第4回 地方自治確立対策委員会 議事概要

平成15年10月2日


1 日 時
  平成15年9月22日(月)16:30〜18:45

2 会 場
  都道府県会館3階 知事会会議室

3 出席者
 ○委 員

  茂木委員長、岡崎委員、北川委員、木村委員、小西委員、小早川委員、高見澤委員、
 田嶋委員、水城委員
 ○地方六団体
  全国知事会:梶原会長(岐阜県知事)、増田岩手県知事、浅野宮城県知事、
        平山新潟県知事、石川静岡県知事、山田京都府知事、中川事務総長
  全国都道府県議会議長会:襲田事務総長
  全国市長会:阿部川崎市長、堀江神奈川県伊勢原市長、鈴木事務総長
  全国市議会議長会:佐藤事務総長
  全国町村会:針ヶ谷群馬県板倉町長、谷合事務総長
  全国町村議会議長会:篠田事務総長

4 議 題
 ○三位一体の改革に関する政府の取組等について

5 議事概要

○三位一体改革という当面の、あるいは中長期的な大きな課題を控え、是非皆さん方のご協力をお願いしたい。補助負担金の問題については、各都道府県あるいはグループで、どのようにこの問題に取り組んでいくかという案を検討しており、国がこう考えるからこうやれというようなことではなく、我々が率先して案を提示するということで行っていきたい。国の方も勝手に案を作って、後から都道府県からそんなもの要らないと言われれば、これは全く漫画になって恥をかくわけであり、我々の意見を聞かざるを得ないと思うが、従来の実績を見ると、国は勝手に我々の意見を聞かないでどんどんやるという習性があるので、相当警戒してかからなければいけない。片山総務大臣がこれまで一生懸命やっていただき、今回、大臣も替わられたが、やはり、我々自治体の意見を十分尊重して方針を決めていくべきだと思う。我々は闘う知事会議を標榜して、これからは、「そうなめちゃいかんよ」と意思表示を行った。私が就任してから、六団体の会長さん全部に電話していろいろと相談し、六団体一致団結して事に当たろうということになった。仮に総務大臣が我々の意に反するような行動をされたら、総務大臣不信任決議というようなものを六団体で行うという、場合によってはそれくらいの覚悟でこれから取り組んでいきたいと思っている。
「補助金を削っても良い」と言うと、所管官庁の担当から「本当に削っても良いの」というような、いじめとか脅しがあるやに聞いているので、早速、全国知事会に地方分権苦情情報センターというものを置くことにした。そこで、いじめや脅しの情報を集約して、何らかの手を打ちたいと思っている。それから、総選挙が噂されており政権公約を公表している政党があるが、各政党の政権公約の評価を行いたいと思っており、岩手県増田知事さんは自らの選挙で政権公約を打ち出されたということで、増田知事さんのところで、この政権公約評価研究会というものを行って頂くこととした。間に合えば、総選挙にそういうものが出せればということで、客観的公平に地方自治の立場から各政党のマニフェストというものがどう評価できるか、まずは一つの試みでスタートしたいと思っている。
「国と地方の税制を考える会開催結果」資料を提出しているが、たまたま私がこれまでは、会の座長を務めさせて頂いた。そこでメンバーの知事さん方に分担をして頂き、いろいろな検討をして頂いている。その中間的な報告をこの際させて頂きたい。まず、岡山県知事さんには、補助金負担金の廃止と財源移譲の手法等に関して論理的に分析をして頂く、あるいは戦略を策定するということをして頂いている。和歌山県知事さんには、地方財源の必要十分な確保のための戦略というものをご検討頂いている。三重県知事さんには、国と地方の関係、役割分担、事務の再配分について継続的に検討・点検し、マスコミ等各方面に訴えていく戦略についてご検討頂いている。秋田県知事さんには、市町村合併を踏まえて新しい形に市町村がなっていくが、その地方分権の在り方、特に都道府県との関係をご検討頂くこととしている。なお、今日、秋田県知事さんにお願いして、市町村財源研究会の主催をして頂くこととした。三位一体改革で税源移譲があるが、市町村サイドからは都道府県に移譲されても市町村は潤わないという問題がある。我々としては、できれば、国対自治体という配分が重要であって都道府県と市町村は一体である、都道府県に移譲された税源については都道府県の中の事情によって民主的に配分を考えるというようなコンセンサスを得たいと思っており、横手市長も経験された秋田県の寺田知事さんに、市町村の気持ちを代弁してご検討頂くこととしている。六団体が結束する大前提で、その辺の利害の関係のすり合わせをしておかないといけないということで、そのことをご報告しておきたいと思う。福井県知事さんにはこの税源移譲の問題、滋賀県の知事さんには国の関与を排除するための通則の制定、秋田県の知事さんには関連して市町村への関与について、特に県も問題があるということで、ご検討をして頂く。新潟県知事さんには、国の事務事業の点検を実証的にやっていただき、あるべき姿というものを打ち出して頂く。
資料7については、地方自治を阻害している国の関与事例調査を滋賀県で調査して頂いたが、先程のいじめとかおどしは無いかということであるが、知事のところまでは問題にするようなことはそれほど沢山は上がってこなかったという結果になっている。資料8については、税制を考える会とコラボレーションしている構想日本という団体の案で、地方自治確立法の概要、先ほどの国の不当な干渉を排除する通則を法律にするとこういうことになるという案である。その第4条では、地方公共団体は、最小の経費で最大の効果を上げるために、いろいろ行わなければいけないということ、あるいは、事業効果をよく考えて行うとか、責務を設定し、そして第3条2項に戻って、そういう地方公共団体が責務を果たす上でいかなる不利益も国が与えてはいけない、こういう縛りをかける必要があるのではないかということで、これも法案というよりも、できれば六団体の通則でまとめていければと考えている。以上、中間的な報告であるが、この委員会のご審議の参考に供していただければ、幸いである。(梶原全国知事会長)(参考資料:別紙

