第14回地方分権時代の条例研究会の議事概要



1 課税自主権(法定外税等)に係る条例について

   (事務局説明)

(1) 地方分権の推進と目的税の活用のあり方

○ 地方分権の推進と目的税の活用のあり方について、特にアンケート結果の濃淡が分かれるようなところを踏まえ、自己決定権の拡充、地方公共サービスの質的変化とそれに対応するための目的税、さらに、財政学、経済学からの論点を踏まえ、法定外目的税と負担金、分担金等の関係と活用について議論していく。

○ 資料1−4「目的税の類型について」、目的税を価格代替税・負担配分税・課税都合税の3つに分類している。具体的には、価格代替税は揮発油税、負担配分税は都市計画税、課税都合税は、たばこ特別税をあげている。揮発油税は、「自動車による通行という特定の方法で道路を利用し損傷する者から、道路整備の財源に充てるために徴収されるという点では、受益者負担金ないし原因者負担金に類似する性質をもった租税であることは否定できない。それが、負担金としてではなく、租税として徴収されざるを得ないのは、関係者がきわめて広範にわたること、および受益ないし損傷の程度を個々人ごとに特定できないこと、による。」(金子宏「租税法第九版」)都市計画税は、「都市計画事業または土地区画整理事業に要する費用に充てるため、市町村が、都市計画区域内の一定の土地および家屋に対して課す目的税である。これらの土地・家屋が、都市計画事業等によって、利用価値の増大、価格の上昇等の利益を受けることに着目して課される受益者負担的目的税である。納税義務者および課税標準は、固定資産税の場合と同じである。」(金子宏「租税法第九版」)

○ 資料1−4の目的税の類型の中で、揮発油税は価格代替税となっているが、本当の受益者である土建業界が負担しないで石油業界に負担させているというのが実態で、価格代替税の実態は課税都合税ではないか。都市計画税も都市計画というよりも固定資産税の超過課税のようなものであり、課税都合税である。現実の政治過程を考えると目的税は課税都合税以外ありえないのではないか。目的税は、利益団体などの多元主義的な中でどういう意味を持つのか。政治過程においては、個別業界ごとに既得権益が発生し、力関係が違うので、一般的にやって例外をなくすというのが一般消費税導入の理屈であった。自治体ではこれまであまり事例がなかったが、個別業界ごとの力関係が出てくるとともに首長の力や、政治構造、コミュニティー・パワーストラクチャーに規定される。税の基本であるノンアフェクタシオンは、そういうことを防ぐためのものである。個別の業界が勝手なことをするということはアダムスミスの頃から言われている。そういう意味で目的税は非常に心配である。

○ 目的税は、抑止的効果や奨励効果、住民に対する説明責任としての効果などに分類した方が実際的ではないだろうか。団体の方向性を狙う意思確認という意味もある。

○ 目的税は、合理的である程度同意が得られれば、政策手段として使う1つのツールである。

○ 理屈が成り立ちかつ、政治的に成り立つものであればいいが、理屈はなく、政治的なものだけでは、完全に課税都合税である。そうならないような手だてがないと目的税はできない。

○ 手だてがなくても、あまり弊害がなければいいのではないか。法律違反や憲法違反というものがなければいいのではないか。

○ そうなると課税都合税という言葉を使っていいかということになる。それを細かく分類する方が、わかりやすいのではないか。

○ 各委員からは、違憲あるいは違法でなければ、裁量の範囲であるということ、さらに政治的な決定過程を考えなければいけないという意見が出された。納税者を説得する素材として、価格代替か負担配分かということは一応の目安になる。価格代替的なものは、負担金との関係が出てくるが、ある程度、課税対象者に受益があり、受益と負担の関係を明確化にするという意味で説得しやすい。負担配分については、もう少し広域的な調整である。使途だけ先に決め全く課税対象との関係がつかないものについては説明がつきにくい、という一応の目安になる。

