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基準の条例委任・従うべき基準の見直し

このコーナーでは、国から地方への義務付け・枠付け基準の条例委任及び「従うべき基準」に関する課題についての情報を掲載します。

基準の条例委任

国から地方への義務付け・枠付けについては、地方分権改革推進委員会の第2次勧告(平成20年12月8日)において、その存置を許容する場合等のメルクマールを設定したうえで、メルクマールに該当しない4,076条項について廃止または条例委任するなどの見直しが順次進められてきました。
基準の条例委任は、現行法令では「参酌すべき基準」型、「標準」型、「従うべき基準」型の3つに類型化できますが、このうち「従うべき基準」は条例を制定する際に法令に記載されている基準と異なる内容を定めることが許容されておらず、各自治体が地域の実情に沿った基準を定めることができません。
また、福祉分野を中心として「従うべき基準」が多用されており、地方の自由度が実質的に高まっていない面があるため、地方分権改革推進本部では第3次勧告等の趣旨を踏まえ、「従うべき基準」を速やかに廃止または「参酌すべき基準」に改めることを求めています。
「参酌すべき基準」型 「標準」型 「従うべき基準」型
法的効果 ○「参酌すべき基準」とは、十分参照しなければならない基準
○条例の制定に当たっては、法令の 「参酌すべき基準」を十分参照した上で判断しなければならない
○「標準」とは、通常よるべき基準
○条例の内容は、法令の「標準」を標準とする範囲内でなければならない 
○「従うべき基準」とは、必ず適合しなければならない基準
○条例の内容は、法令の「従うべき基準」に従わなければならない
異なるものを定めることの許容の程度 法令の「参酌すべき基準」を十分参照した結果としてであれば、地域の実情に応じて、異なる内容を定めることは許容 法令の「標準」を標準としつつ、合理的な理由がある範囲内で、地域の実情に応じた「標準」と異なる内容を定めることは許容 法令の「従うべき基準」と異なる内容を定めることは許容されないが、当該基準に従う範囲内で、地域の実情に応じた内容を定めることは許容
備考 参酌する行為を行ったかどうかについて説明責任(行為規範)
⇒参酌する行為を行わなかった場合は違法
「標準」と異なる内容について説明責任
⇒合理的な理由がない場合は違法
「従うべき基準」の範囲内であることについて説明責任
⇒基準の範囲を超える場合は違法
〔地方分権改革推進委員会 第3次勧告(平成21年10月7日)より〕

参酌基準の活用事例

放課後児童クラブに係る「参酌すべき基準」を活用した事例
これまで地方自治体では、放課後児童クラブの設備及び運営の基準を条例で定めるに当たり、地域の実情に応じたサービスを適切に提供するために地方の裁量を活かした独自の工夫を行ってきました。 その独自基準の設定の状況を明らかにするため平成30年3月に調査を行い、地方自治体独自の基準の事例を取りまとめました。
放課後児童クラブに係る地方自治体独自の基準(事例集)(平成30年3月調査)[PDF:757KB]

その他の活用事例
地方分権改革の成果として、自治体が作った特色あるルールを紹介します〔地方分権改革の成果の紹介パンフレット(平成26年2月全国知事会作成)〕。
「保育園って、自治体で違うの?」[PDF:523KB]
「道路・公園って、自治体で違うの?」[PDF:409KB]
「介護サービスって、自治体で違うの?」[PDF:296KB]
「障害福祉サービスって、自治体で違うの?」[PDF:308KB]

従うべき基準

従うべき基準の支障事例調査
「従うべき基準」を国が設定するのは真に必要な場合に限定されているにもかかわらず、福祉分野を中心に多用されています。 この「従うべき基準」によって、各自治体は地域の実情に合った基準を定めることができず、多くの支障が生じていることから、全国の都道府県及び市区町村を対象に調査を行いました。

義務付け・枠付けに関する支障事例の調査結果(平成28年12月調査)[PDF:141KB]

また、平成28年12月の調査で放課後児童クラブの次に多くの支障があるとの意見が寄せられた地域密着型介護サービス及び障害児通所支援に関して更に広範・詳細な調査を行いました(放課後児童クラブについては下記の放課後児童クラブの「従うべき基準」を参照)。

地域密着型介護サービスに関する調査結果(平成30年3月調査)[PDF:103KB]
障害児通所支援に関する調査結果(平成30年3月調査)[PDF:117KB]

放課後児童クラブの従うべき基準

放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(平成26年厚生労働省令第63号)では、放課後児童支援員を支援の単位ごとに2名以上配置(ただし、1名は補助員でも可)すること及び放課後児童支援員の資格について、保育士や放課後児童健全育成事業に類似する事業に一定期間従事し市町村長が適当と認めた者等に該当し、都道府県知事が行う研修を修了しなければならないことを義務付けています。
この放課後児童クラブの「従うべき基準」により多くの支障が生じていることから、「参酌すべき基準」とするように求めました。

放課後児童クラブに係る「従うべき基準」の参酌基準化
平成28年12月に実施した「義務付け・枠付けに関する支障事例の調査」によると、放課後児童クラブに係る「従うべき基準」により支障が生じているという事例が、200以上の地方公共団体から挙げられました。この結果を踏まえ、放課後児童クラブにおける詳細な支障や現状等を把握するため、さらなる実態調査を平成29年7月に行いました。

平成29年提案募集の放課後児童クラブに係る実態調査結果(平成29年7月調査)[PDF:331KB]

内閣府 地方分権改革有識者会議 提案募集検討専門部会
全国知事会、全国市長会、全国町村会は内閣府の地方分権改革の提案募集制度を用いて、平成29年に放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準に係る「従うべき基準」の参酌化等を求めて共同提案しました。
特に、平成30年5月11日に行われた内閣府の第71回地方分権改革有識者会議提案募集検討専門部会において、高知県知事、北海道江別市長、宮城県蔵王町長が出席し、参酌化について直接見直しを求めました。

第71回地方分権改革有識者会議 提案募集検討専門部会(平成30年5月11日開催)(内閣府ホームページへ)


「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」(令和元年法律第26号) (第9次地方分権一括法)
令和元年5月31日に「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第9次一括法)」が成立し、令和2年4月より放課後児童クラブの人員配置基準等が「参酌すべき基準」に見直されることとなりました。今後は、各市町村において、質の確保に配意しつつ地域の実情に応じた施設の設置や運営に主体的に取り組めることとなります。

「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第9次一括法)」(令和元年5月31日成立、令和元年6月7日公布)(内閣府ホームページへ)

厚生労働省 社会保障審議会 放課後児童対策に関する専門部会
放課後児童クラブについては、女性就業率の上昇に伴い利用児童数が増加の一途にある中、量の拡充に加え、質の確保などのニーズへの対応等が課題となっています。こうした状況を踏まえ、今後の放課後児童クラブのあり方を含め放課後児童対策について検討するため、厚生労働省の社会保障審議会児童部会に「放課後児童対策に関する専門委員会」が平成29年11月に設置されました。

厚生労働省 社会保障審議会 放課後児童対策に関する専門委員会(厚生労働省ホームページへ)