〇岩手県提出資料「国庫補助負担金の見直しに関する緊急提言」の要旨について申し上げる。国庫補助負担金については平成18年度までに概ね4兆円程度の廃止ということが骨太の方針で決まっているが、どういう格好で4兆円が決まったのか、その具体的なものは何かということが明らかになっていない。一方で、このことについては自治体側から主体的にどう考えるかということが強力に必要であるということで、今日委員長を務めて頂いている茂木委員長、そして北川教授が共同代表をしておられる21世紀臨調という組織があるが、その中の知事市長連合という組織があり、そちらに参加の知事さん方で、至急、県レベルで貰っている補助金全部を一度都道府県レベルで当たってみて、本当に必要なものなのか、あるいは、地方への税源移譲を前提に補助金という形では廃止をして良いのではないかということを一つ一つ全部精査をした。そしてその上で、各中央省庁が財務省に概算要求を行う前に、国の方に自治体として意思表示をしておく必要があるのではということで、急遽、7月から作業を始めて8月末に緊急提言という形で発表したものである。
資料の1頁目に概要が書いてあるが、都道府県レベルの補助金ということで、補助金自体は国全体では20兆円程であるが、都道府県レベルで国から貰っている補助金は11兆4,269億円で、それ以外は市町村に直接行くということで、市町村分を除いて都道府県レベルのものを464件全部一件一件当たった。その結果、税源移譲を前提として、補助制度として廃止をして地方が実施をした方が良いと思うものが、実に8兆9,214億円、390件ほどに上るということになった。これについて、骨太の方針では義務的なものは地方へ10割税源移譲、その他のものについては8割ということが書いてあり、それ自体が数字として良いのかどうかということがあるが、仮にそういう前提で、その数字をとって試算をしてみても、8兆1,886億円ということで、9割程がもう補助制度としては廃止し、地方へ税源移譲してもらった方が良いという結果であった。あとごく一部に、逆に国が実施したほうが良いだろうというもの、現行のまま継続して良いというものがあり、防衛関係、原子力関係、災害関係についての例外があるが、そういったものを除けば、ほとんどのものが地方に移してもらった方が良いということになっている。なお、さらに検討を重ねたいということで、生活保護など、2兆円弱、1兆9千億円程あるが、これは少し意見が分かれているのでまだそのままにしてある。このような結果を、6県の知事で緊急提言として、8月27日に発表をした。
これは、都道府県レベルでの補助金の考え方であるが、今、市町村分についても、いくつかの市長さん方にお集まり頂き、急いでこういう結果を市町村レベルでの補助金についても行って頂く必要があるということで、いろいろと今動いているので、10月になるかと思うが、市町村レベルでの補助金の方もまとめて頂いて、是非公表してもらえれば、20兆円全体のいわゆる地方団体の代表する考え方がまとまるといったことを今考えている。知事会としても、今そういった作業が大詰めのところにきており、そうすると、暮れの予算編成の時までに地方団体として意見がまとまるので、タイミング、それから、それをどういう風に政府に突きつけていくかということは、知事会長さん、あるいは関係の市長会、町村会といった団体とよくご相談しながら動いていくことになると考え、ここでご紹介をする。(増田岩手県知事)(参考資料:別紙