○ 説得というよりも、新たな行政需要や新たな行政水準は何かというところから、それに対する税をどうするかという発想でいかないと説得できないのではないか。当自治体では、新たな行政水準というものについて、資料1−4の3ページの図(公共財と準公共財)にあるように普通税と目的税の対角線上の中でどこに位置するような税制なのか考えている。水環境税的なものについて、どのように位置付けるか考え方の整理をしている。基本的な考え方として、税は特定の行政サービスに対する反対給付ではなく、行政サービスの提供のための一般財源の調達であり、目的税や特定財源は財政運営の自由度を制約し、財政硬直化にもつながるので、例外的なものとしての整理している。新たな行政需要への対応は、原則的に一般財源を増加させるべきであり、超過課税的な方向が本来的という整理をしている。ただし、水環境保全という、一般的な行政水準を超える部分については、応益的に共同で負担するという仕組みを考えると、受益と負担の関係に立てば、特定財源として法定外目的税という方向もあり得るという理屈の整理をしている。資料1−4の3ページの図でいうと、水環境保全というものは、ダムを造るだけでなく、森林を造ることもある。図では、左上の地球温暖化防止に近いのか、真ん中の一般道路に近いのか、それを議論していただきたい。

○ 23区内の自治体でワンルーム課税や放置自転車税など議論している。これは新規住民が中心となっているのではなく、議会の議員や昔から住んでいる住民が主体となっている。どちらかといえば、昔からの環境の変えないため、新規住民を排除したいということが動機になっている。そのために法定外税を使うということであり、目的税でも普通税でも、税収もどちらでもいいのであって、1つのツールとして使われている。その辺で二重構造になっているという感じがある。目的税の方がよりストレートにできる。放置自転車を少なくするための人件費に充てるなどすると、狙い撃ち的になるというような構造がある。抽象的に普通税、目的税を区別することがどこまで必要かという感じを受ける。

○ 普通税と目的税の定義による。目的税が何に使うかという使途と誰に課すかという両方を含む定義と、そうでない定義があるが、仮に目的税が使途の特定だけだとしたら、普通税であっても誰から取るのかということが限定されているかどうかで、目的税とは政策的なツールとして違ってくる。追い出し税は、好ましくないものに課税するという話で、それを使うということもありうる。逆に言えば、政治過程を露骨に反映する。目的税を誰に課すかも含めた定義だと、今のような話になるが、普通税が一般に課し一般に使い、目的税が特定の人に課し、特定の人に使うというものに完全に対応しているならばこの2つの概念でいいが、そうでないときは別の軸が必要になる。

○ 普通税、目的税、使用料・手数料・分担金との3つの関係を総合しなくてはいけない。

○ これまでの議論として、普通税・目的税・分担金等との切り分けが必要である、政策というときに資料1−4の3ページの図(公共財と準公共財)でどこに位置付けられるのかということが手がかりになるのではないかということであった。

○ 各自治体では、目的税と普通税については、住民に対する説明のしやすさを優先的に考えるのではないか。学問的な意味での類型とは離れて考えている。例えば太宰府市の駐車場税について、施行したが実際には特別徴収する駐車場業者の反対にあい頓挫している。これは目的税ではなく普通税であるが、普通税では説明がつきにくいので、普通税で一般財源とした後に、基金に積み立て、特定の目的に使い、結果的に目的税的な使い方をしている。自治体としてはどう住民に説明して理解を得るかということを最優先に考えているという結果ということを強く感じている。あまり学問的に分類することは実体的ではないという感想を持つ。

○ 当自治体でも課税自主権について、庁内で検討した経緯がある。今回のアンケート結果にもあるように、都道府県レベルでは前向きに考えているが、市区レベルではあまり実例がない。当自治体も結果としては断念した。市レベルでは思ったほど効果がない。コストばかりがかかり財政的な助けになるというほどのメリットが出てこない。滞納督励した方がいいような額だとすれば、住民を説得する手間暇よりも、昼間人口の増加や個人市民税を払ってくれる人に住んでもらうなど、現状の税制での着実な財源確保ということの方が良策であるという考えを持っている。観光と定住人口の増というような面での人の受け入れ努力をしている。税の新しい条例で課税していくというよりもどちらかというと都市計画などまちづくりの条例の方にエネルギーを使うように考えている。景観条例や開発行為に対する条例を作ることに動いているので、税については頓挫している。新しい税を打ち出せば絶対的な優位性がないと課税客体が逃げるので、打ち出せないのが現実である。神奈川県が考えている水というのは一番いいのではないか。

○ やらなくてはならない施策のために新税をやる本当の理由は、新税をやらないと財源を確保できないということにあって、財源のレベルをあげるということでいえば税という発想は正しいのではないか。

○ 絶対的な優位性ということに関連して、アンケートの問15で許可権限等別途の権限と徴税権限が同一自治体にある場合における課税自主権の活用について、比較的多くの事例が見られるのは産廃税や核燃料税など、地元が種々コストを払い受け入れているなどの優位性を持っているという局面で例があるのも一面の事実である。あるいは、産廃業界に権限を持っているということもある。

