言うと、上司に相談しますと言う、上司は市長と相談しますと言い、市長は県と相談しますと言い、県に行ったら知事に相談しますと言い、知事のところに行くと担当の省に相談に行く、担当の省は一遍財務省と相談しますと言う。こういう形が永遠に続いて問題が解決されるかどうかというと、全く無責任なのである。担当は上司に責任転嫁、上司は市長に責任転嫁、市役所へ行ったら県へ、県へ行ったら国へ、国へ行ったら財務省へで、こうやって全部逃げられる体制そのものを変えるために、補完性の原理、サブシディアリティということが取りあげられているということから考えないといけない。1947年に地方自治法が出来て、民主主義の学校といわれてどれだけ自治が出来てきたかといったら、それぞれのご努力はあったであろうが、考え方が変わるパラダイムシフトはそこに起きていない。こういうことこそが、まずひとつ考えていかなければならない。
私もマニフェストを知事の皆さんにお願いしたときに、何人かの知事が書けないということを言われた。財源を国に握られているから財源とか期限は書けないということなのであり、これはこれで正しい。だとすると書けるようにしないといけないのであり、知事とか市長はそういう存在なのである。主権者である県民にいままで選挙公約をしてきたわけであるが、全く財源があてに出来ないから私は責任持てないということを言っているわけで、こんな民主主義はあり得ない。だから、マニフェストを掲げて闘われた知事の皆さんが、それでは財源を返却して自主財源でやりましょうと、その時に100億円の補助金が自主財源に変わって100億円ならば何の感動もない。70億でも80億でも我々の自己決定・自己責任なら、努力して裁量権でやりましょうというところへいって、補助金返還が行われる動きがでてきたということである。これは有史以来初めてのことで、江戸の仇、長崎で討たれると、こういうことであった。市町村に限っていえば、特に今、各省庁から概算で絞り上げられて、そんなこといったら財務省にどうやって予算をとるのだと言われる。こういう愚かなことがいくらでも行われている現実をさらけ出して解決した方が、地方も省庁の皆さんもずっと楽になるのに、今のくびきのなかで、何でそういうことが永遠に行われていくのかということを考えないといけないのではないか。すなわち、ごく常識的に考えて変なことはやめましょうということが、パラダイムシフトであるとするならば、その点を頑張ってやらないと、1947年に地方自治法が出来て、地方自治の学校が50数年経って、ほとんど解決できなかったということが、今度、骨太の方針にも明らかに地方分権を進めると、サブシディアリティだと書かれはじめたわけであり、ここで本格的なことがひとつ必要だろうと考えている。
それぞれ、西川市長や皆さんが言ったことはよくわかるのであるが、600名を500名にしたり、30名を21名ということであるが、大変なご努力だということはわかるが、今、予定調和の中で、こういう中央集権の中で努力してきましたということではなく、先程、委員が言ったように、では市民、町民とどう向き合うのかとなったときに、600名は50名で済むのではないかとか、議員は要らないのではないかとか、あるいは市役所の仕事って何なのというところからやらないと、今、明らかに資本主義、民主主義のかたちが変わってきて、ポストモダーンになっているのだと思う。当然、経営者の体質は変わり、積み上げ的に部下の言うことを聞いて、てにをはを直すトップは殆ど負け組になって、トップダウンでいくというようなかたちの経営形態に変わるということになった時に、当然、政治のあり方もいままでのように、嘘で固めた公約に、お互いが支持団体相手の選挙までの公約で、お互い都合悪いから書かないでおこうねといった選挙で上がってきた政治が何で信頼されるかというところへ変化してきている。
そして政治主導で行政官をちゃんとリードしていかないといけないのに、三位一体の改革において各省庁の公務員は政治の言うことをきいたかというと、きいていない。こういうことを社会主義国家という。このようなことを誰かが真剣にやらないと、民が主導して民主主義であるにも拘わらず、官があまりにも強いということはどういうことだということになった時に、では政治が信頼されていたかというところでマニフェストが出てきた。では政治を選んだのは誰かというと、それは民が選んだのであり、民の責任を問うということをはっきり言わないと、それが委員の言われた、本当に給付と負担の関係をどうするといった議論のところまで踏み込まないといけない。実は政府や地方自治体が倒産する可能性があるという話であるが、既に倒産しているのであり、それを前提に本当にこのつけをどうするかといった時に、仕事の仕方に問題があると思う。そこで、国が得をしているという意識だけは、国をあげて変えないと地方自治体はもたないという現実の問題がある。そこで、ミクロの話に移すが、先程の非常識なことというか考えておかしいということ、つまりその市のことを市長が決定できなければ市長の資格はないということ、知事がその県のことを国にご相談申し上げるということは、裁量権の問題があり、これはひとつ押さえなければならない。
もうひとつ、今度はミクロの積み上げである。先程、住宅供給公社の問題があったが、これは単に法律で決められているということではなしに、国土交通省からやめたらうちの権限が、ということでどれだけ皆が泣いてきたかということは皆承知の上であるが、これが言えなかったのである。それを発言出来るというのは情報公開のなせる業であり、言い切らなければだめである。
すなわち、ひとつひとつを積み上げたミクロの積み上げによって全体を変えていくということであり、この二つを分けてやるときに、知事会議が約200項目をあげて、足したら8兆9,000億、約9兆円の補助金は要らないということが出たわけであり、そのひとつひとつを、先ほどの住宅供給公社の問題も含めて積み上げていくという具体の努力、そしてそれを情報公開しオープンにして、地方が間違っているということもいっぱいあるだろうが、オープンにして議論するということにならないと、先ほどの委員の発言にもあったように、審議すれどそれは一切関係なしというということがあまりにも続きすぎているのではないか、意思決定の仕方が変わってこなければいけない。もうひとつはマクロで、おかしいことはおかしいと言い切りましょうということ。そして具体の積み上げでひとつひとつやっていかないといけない。マクロばかりやっていても進まない場合があるので、ミクロの積みあげをこの委員会などで具体をあげて、結局、地方のことは地方で、自由裁量で出来るというところまでいった時に、民主主義が変わると思っている。