〇今お話しがあった内容と最初に事務局から紹介があった来年度予算に向けての政府、各省の予算要求の中で言われていることの甚だしき違いということに気が付かざるをえない。先ほどの事務局の説明を聞いても、我々が言っていることが完全に貶められているということで何点か指摘をしたいと思う。
今、増田知事から紹介があった見直しの緊急提言は、二つ三つの点で非常に特異なものである。一つは、地方から要らないと言ったということは当たり前のように最近なってきたが、実は、画期的なことである。今まではそれを言えば、「要らないのね、やめましょう」と個別撃破されてきたのが、まとまって言うと力になるということが一つである。二点目は、11兆4,269億円のうち、8兆9,214億円要らないと言っていることである。このことはどういうことかと言うと、哲学が全然違うということである。政府というか各省は、「いや、問題がある補助金が無い訳ではないのです。だから、この辺はちょっと直しておきましょう。」ということで、パッチワークと言うか、その一番目立つところを直していくという手法をとっている。我々の手法は、「基本的に補助金は要らないんです。要るものをそれでは言ってください。」ということで、全然違うということである。それで、実はそれを少し分析すると、要らない補助金というか、補助金の問題点は、いくつか類型ができるのではないかと思う。
一つは、非常に重要なことで、各省庁では絶対言わないというか気が付かないのが縦割りの弊害である。これは補助金の補助金たる所以は全部縦割りで、各省庁の縦割りではなく、各係ごとの縦割りということである。机を並べている係と係の中で融合しない。これをやめるから、こっちをという話にはならない。他の県の例を挙げて申し訳無いが、鳥取県の片山知事がよくおっしゃられるエピソードは道路の問題で、鳥取県は確か高速道路が無く、高速道路を、と言っているが一顧だにされない。ところが景気対策で補正予算がどんと組まれると農道を作れ農道を作れと言われる。もちろん、要るか要らないかといえば、農道が要らない訳ではない。だけど優先順位から言えば、鳥取県はここに高速道路を作ってほしいということは一顧だにされずに、農道でということである。これが縦割りである。農水省、国土交通省と省すら違う。使う側から言えば道路ということで、ある程度共通性がありながら、その優先順位が判断できるのは、知事だからできるのであるが、国土交通省の高速道路課で考えているのと、農道を担当している農水省で考えていることと、そこのところは全然論理的にあてはまらない。これが、沢山あるというか、正にそれが補助金アットオール、補助金全般の問題という認識が無い。これは、認識の問題ではなく、方法論、論理的な問題だと思っているが、各省庁がそんな問題に気がつくはずはない。ところが、知事は気が付く。実は庁内で、宮城県でも問題ある補助金を言ってこいと言った時に、今の問題は出てこない。それは気が付かないということが一つと、もう一つは各担当されている部長も縄張り意識があって、例えば、土木部の補助金を切って、それを一般財源化するとした時に、浅野は、土木部を切って福祉の方に付けるだろうという風に思われている。自分たちの縄張りが縮小するので補助金でもらっていればそれだけの事業は絶対できるだろうということで、実は庁内においても知事と各部長の間では違うということがある。庁内で調査をしても出てこないというのは、この縦割りの弊害としての補助金である。
もう一つ、よく出て来るのは、補助金は融通がきかないということである。いろんな基準があり、基準に当てはまったものでないと行わないというのは一杯ある。各省庁の中にも、それはそうだなということで、一括交付金ということで、少し直しているものもある。それは、その補助金が縦割りだからということではなく、あまり言うのであればみっともないから、自由度を作ろうという話であって、それはそれで必要ではあるが、今回我々が言おうとしている本質とは大分かけ離れている話である。
それからもう一つは、横暴さというのがあり、特別保育事業という事業で、平成14年度の年度末の2月3月の時期になって、突然、平成15年度分の補助対象が変更されたということがあり、はっきり言ってめちゃくちゃになった。補助金のもう一つの問題点は、国が補助金分配権限を持っているということで、権限を持っているがための横暴ということが極まれりという例はいくつかある。梶原会長が言われた意地悪されるというのは、権限を持っているからということで、これはよくある話である。それではどうするかということであるが、私は政治の問題だと思っているが、皆さんにもちょっとご意見を聞きたい。攻め口であるが、実は我々が今こうやっていても、一般の国民はあんまり関心が無いということで、関心が無いというその一つは、わからないということである。例えば、規制緩和の議論があったときに、当時の細川熊本県知事が、バス停一つ動かすにも知事には権限がなく運輸省に行ってということがエピソードとして言われ、それは国民から言うとおかしい、バス停一つ動かすのも何でそんなに霞ヶ関に行ってやらなくてはいけないのか、ということで、これはこれで意外と受けたということがある。今回、少なくとも、国民の関心を我々に向かせて、やっぱり国はおかしいというための、その、とんでもない補助金を調べてエピソードをあげようかと思って、ちょっと紹介した。ただそう言っていながら、実は、この歌はずっと何十年間も歌ってきており、私も厚生省の役人として、やられる側であったが、さっきもちょっと言ったように、「とんでもないものだけを廃止すればそれで終わり」になりかねないというのがちょっと心配であり、迷っている。しかし、今、この時点で、「とんでもない補助金」を具体的に固有名詞まで出して、本当はこの場所で出した方が良いのではないかと思う。
いろんな笑い話があり、海岸については皆さんご存知だと思うが、みんな各省庁の縄張りになっている。外から見ると境界は無いが、ここは建設省縄張りの海岸、ここは運輸省縄張りの海岸、ここは農水省縄張りの海岸ということで、また、護岸工事を行う時の高さの基準が補助金によって違う。補助金どおりに行うと、同じ海岸でも、何メートルか差がつく。足らない部分は単独で出せばということで行っているが、おかしさを出すために、そういう護岸工事をすれば、かえって目立つのであるが、それは笑い話的にもおかしいとなるのでそういうもの出すのかなとか、30万円の補助金を貰うために人件費などを入れると100万位かかってしまうとこれよく言われるが、書類をこれだけ積上げてその人件費に何人かけたとか。そういった我々の側から本当に「とんでも補助金」というのを出すと言うのは、いかがなものだろうか。私は、それを各市町村もそうだと思うが、各県でも出して、みんなで笑いあう、その次にむなしくなって、怒りあうということが、政治的なインパクトにならないかなと思っている。何度も言うように、それだけで、お茶を濁されるのは困ると思いながらも、でも、やっぱりやるべきではないかという風に思っている。これからの攻め口の問題である。(浅野宮城県知事)

○国庫補助事業は地方自治体が事業主体として実施することになっているが、たとえば事業主体は市町村となっていても、事業費の2分の1は国の補助で、都道府県の補助が4分の1、市町村の負担が4分の1ということで、実際は国の補助が入らなければ事業が出来ないし、その枠組みも国が作っているのが実態である。地方分権をやろうという時に、名前だけは市町村が事業主体と言いながら、実際は国が統一メニューを作って、補助金で従わせようとするというやり方が、この国のあり方として、国民に対して一定の住民ニーズを満たす枠組みとして、もはや成り立たないということを強く訴えていくことが必要である。
また、さきほど海岸事業の話があったが、大抵の海岸事業は国土交通省の所管だが、防砂林や防風林は林野庁の所管になっている。国土交通省所管の海岸事業では、人家の保護のために、単なる護岸だけでなく、沖にテトラポットを埋めたりなどしてしっかりやるが、林野庁が所管する海岸事業では、人家がなく危険度が少ないということで、比較的基準が緩くなっている。このため、日本海の荒波に耐えられずに、やってもやってもすぐに崩れて毎年やり直さなければならなくなり、無駄であるから、人家のある海岸のように沖にテトラポット等を埋めたりしたらどうかと言っても、林野事業ではそこまでやらなくとも良いことになっていると言われてしまう。地域としては、かつて大名が茶会を催したこともある由緒ある松林を守りたいと思っていても、そうならないわけで、もっと地方で判断できるようにすることが必要である。
地方分権が構造改革の中で最も重要なことであることをきちんと国民に訴えていくことが重要であり、六団体が分断されるような作戦にあわないように気をつけながら、そういう観点から早急に戦略を立てるべきである。(平山新潟県知事)

○今回の国庫補助負担金の廃止、縮減の議論は、これまでの補助金の整理、合理化とは視点が異なり、本格的に地方分権を推進するために「地方に出来ることは地方に任せる」という、いわば我々が渇望している哲学のもとにスタートしたはずだが、出てきたものが4兆円の削減という小規模なものであったので、様々な議論を巻き起こしている。ただ、総理大臣の国会答弁にもあったように、これはファーストステップであり、今後、6兆円、8兆円へと拡大していくことを期待するのであれば、我々が最初に打ち出さなければならないのは、補助金にこういう不合理があるからやめようということではなく、補助金はできる限り廃止するという大原則のもとに、実際にどのような基準で見直していったらよいかということで、最終的には補助事業でなくとも良いものは全廃するというスタンスを基本としていくべきではないか。6県知事での作業においても、国では全国的な統一性を図るために補助負担金が必要と言っているものに対しても、交付金化なり基幹税での税源移譲なりをすべきであり、もしナショナル・ミニマムの確保が必要というならば、基準を国が決めておけば良いということで整理をした。このようなやり方で進めていくと、最低限補助事業として継続していくべきものも見えてくる。すなわち、この事業はそもそも国がやるべきものかどうかという、そもそも論に立って整理をすべきであり、その上で、段階的にどれから廃止していくかということについては別の尺度が必要で、その一つとして余りにも不合理なものから廃止していくということはあるかもしれないが、まずは、大原則を打ち出して、4兆円は取っ掛かりであるということを強くアピールすべきである。(石川静岡県知事)