○ 逆の例では、多治見市は、名古屋市のゴミを受け入れている。市長に聞いたところ、他にゴミの最終処分地を捜すことは政治的にも至難の業で、今ある施設の延命をするということになるとゴミの減量しかなく、名古屋市民にごみの減量をしてもらうと同時に多治見市の市民に向けてもゴミの減量化を求めるということでどうしても税金にしたいということであり、負担金では効果がないとのことであった。このケースでは、自治体が自治体に課税できるかという課税客体の問題(主権免税)が出てくる。しかし、多治見市ではできたので一応できるという現状になっている。

○ 地方自治体としてパッケージで主権免税になるわけではなく、経済活動の面もあるものについてはできるという考えだと思う。政策目的という場合にそれをどうやって実現するのが合理的か、説得性・納得性があるかということかと思う。議論としては、何が目的でどういう手段を取るのかはっきりさせるというのが重要であるというのがある程度共通に出てきたのではないかと思う。

○ 実質的な議論するようなものなのかという印象もある。産廃税や核燃料税など、ある種迷惑施設的なものを引き受けているというところに狙い撃ちするというのは合意が得やすいという類型が1つある。広く薄くやるということになるとあまり理由付けがない。

○ 産廃税や核燃料税は、受益と負担が非常に明確である。分担金や負担金という形で取ってもいいが、法定外目的税というものが今回創設された結果、法的にはどちらも使いうるが、法定外目的税を使っている。

○ 追い出し税的なものは通りやすいと思うが、財源調達目的でないとすれば、取れたものは他で減税するべきではないか。あるもので増収した場合、一般税で減税すべきというのが基本になる。特定の受益の場合、なぜその問題だけが議論になるのかという問題がある。ある水準を超えるものに対して、特別の説明が必要になるということはわかるが、他の分野で超えているもについてなぜ争点化されないのかという話になるので、説明しやすいということ自体に懸念がある。つまり、あるものについて説明がつくということはいいが、なぜ他のものについて説明するというアジェンダが設定されないのか。政策ではなく、二次元権力が働いているからという言い方になるが、それを若干、制限すべきではないか。

○ 目的税を活用するとしたら、あまり争点にならないところに課税していくということもあるのではないか。ある市では恩賜公園などの有料駐車場に入ると駐車料金に100円程度加算される。それは、基本的に観光客に対して、公園整備費基金などの名目で取る。そういうのはうまいやり方だと思う。駐車場料金は払わなくてはいけないし、徴税コストもかからない。租税輸出ということでもいいのではないか。大々的にやると大変である。大々的にやって通りやすいのは産業廃棄物税などであると思う。

○ 使用料と税金との違いがあり、税金は1つの税率があり公平にやらなくてはいけない。

○ 使う人については取るということで公平になる。

○ 目的税と普通税について、理論的な区分と政策的な区分とは別ということかと思う。宿泊税にしても、普通税ではないかという見解もある。普通税と目的税について、定義の仕方によっても変わってくることと、政策的な発想をどう組み合わせていくかということもある。

(2) 立案のプロセス、課税自主権を行使する際の成功の条件

○ 法定外税を含めて課税自主権行使の場合の成功のための条件、公募委員の位置付け、議会の位置付け、検討体制について議論していく。

○ アンケートの問4(1)で研究会、審議会等の委員構成について、学者は利害関係がなく、業界関係は中間的であるが、議員は形としては第三者的であるが、全く第三者ではない。そういう部分の問題意識はどうか。実態はどうか。行政と議会はこれまで良好な関係でやってきたので、そこに公募の委員が入ると断絶してしまう。

○ 最近の関東地方の市町村ではほとんど議員は入れていない。地方自治法上、審議会は長の付属機関になる。長の付属機関に議員が長の任命を受けて議会と執行機関の二元代表制で車の両輪であるということはおかしいと批判をされて、最近はやらなくなっている。

○ 議員が参加するという古いタイプの運営が続いているところもあるということ。

○ ある自治体の審議会では、議員だけが発言している。委員の指摘も一理あるが、車の両輪という場合、執行部側から出たものを受けて議論すべきという考えと、執行部原案を作るときに事前に影響力を行使すべきという考えの2つがあるとすると、首長側が、原案を作成する時に、事前審査という形で議員が入るということについて必ずしも2元代表制を阻害するものではないと思う。むしろ予算編成の時に議会に関与してもらおうとしたときに議会が拒否したという例もある。予算編成で与党の事前審査をするということは、必ずしも議会を弱めるものではないという考えもあり得る。しかし、実態としては、古い体質が残っているが、一概に悪いのかという点は微妙である。