○地方分権について私どもがイコールパートナーと言い出した時には官官分権であったが、今は官民分権というか、まさにローカルが住民も含めて、イニシアティブをもたなければならない。合併問題についてもいろいろとご意見があり、合併して効率を良くしろということは東京の机上では出でくるであろうが、これは住民が決めるものだということで展開している。
また、税収が上がったところが税金を使うということでいったら、特定のところに集中してしまう。それが今の日本の状況である。地方交付税の意味をもう一回考えていただきたい。これはとても重要な部分であり、人材も、水も、エネルギーも、食料も、さらに、綺麗な空気も地方が送りだしている。こういうことが、東京の机上ではなかなか出てこないということをご理解頂きたい。
公共事業について、シーリングは毎年やっており、このシーリングが三位一体改革の1兆円削減の中に何千億か入っているというのは、明らかにごまかし以外の何物でもない。個々の話で、住宅供給公社については法令上の問題があるが、3年後に廃止するということで進めている。そういうことも含めて、地方分権は何たるかという根本のところを、委員の方々には、国において、東京において主張して頂きたい。(佐藤福島県知事)

○自治体の首長の皆さん方の悩みは、一言で言えばニーズとリソースが一致しないということである。何かやらなければいけない、やりたいというときに、しかしやれるかというと、やるためのリソースは他の人が握っているということだと思う。そこでこれからの自治体のあり方として、何がやれるか、そのリソースをどう使うかということを、負担の自覚のもとでの住民の選択により決めていくことが必要であるが、これまでの地方分権は、日本の従来の国・地方融合型のシステムを出来るだけ分離して、自己決定、自己責任の部分を増やしていこうということだったが、そこで今、直面しているのは、それでも国の制度、国の基準、国の政策は必要ではないかという固いところであり、それは義務教育であり保育であり、生活保護もそうである。そこをさらに分離型に進めていく必要もあるが、どうしても融合の部分は残る。そこで考えていくべきは国の制度と組み合わせてやっていかなくてはならないにしても、国の制度というのは国の方で勝手に決めるのかということで、行政に対しての何がニーズなのかということをつかんでいる自治体が国の立法にきちんと関与していかなければならないというところが、今後ますます重要なのではないか。個別の問題の改革、例えば教育のあり方をどうするかという論議も必要であるし、全体の仕組みとしての国の立法のあり方、国の政策論議に自治体がどう関わっていくかという仕組みそのものもこの機会にどんどん固めていく必要があるのではないか。