○国庫補助負担金の廃止については、全国知事会でもアンケート調査を行っており、だいたい廃止できるものが多いのではないかという方向性になってきている。ただ、他の都道府県でも同じと思うが、国庫補助負担金の半分は義務教育費国庫負担金であり、これについて統一した意見を持っておかないと、いくら額の議論をしても無意味なものになってしまう。退職金の問題をどうするかとか、さらには2分の1が国庫補助負担金で、残りの2分の1は地方交付税措置という議論も出ているが、地方分権をきちんと行おうとする場合には、2分の1などという中途半端な話はあり得ない。想定しているのは現在の私立高等学校等経常費助成費補助金のような形なのかなとも思うが、都道府県の私学助成には、国庫補助金と地方交付税で措置されているが、国庫補助金額は定額で算定するけれども、実際の配分に際しては、たくさん私学助成金を出している都道府県に傾斜配分されているという実態がある。まさに、補助金で都道府県の支出を促す形となっており、こうなると地方自治とはいったい何なのかということになってしまうので、義務教育費国庫負担金についてはしっかりとした考え方をまとめておく必要がある。
また、平成16年度予算概算要求において、省庁の中には、これまで都道府県を経由して交付している国庫補助金を直接交付に切り替えて、地方公共団体への補助金を削減するという動きが見られるので、このあたりも注視して、警鐘をならしておくことが必要である。(山田京都府知事)

○川崎市は、人口約130万人であるが、国税に対する納付額が約1兆円ある。このうち約1,200億円が国庫補助負担金で還元されている。この1,200億円は国税として国に入るが、これを各省庁で割り振りをする際に人件費をはじめとする諸経費がかかり、さらに受け取る側である川崎市においても書類作成等で人件費や事務費がかかってくる。さらに、実際に市民サービスのために使う際に、たとえば保育所の場合、国の基準どおりにやっていると待機児童が出てしまい、保育所に入って手厚い保護を受けられる人と、まったく恩恵を受けられない人が出てしまう。市としては対象者全員に行政サービスを提供しなければならず、都道府県のようにモデル事業として特定のところに補助金を配分するということはできないので、実際に市民サービスに補助金を使う際に、たいへんな苦労をするわけである。そこで、この1,200億円を市に直接入るようにすれば、中間の経費がまったくいらなくなり、しかも市民サービスも平等に出来るようになるので、そういう仕組みに早くすべきと考えている。
また、1兆円から1,200億円を引いた残りについては、国が事務経費として直接使うものや、国庫補助負担金、地方交付税として他の自治体に配分されるものもあるが、大都市は、様々な問題が山積しており、現在、配分されている額ではとても足らず、積み残し分の行政サービスが出来ない状況にある。このため、三位一体の改革によって国庫補助負担金の削減と、地方への税源移譲を是非とも実現していかなければならない。このため、国の方針を待たずに、地方の側から働きかけて闘い取っていくことが必要であり、全国市長会、指定都市、八都県市首脳会議等で働きかけの準備を進めている。
1,200億円のうちの4百何十億円かは、たとえば生活保護、医療保険など全国の水準をならすために国の責任で行うべきものであるが、残りについては、ほとんど全部、一般財源化、特に指定都市の場合には税源移譲すべきと考えている。また、指定都市特有の問題として、義務教育費国庫負担金については、一般財源化とともに、現在、道府県を経由して配分されているものを、直接、指定都市に入るようにすべきであり、これが実現すればもっと自由度の高い行政が行えると考えている。(阿部川崎市長)

○国庫補助負担金については、「改革と展望」の期間中に、概ね4兆円程度を目途に廃止、縮減するとされたが、平成16年度予算の概算要求でも何ら進捗は見られていない。三位一体の改革は、戦後の自治制度創設後はじめて行われる抜本的改革であり、平成16年度予算から可能な限り前倒しして、できる限り多くの補助金を削減すべきである。廃止、削減の実現に向けて、理論的、実際的な交通整理を早期に行うべく、全国市長会としても取り組んでいるところである。
その際、地方で引き続き実施すべき事業については、補助金の削減額に見合う税源移譲を同時に実施すべきであり、国の歳出削減を目的とした、単なる補助率の引き下げや補助対象の縮減など、地方への負担転嫁はあってはならないものである。
我々としても、自主・自立の都市財政基盤を構築するため、税源移譲の早期実現を最大の課題と位置付け、個別・具体の補助金の廃止、縮減についても共通認識・合意形成、それに基づく具体的提案に積極的に取り組んでいく。全国の市長が、地方に任せた方が効率的で、実態に見合った事業が実施できると確信しており、この仕組みに伴う対住民への結果責任については共通の覚悟として認識している。
ただ、補助金の性格等によっては残すべきものもあると考える。たとえば、@老人医療を含む医療保険、介護保険に係わるもの、生活保護など、真に国が義務的に負担を行うべきと考えられる分野の経常的負担金。また、A特定地域において臨時・巨額の財政負担を強いられることになる災害復旧関連の投資的補助金。Bたとえば原爆被爆者援護に関わるもの、電源立地地域対策など、特定地域に交付されるもので、税源移譲になじまないものや、基地交付金など地方税の代替財源の性格を有する補助金。さらにC廃棄物処理施設など、一時的に巨額の財政負担が生じ、税収による平準化した財源で措置することが難しい補助金などである。投資的経費関係の補助金は、都市の規模や地域の事情は様々であり、都市の規模によって影響が異なるが、基金あるいは地方債の活用により財政負担の平準化は可能と考えるので、いま申し上げた特定の補助金以外は廃止すべきと考える。
国庫補助負担金の廃止の先行は絶対に認められない。必ず基幹税を基本に税源移譲を行うとともに、その配分基準を明確にすべきである。(堀江伊勢原市長)