○ 実態としては、議会から入れろと要求される。枠を作れといわれる。枠ができたら、人は議会で決めている。当局も入ってもらったほうが、その後の審議がスムーズにいくということもある。しかし、最近は議会からも会派によって辞退すべきではないかという声も少し出てきている。

○ 議長が替わったときなどに、審議会の委員も替わることがあるが、議員が決めている。あて職というのもある。各種審議会委員の割り振りも議長・副議長のバランス配分の派生として、総トータルとして割振られる。

○ 正式な審議会という面ではそうかもしれないが、税を検討していくために、行政原案作成のための場合には、議員は全く入らずに、各界代表とみなされる方など、基本的に県民参加の一環として行われていることも今は多いのではないか。

○ 法律で決まっているものは別であるが。課税自主権との関係で問5(3)で議会自体も課税自主権に積極的ということも、課税対象が域外の人ということであれば当然であり、さほど問題にはならないという気がする。

○ アンケートの問5(4)で都道府県がほとんど全会一致というのは、すごいことである。議会が慎重な審議をしているかどうかは別として、あまりブレーキをかけるという形にはなっていない。委員から指摘があったが、事前に結合しすぎているというものと因果関係があるならば、議会の審査をもう少しきちんとやるべきであるという議論が出てくるが、市区の場合は8割が賛成多数となっているので、何とも言えないところである。

○ 国もそうだが、最近、議員立法が増えている。立法権、条例制定権は議会にあるわけなので事務局としてはそういう点についてどういう理解なのか。今までだったら行政が原案を作ってそれが通ったわけだが、議会が力を付けてくるとそういうことも必要なくなる。非常に大きな問題である。

○ そういう流れはできつつあるが、税の関係については執行部が提案しているのが今の動きであり、それを前提に考えている。

○ 地方自治法の直接請求で、地方税の賦課徴収と分担金、使用料を除く規定があるが、これに対しての文献あるいは内部の議論はどうか。

○ アンケートの問12では、直接請求から地方税の賦課徴収について除外されいることについて、やむを得ないと考えてる自治体が最も多い。一方、「地方税の賦課徴収以外の部分も含め、直接請求を拡大する方向で見直しを行うべきである」という意見や、「課税自主権を活用した条例の制定・改廃については、直接請求を認めてもよいのではないか」という意見もあった。法定税目については、法律で決まっていることなので各自治体に直接請求は馴染まないが、課税自主権を行使した条例については対象にしてもいいのではないかという意見も出てきている。文献では、前回資料2−5の9頁で碓井氏は、「除外規定を見直す時期にきているように思われる」と論じている。

○ 直接請求で減免しろということがたくさん出てきたらどうするかという議論は昔からある。あるいは、直接請求の対象となる住民以外をターゲットにするものが出てきたらどうするかということもある。

(3) 共同の税条例制定について

○ 全体としてみると市町村での課税自主権に関する取り組みはそれほどない。政策によっては共同で実施することもあり得るのではないかということで、今後の方向として、アンケートの問11で複数の自治体での共同実施についての可能性について、都道府県と市町村で意見が分かれている。

○ 抑止的効果を狙っている。1つのところで実施すると、隣に流れてしまうので、隣と共同しないと意味がない。

○ 三浦市でモーターボート税をやったが、ヨットやモーターボートは移動するので、客体の把握に非常に手間がかかるり、よい税であったが結局やめてしまったという経緯がある。もし広域的にやっていたら違っていたかもしれないということはある。今の課題でいえばディーゼル車などの環境問題については広域的な対応が必要であり、東京都を中心に議論をしている。

○ ディーゼルに関する規制でみられるように、共同の取組という方向について強調してもいいのではないか。

○ アンケートの問7で「県に対し、町内2カ所にあるダム下流の利水自治体等から徴収する森林水源利用税の創設を要望している」というその他意見もある。

○ 岡山県の産廃税は税収の半分を、市町村に交付金として渡すなど、県と市町村で連携している。神奈川県では県と市町村で共同して研究会を行い、市町村が共同して放置自転車税や自動販売機税などのアイデアを打ち出している。