○私が昨年この委員会に加わった時、長年続いてきた「地方蔑視」の悪習を、「地方分権の推進」で解消していかなくてはいけないということを強く感じた。しかし、だんだん会議が重なるにつれ、もはやこれは国対地方自治体という問題にとどまらず、この国の仕組みそのものを変えていかなければどうにもならない閉塞状態に陥っているということがわかってきた。生活保護のこと、義務教育や保育のことも、国の無責任というか、「お金がないからそれは地方でやってよ」という態度がありありだ。そのこと自体は由々しきことだが、一般的には国の責任を問ういいきっかけではないかとも思える。その一方で、小さな町や村が地域の活性化のために、少ない予算でいろいろな工夫をしていたり、また官民一体となって、道を造ったりなど、さまざまな試みをされているようすを新聞やテレビで知ると、政治を身近に感じて、住民参加でこういうこともできるのだと気付かされる。
いままで、私たちは行政そのものに、信頼感というものが全くなかった。官と民の信頼関係を「地方分権」をキーワードとして取り戻していかなければならない。先程の「増税」ということについても、長い間「減税」が選挙の目玉になっていたということが、本当はおかしい。サービスを良くしてもらうには、お金を出さなくてはならない。たとえば福祉先進国のオランダでは、「減税」は選挙の歌い文句にはならないと聞いている。介護保険料が値上げされても、住民の欲しいサービスが着実に増えていく実績があるので、あまりクレームが出ない。これは長年の官と民との信頼関係が基本的にあるということではないだろうか。
今日の会議でも、皆さんのご発言から多くのことを学んだ。この会議の議事概要などは、ホームページでも公表しているようだが、時々刻々の地方分権にかかわるニュースや意見を、ホームページを開いているというPRを含めて広く知らせてほしい。私たちはこれまであまりにも行政におまかせで、無知だったと思う。この委員会に出席して、日本再生の鍵はここにあるのではないかということを感じている。今、地方が財政的にすごく苦しんでいるのはよくわかるし、大変だと思うが、その苦しみをバネに地域住民との信頼関係を取り戻していくということが本当に大事なことではないかと思う。バブル経済の中で、日本中がどこか狂っているという気持ちがしていたので、貧乏になったおかげで正気に戻ったという気さえしている。これをスタートラインとして、委員の言われるように「おかしいものはおかしいと言おう」という勇気を持ちたいと思う。

○今日の議論に参加して非常に印象に残ったのは、三位一体の改革といわれているが、その三つが内的に連関していないということがはっきりしたということである。三位一体というのは補助金の削減、税源の地方移譲、交付税のカットと言われているが、そのうち最初の二つは内的に連関しているが、前二者と第三者はリンクしていない。なぜかというと、補助金を削減して地方に税源移譲すれば当然税収格差が発生するので、前二者の改革が進めば進むほど、第三者の、カットの対象になってる交付税の財政調整機能がクローズアップされる関係になっている。その三つの関係について、これまでは必ずしも十分に議論が出来ていなかったのであり、今日、ご出席の福島県知事、小松島市長、町村会会長からの意見が出てくるのは当然のことである。地方の立場から、実は前二者と第三者というのは、はじめから自動的にリンクしているわけではないのであって、そういう意見は当然出すということは必要である。
しかし、今年は交付税制度が出来て50年目の年であるが、改革がいくつか行われてきて、まず、事業費補正が廃止に近くなって政策誘導がだいぶなくなってきた。それから段階補正も改善されて、交付税のキメ細やかな算定ということが舵がきられた形になった。この程度の改革であれば、交付税制度は無傷で残ると考えられるが、問題はこれからさらに交付税の根幹に一歩踏み込んだ改革にいくかどうかということで、今、議論がされている。結論から言うと、もし交付税制度を守るという立場に立つのであれば、ある程度は改革の波に乗らないと、制度自体が守れないような事態になってくるということが考えられる。そういう意味で地方の現場の方は大変な苦しみを経験されていると思うが、私の理解では交付税制度が正当化されてきた論理というのは、ひとつはナショナルスタンダードという看板、もうひとつは国土の均衡ある発展という二枚看板であるが、今、問題になっているのは2番目の国土の均衡ある発展という看板であり、これを下ろすかどうかということである。これが、交付税の根幹に関わる改革に繋がる論点であり、今後議論をしていく必要があるのではないか。


※運営内規に基づき、委員については発言者名を省略。



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