○国庫補助負担金の見直しについて基本的な考え方を申し上げる。
一般的に言えば、町村においても国庫補助負担金を廃止し、税源移譲を行うという方向については異存はない。
問題は、国庫補助負担金の対象となっている事業が、必要不可欠な事業である場合、補助負担金が廃止・縮少されたときに、それに見合う代替財源措置がきちっと講じられるかどうかという点である。代替財源措置が税源移譲のみということであれば、大半の町村は懸念を抱かざるを得ない。
ご承知のとおり、私ども町村は、人口は2割だが、国土面積の7割を占めており、大部分が農山漁村地域である。従って、町村の大半が人口が少なく、また、企業の集積等も少ないために、課税客体がなく税源そのものが乏しいという実情にある。
例えば、平成13年度の歳入決算額の構成比を見ると、地方税の占める割合は、都道府県が32%、市が40%、町村が21%と、町村が都道府県や市と比べかなり低い割合となっている。逆に、地方交付税は、都道府県が21%、市が11%に対し、町村は36%である。
このように、税源移譲が行われるとしても、私ども町村はもともと歳入に占める地方税収の割合が少ないことや課税客体に乏しいことから、十分に税源移譲の波及効果が及ばないのではないかと心配されるわけである。
「にわとりが先か、卵が先か」ではないが、国庫補助負担金の廃止と税源移譲の議論をする場合には、税源偏在ということを十分考慮し、地方交付税のもつ財源調整機能・財源保障機能の充実強化ということをセットにして議論していただきたい。
国庫補助負担金の話ではないが、私の町にこんな事例がある。
私の町のある河川に堤防があり、堤防の高さは7、8mあるのだが、その管理は県が行っていた。その堤防に草が猛烈に生えるため、いつも苦慮していたのだが、県に草刈りを頼んでもせいぜい年に1回程度であり、あとは年間を通して草がぼうぼうという状態であった。町では犯罪や火災の心配、ごみの不法投棄などで苦慮した結果、町で管理することにし、ただし、これまで県が使っていたお金は県で出してほしいとお願いした。年間400万円だったが、町ではこれに200万を足して600万円で年間を通じて常に綺麗な状態にしている。もちろん地域住民の協力を得てのことだが、もし県で同じようにやると20倍の1億円以上はかかるのではないかと、いつも県には話している。
こうした事例を考えると、国庫補助負担金も同様のことがいえるのではないか。事務的にもっと簡素にするべきであるとともに、現場に合わせた方法でやってほしいということである。国庫補助負担金は無駄が多い。地方で出来ることは地方に任せて貰いたいという思いがある。(針ヶ谷群馬県板倉町長)

○今回6名の知事さんなどが自ら補助金をカットしてという、このことを重く受け止めていただきたいし、梶原知事会会長までがこういうことを言ったという時に、予定調和で行くのかということである。いままでの行政体のビジネス・プロセス・リエンジニアリングという、本当に地域住民をちゃんとコラボレートしてやっていくのかというところを我々がどう確立するのかというところにきていると思っている。
従来も地方分権は必要だ必要だといわれて50年経ったにすぎないわけで、これでは何ら変わらない。断固やるんだということを我々が決議しないと、総務大臣や財務大臣が補助金はカット、交付税はカット、財源はあげるよと、こういうことを言えること自体が裁量権の問題であり、ルールによってきちっとするという断固たる決意がないと従来のままに流れてしまう。
今回、いろんな方が立ち上がっていただいた時に、従来だと、そんなことを言うと補助金は要らないのかということになり「江戸の敵、長崎」だなどと言ったら、「長崎の敵、江戸」が正しいと言われたが、まさにそのとおりであり、だからこそ若いキャリアの方が辞めたり嫌になったりということがいっぱいあり、ここで頑張って我々がそういったことをやり遂げるようなことにならないと従来の引き続きならば、まずスピードの問題がある。20年、30年このままで行って本当にいいのかということを大変危惧している。
今回、戦後初めて、地方から補助金は要らないと言ったことを無にしては絶対にいけない。このことをこの委員会で確認してもらえればありがたい。
マニフェストを提案したときに何人かの知事候補から、良いことだけれども書けないという意見があった。どういうことかというと、財源を国に握られているから無責任なマニフェストは書けないということであり、この現実を本当に考えなければいけない。歳入の自治なき自治なんてありえないんだということを議論の原点にしないと、いつまで経っても国のお情けにすがって少しずつ分けてもらうということで本当によいのかという議論をこの場で確認をするべきではないかと思う。
私も知事を経験しているのでよくわかるが情報公開が本当に地方では進み、いままでの説明責任、アカウンタビリティはほとんどが国、あるいは市町村であれば県、国に対してということであったが、情報公開は主権者である市民や県民にも説明をしなければ、もたないところまできているということを我々は確認し合わなければいけないと思う。正に地方分権とは一体何なんだと真剣に議論をしていただけたらありがたい。
政と官の関係をこの際はっきり正して、そして官僚の皆さんがかつてのように、この国は自分たちが、というように高い志でやれるということから、すこし嫌気がさしていることも事実であり、このあたりもオープンにして、若い人たちが選挙で選ばれた政治家の下で本当にやれるような体制というものを作り上げていく。知事の皆さんがマニフェストは財源を国に握られているから書けないというようなことでモラルハザードが起きていて、なんで本当の民主主義かということを本当に議論していただきたい。
そのなかで、いろいろな首長の皆様からお話がありましたが、単年度でこうした長期的な問題を見るときに、早速、概算要求が始まったときに「江戸の敵、長崎」の話が陰に陽にいくらでも出てくる。こういう卑しいことをキャリアの皆さんにさせてはいけない。これは地方自治体も毅然と立ち上がって、キャリアの皆さんが自らの誇りに従って仕事をするようなことになっていかなければいけないということを確認したい。
そこで先程ご発言の市長さんのお立場はわかるが、削減する補助金と税源移譲が全く同額でなければということになってきたら、それは如何なものかということはここで議論しなければならない。国の責任ばかりではなく、地方自治体も反省すべき点はある。たとえば補助金があるからということで建物の入口を2つにしてきたという実態、あるいは道路構造令があるからということで、本当の山奥でも3mの歩道をずっと続けるといったことを続けてきたというのは我々にも責任があるということを踏まえたときに、全く同額でなければいけないということをこの委員会で議論していかないといけないのかなと思う。やり方によっては、縦割りの行政のなかから、総合行政により、いままで100万円かかったものが60万円でできるのかという議論をしていかないとパラダイムシフトが起きないのではないかというところは、現職の知事さん、市町村長さんでは辛いところはあるかも知れないが、そのあたりは議論の余地があると思っている。
この際、モラルハザードをなくして、知事さん、市町村長さんが県民、市町村民から選ばれた上でやってきたときに本当に自己決定、自己責任を果たせる体制が地方分権の最も重要なところではないかと思う。
歳入の自治なき自治はあり得ないというところから見直す、それは従来の予定調和的発想から脱却しない限り、いままでと同じことになってしまうということをご理解いただきたい。

○補助金の削減を技術的に地方財政計画と地方税の間の技術論のなかで考えていくと、補助率を下げるというようなことでいくと地方財政計画の歳出は変わらないので、補助率を下げるという世界でいけば簡単な世界である。補助率を下げて地方税を増やして交付税で後を金額全部フォローするわけだからある意味、交付団体であったら何にも変わらない。
あるいは補助事業そのものをやめてしまう、あるいは直轄化するということで地財計画からスコンと抜くということだっらこれはこれでよいが、補助金をそのまま一般財源として地財計画のなかで、スッと入れていくというのは理屈的には非常に難しい。補助事業を単独事業に全額置き換えるのですかということになると、補助事業で事業費がいくらですという金額が、単独事業でこれだけですということで担保されない可能性がある。
交付税の世界では、建設補助金というのは補助裏の世界しか書けないものだから、一般財源で、ある金額をそのまま置いておくというのは技術的に非常に難しい。
経常費についても同じことがいえるが、経常費は交付金化という逃げの手があり、交付金化に逃げておけば、義務教育などもそうだが、それなりの金額はいくわけで、あとは交付金の枠組みの中で自由に教員の人件費を運用してくださいということである。
結局、一般財源化してくるということにすると地財計画ベースで同じ金額を補助事業から単独事業にという形にはなかなか書けないのではないか。先程、補助金と税が同額でなければならないということ自体について覚悟がいるのではないかという話があったが、私はもう一歩踏み込んで、削減した補助金の分が一般財源として総額をきちんと確保できるかどうかというのは、ちょっと覚悟がいる。出来ないリスクがある。ただし、それでも一般財源化してくれと言わなければ、戦後ずっとこんな議論してきて、そして歴史的転換点であるといわれる時代に金額を全部一般財源として地財計画ベースで置いてくれなんてことは言えないと、そういうことではなく、一般財源であれば、先程の県がやればもの凄い金額の事業費を市町村がやればこれだけでできるという話をあんまり悪用するのもよくないが、金額が小さくなっても一般財源化してくれと言わないと補助金の問題は非常に怖いと思う。
攻め口として、とんでもない補助金をあげてという議論があったが、あれは補助金政策の改善という意味だと思う。補助金の攻め方としては一般財源化する場合には金額が守れないかもしれないというリスクがあるので、その攻め方と、補助金そのものの政策の改善と両睨みでいくべきではないかと思う。そして、基本的に一般財源化するんだと、そしてその時に金額そのものが維持できなくても仕方がないんだという覚悟がいるのではないか。
3点目だが補助金をカットしたときに、それに見合うだけの税源がきちんと確保できるかどうかは希望的観測の話であって、現時点では確定したものではないということである。それだけにどんな種類の補助金をどれだけ削減するかは慎重に考えなければならない。この点も気になる。

○今日は特に知事さん方から具体的な提言や報告をいただいて、大変心強く、我々も大いにバックアップしていかなければいけないと感じた。ただし、もう一段厚みを増していかなくてはいけないということがある。
また、事前に資料にある国会の議事録を読んだが、たいへんなことが書いてあった。ということは、これからどんな障害や壁があるのかという観点から読んだのだが、補助金官庁というのは所謂族議員を前面に立てて反対するという昔風のやり方ではなくて、みんなそれぞれ審議会をもっているので、これを前面に出して、こういう補助金を無くすのはいけないんだということを出してきそうである。それが証拠に閣議決定された基本方針2003の改革工程には審議会の名前まで書いてある。では、審議会の結論で駄目だといわれたら何もできないのかというと、よくよく読むと必ずしもそうではない。例えば義務教育のところでは中央教育審議会において云々とあり、これ踏まえつつとあり、審議会が絶対的ということではない。ひとつの意見として、これ頭に入れながらということであり、審議会で補助金廃止反対などと出したからって、驚くことはない。
しかし、おそらくこれからこういう動きが出てくる。文部科学大臣も国会の議事録のなかではっきり言っているが、義務教育の問題は税財源論ではなくて教育論として議論すべきだと言っている。つまり税源を渡して、教育は全部地方にお任せ、これでよいのか、これでは教育はどうなってしまうのかということ。保育についても保育の補助金やめて、保育は全部地方にお任せとなると、子どもたちの保育はどうなってしまうのかと言っている。こういう非常にわかりやすい反対の議論の組み立て方というものがある。
こうした議論に対して、そうではない、そんなこと言ってたらいつまで経っても地方分権というものは来ないということをきちんと説明していかないと、これは要らない、これも要らないとただ言うだけでは駄目である。こうしたことに伴う心配もあるわけであり、そういうことではなく、それはこういうことで解決できるのだ、そしてもっといい国づくりが出来るのだという方向をきちんと理論づけないと、ただ数字を弄んでいるだけではどうしようもないということで、我々もこれから心を引き締めてこの問題に取り組んでいかなければいけないし、そういう理論武装も大事だということ。

○4点申し上げる。
このように8兆円規模の削減という大胆なことを出されたと同時に、補助金はやめたというときに制度の質をどのように担保して確保していくのかということをどう考えていくのかということを同時にここで詰めておく必要があるのではないか。一般財源化しても教育の質を守るというのは別の方法を他の国でもとっているように、そういったことを詰めておく必要がある。
あとひとつは、国の補助金の個別のをやめて、ブロックグラントでしている国もあるわけだが、なぜ望むところではないのかということも詰めておく必要がある。
3点目は、介護とか生活保護とか老人医療については、意見が分かれたと言っていたが、この部分は国の補助金としても非常に大きなところで、介護の部分は介護保険をやめて、地方がもつということでもよいわけで、このへんについて地方のあり方として、どういう仕組みでやっていくのかということも詰める必要がある。
あとひとつは、補助金適正化法があるがために、他の目的に使いたい時に残ったお金を返さなくてはならず、今はお金がないので新しいものに運用できないという声を最近立て続けに聞いた。こういう法律の縛りの弊害というのも、国庫補助金の見直しの議論のところでは詰めていく必要があるのではないか。

○知事さんをはじめ市長さんのお話しは私自身も身につまされる思いで聞いていた。皆さんの積極的な行動で着実に前に進んでいくような状況が作り上げられつつあるのではないかと思って聞いていた。その中で1つ思ったのだが、我々自治体サイドが端的に補助金削減と税源移譲を結びつけている。議会の答弁などを見ると一般財源化という言葉で対応されている方がいる。一般財源化と税源移譲をどのように正確に捉えて、自治体サイドがきちんとしたスタンスでものを言うかということはこれから現実的な分かれ目が出てきてしまうのではないか。一般財源化というと、先ほど地財計画の技術的な方向からの話も出たが、税源と交付税ということになる。一般財源化でということになると、今は、補助金の議論が表舞台になっているので、交付税のあり方についてあまり議論されていない。交付税も頭に入れた形で一般財源化ということで捉えたときに、今の交付税は制度として完全に破綻してしまっており、借金でしのいでいる。交付税を含めた一般財源化ということは、何らかの形で、借金ででもカバーしておけばいいのではないかという逃げ道に追い込まれてくると懸念される。むしろ自治体サイドとしてもそういう形の中で、三位一体の中には借金という言葉は明示的には出てきていないが、私は四位一体くらいの形で考えている。今の地方自治体の借金のあり方、交付税の借金もゆくゆくは地方自治体にかかってくる話になる。今や、臨時特例債などのようなものも出している。地方自治体のこれからの借金のあり方についてどういうスタンスで税財源とともに考えていくかもう少し正面に据えて国庫補助金の話の次元でも話をした方がいいのではないかと思う。先ほどの事務局からの説明のうち資料3「16年度予算の全体像」の3ページ(3)「歳入面の改革と歳入の見積もり」の、中程に「・三位一体の改革の一環として、基幹税の充実を基本とする税源移譲に向け具体化を進める。なお、必要な場合、地方の財政運営に支障を生じることのないよう暫定的に財源措置を講ずる。」という部分のなお書きがあるが、これが交付税の借金で先延ばしにしていくということだと情けないと思う。

○私は3年前から地方に住んでいるが、地方にいると金は権力という感じを受ける。そういう意味で、戦後初めてとも言っていいと思うが、第一次分権改革の行政の改革、権限の改革に続いて、歳入の自治ということが問題になってきている。これをめぐって、いろいろな方面からいろいろな意見が出るということはいいことである。細川さんの場合は権限の問題だったので、先ほど浅野知事が言われた財源の問題「とんでもない補助金」については、大いにやった方が国民にはわかりやすい。ほとんどの国民は今の地方財政システムでは自己負担のことはわからないので、PR効果があると思う。それから岩手県知事提出資料を見ると、最後のところに「この提言については、今後、平成16年度当初予算においてどのように取り入れられたかについても、検証を行っていくこととする。」と書いてある。つまり監視役がいないということである。三位一体改革については閣議決定されているが、どういうことを行うかについては、今流行りの言葉で言えば、予算編成過程に丸投げされている。それを検証、監視していく役割を果たせるのは地方六団体をはじめとする自治体しかないと考える。義務教育費の国庫負担を巡っても見解の対立はまだあることから、六団体が改革工程表づくりやの監視役をする場合の理論武装などを行うのが我々の役割ではないかと思っている。

○知事の方々からの話を聞いて、政治の言葉がよくわかったという気がした。今まで私たちが政治に関わっていきたいと思っても、どういう切り口で自分の生活をその政治に反映させていったらいいかよくわからなかった。一住民としてどういうことにお金の無駄があり、どういう政策を生活に生かしていったらいいか一般的にはわからない状態ではないだろうか。先月ある地方で町村合併についての分科会があり賛成派の村長、反対派の町長とがそれぞれ意見を述べたが、実際の生活にそれがどう結びつくのか一般住民はわかっていないという印象を受けた。県の方針は、町村の自主的な選択によるということで、強制はしないということであったが、小さな自治体の単位で見ると、梶原会長が言われたように県と自治体との拮抗関係がまだまだあり、そこから突破口を見つけていかなくてはいけないとその分科会では感じた。それから、地方財政計画の技術的なご意見・ご指摘は、私には難しくてよくわからなかった。政治の改革を推し進めていきたいと思っても、そういう専門的なところでネックがあると難しいのではないかと思う。

○先ほど補助金適正化法について触れた方がいたが、補助金の支出のシステムは先般の地方分権改革の中でも議論したところであるが、国の規制関与の仕組みについて重点を置いてやったにもかかわらず補助金適正化法による枠付けの問題については、新しい地方自治法でも適用除外になっており、積み残しの宿題になっている。三位一体の問題の中でも、差し当たり補助金問題が出てきている。これもお金の話だけではなくて、国地方の役割、補助金システムについて制度の側の言い分としては、全国的な基準を定めそれによって津々浦々行政をやってもらうということと思うが、そのような全国的な基準を設定するのは本当に国の役割なのか。行政の質は自治体が維持すればいいとしても実際にどうやって担保されるのか。そういう国・地方の役割分担、地方自治行政体制の確立の問題につながっていく。この問題は分権改革全体にとって残された重要な宿題と感じた。自治体は国が面倒見るよりも、行政の質を確保できるのかということを常に言われるだろうが、行政の質を監視し担保していく機関が必要になるのでこれからいろいろな要素を導入していく必要があると思った。

○今後の進め方について提案がある。先ほどから話しにあるとおり、三位一体改革について、差し当たり補助金問題だが、一応のことは政府の文章に書き込まれている。しかし、特に自治体側からこれを見る場合の原則ルールは何かということについて突っ込んだことは書かれていない。差し当たりは当面の予算編成の過程の問題であるということで、下手をするとその場に全て委ねられてしまうというおそれがある。したがって、この委員会は六団体の側から地方分権推進のために設置されているので、その立場から、この三位一体改革や補助負担金削減に当たっての具体的な工程を監視していくことや、また、必要により国などに提言していくということがこの委員会に強く求められているのではないかと思う。先般、三位一体改革がまとめられる途中の過程では、ワーキンググループを設置して、「三位一体の改革に関する緊急提言」をとりまとめた経緯もあった。そこで今回、新たにワーキンググループを設置して、当面は、平成16年度予算編成について、また、その後、中期的問題として三位一体改革全体についてもきちんと検討し、必要な提言をしていったらどうかと考える。具体的な提案としてワーキングを設置し、前回も行財政制度の研究者が中心となったが、今回もそういった研究者と実態に詳しいメディア関係の委員の方で構成したいと思う。名前を挙げると、金澤委員、木村委員、小西委員、田嶋委員、水城委員、持田委員、それに私を加えていただいてワーキンググループの作業をさせていただいてはいかがかと考えるがいかがか。

○只今、委員長代理の小早川委員からワーキングのご提案をいただいた。
三位一体の議論を、単に国における予算編成の場のみに委ねるというのではなく、地方団体側ととともに、当委員会においても、国に対して提言等を発していくべきであろうと思いますし、また、11月あたりが平成16年度の予算編成に向けては意見を述べていくに当たっての山場になるものではないかと思う。
そこで、委員の皆さんにお諮りいたしますが、小早川委員からご提案のありました、今回、新たにワーキンググループを設置して、平成16年度予算編成や三位一体改革についての提言をまとめていくこと、また、メンバーについては、金澤委員、木村委員、小西委員、小早川委員、田嶋委員、水城委員、持田委員にお願いすることについて、委員の皆さん、いかがでしょうか。(茂木委員長)

    (異議なしの声)

○木を見て森を見ないということにならないようにしなくてはいけない。我々が取り組んでいることは、官僚政治から市民政治へという大きな革命に取り組んでいる。枝葉末節なことも大事だが、その歴史的な意味合いということを十分に考えていかなくてはいけない。生活者起点というか、住民生活に関係ある行政サービスの決定は地域住民に委ねるという革命だと思う。浅野知事がいつも言っている納税者という立場から考えると、税金の使い道は納税者に委ねるという大きな革命を我々はしようとしている。この結果、国の役人や県も似たようなところはあるが、そういうところで決めるよりも住民に近いところで決めた方が、地域ニーズにぴったりした仕事ができる。堤防の高さもどのくらいになるか地域住民が決めていけばいい。その方が無駄がない。かつ板倉町長が言ったように住民参加が得られて地域が活性化するという効果が出てくる。今度、知事会でまとめるときも削減対象と裏付け財源ともう一つはアセスメントをやることによって国民生活、地域住民にどういうプラス・マイナス効果が期待できるか。そこをセットにして提示していかないと、いわばコップの中の嵐で、国と自治体が綱を引き合っているということになりかねない。この第三のポイントとして、国民生活・住民生活に対する影響のアセスメントをきちっと一体的に出していきたいということを私は会長として考えているので、是非、六団体の皆様もご協力いただきたい。(梶原全国知事会長)

○ナショナルミニマム、生活保護などについて補助金を残していいという発言が堀江伊勢原市長からあったが、これを言うと保育所の問題など全部そうである。ナショナルミニマムを達成するためというが、どうして補助金でなくてはいけないのか。もし本当に必要ならば国営でやればよい。また、静岡県知事が言うように基準を作ればいい。政治ということがあり、ナショナルミニマムをやらない首長は、クビである。補助金でということを簡単に言ってしまうのはちょっと待てよということである。(浅野宮城県知事)

○そこはポイントであると思う。そういう切り口で例えば警察の補助金は全国の治安を同一水準にするため削れないなど個別のアプローチがあるはずである。我々は基準とかナショナルミニマムの維持と補助金・負担金の問題は別の問題であると区分けをすればすっきりする。(石川静岡県知事)

○補助金・国庫負担金の削減について、同額で財源手当てされなくてはならないと申し上げているつもりはない。当然、今の国家財政等も含めて実現不可能なことなので、私の意見を同額でなくてはならんということで受け止めていただくのは誤解である。また、必要な経費が維持できるかという覚悟があるかということについては、各自治体の首長は覚悟しているはずである。地方自治の本旨にしたがった自己決定・自己責任は当然のことと考えている。三位一体のもう一つの柱は基幹税を含む税財源の移譲ですから、その点を前提に先程の意見を受け止めていただきたい。また、ナショナルミニマムについては問題提起をしたのでありこれからいろいろ議論させていただきたい。(堀江伊勢原市長)

○予算編成、概算要求が始まるということであるが、これで全部いじめられる。概算要求があることについては頭に入れるが、今まさに本当の行政とは何かということについて情報公開を前提としたパラダイム転換である。現実の首長はその補助金やらないと言われたら干上がってしまうよといわれる。そういうことを言われたら情報公開で闘うという決意を私はしているが、それとはまた別の議論を立てないと概算で縛られるとなし崩しになってしまうので、この委員会ではチェックして欲しいと強く要望をする。

○この次の11月中旬以降の委員会では、恐らくその前に総選挙があると思うが、各政党のマニフェストについて、会長が言うように地方六団体で評価することによって地方分権に対する国民の関心が高まると思う。


◎次回は11月中旬頃以降を目途に日程調整。


※運営内規に基づき、委員については発言者名を省略。

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