○ 県との連携については北九州市が産廃税で協議している。福岡も都市圏広域行政を、21市町村でやっている。税関係ではまだだが、過去に空き缶の投げ捨てについて問題になったときに、当時22市町村で一斉に同じ条例を施行したという例はある。税も都市圏行政の中で音頭を取れば可能性はあるのではないかと思う。

○ 横の連携ということについては、非常に有効であると思っている。税の話ではないが、3市で地下室マンションの規制について連携して作業を進めている。近隣自治体で連携、協調して行うことは有効な策である。税もしかりであるが、1つの自治体だけではもういけない時代になってきている。そうなると県の立場というもののある。

○ 地下室マンションの関係は法令を変えないと連携してもダメではなのではないか。

○ どこをどう攻めるかということについて、開発行為に対する考え方について統一していこうということである。

○ 税収的に成功している法定外税は何か。

○ 分権一括法後で最初のものは、三重県の産廃税であるが、14年度実績で約1億3千万円である。導入前の推計では平成10年度の実績に基づき約4億円といっていたが、産廃の排出抑制効果が税収に現れたのではないかという評価をしている。ただ、県域外への流出の可能性もないわけではないと思うが、当初の目的を達成していると思う。

○ 税金をかけていくという行政手法そのものが洗練されていないと思う。税金の根元的な部分に立ち返ると、地方税的なものもあるが、全国的にということや、ノンアフェクタシオンの原則などが基本的にあって、地方分権だから各自治体が自主性を出すということについて、象徴として使うのはわかるが、政策手段としては上質のものではないのではないかと思う。奨励することはあってもいいが、正面に据えるようなものではないのではないかという印象を持つ。むしろ地方分権であれば税金の話に走るのではなく、規制条例などの分野で本領を発揮してもらいたいと思う。

○ 自治体として求めているのは、税源を地方に移譲し、一般財源を充実させることである。使途を限ろうとするならば、基金や特別会計方式でやるのがいい。ただ、この研究会として地域特有の行政水準を上げるとか、特別な需要があることについて、きちんと対応する手段があってもいいのではないかということだと思う。

○ 政策法務等についての共同の取り組みについては、中間まとめでやったが、今回、課税についての具体的な共同の取り組みはなくても、各委員からあったように規制ついて最近の取り組みなどを紹介するときっかけになるのではないか。あるいはそちらの方が本筋という議論もある。

(4) 税率の自己決定と課税自主権について

○ 財源ということでいえば、三位一体で税源を移譲してくれということもあるが、それだけではなく、自治体が今やれることとして、問8や資料1−5で超過課税の今後の取り組みについて議論する。 

○ 今の財政状況の中で税の引き下げはあり得ないというのは、政策的な話であるが、考え方として引き下げをどこまで地方債の起債制限と連動させるのかということもある。もう一つは、個人に超過課税がどこまでできるかということである。個人に対して住民税の均等割の議論が最近増えているが、私は均等割の引き上げは疑問に思っている。あまり引き上げると単に取れなくなり、かえって不公平ではないかということを心配している。経済学的な議論では受益と負担ということやアカウンタビリティーということで、均等割を引き上げろという議論が強い。もう一つは昼間人口にどうやって負担を求めることができるかということである。現状では方法がないということであれば、法人課税や固定資産税という話にならざるを得ない。

○ アンケートの2ページの一番下で、超過課税を検討し、施行している団体が市区で1団体あるが、もっとあるのではないか。

○ 他でもやっているが、分権一括法後に施行したものを調査対象にしている。従来からやっているものは調査対象から外している。

○ 率直なところ、今、税の引き上げの議論は出せない。議会などでの議論は歳出削減せよというもので、滞納整理、徴収率を上げろというものはあるが、新税を作るとか、税率を上げるという議論は全くない。当局が努力をしろということである。さらにいえば、税源移譲の活動をもっとしろということである。

○ 水源環境に関する税では個人県民税の均等割について検討対象である。水源保全の利益はすべての県民に及ぶ。しかし均等割にすると相対的に逆進的になり低所得者も含めて全部取ってしまうという形になるので、その緩和のためには所得割の超過課税をどう組み合わせていくのかという検討がされている。

○ 超過課税について、今の時点では出せないというのが現実ではないか。予算作成段階でも税源がないということを理解しつつも、当面、歳出削減と積立金の取り崩しでしのいでいくというのが現実である。

○ 他にいろいろやれることはやれという要求は強い。問6では、徴収率を上げろという回答がいくつかある。目的税はフィクションであれ、受益と負担の関係ということで説明がつくが、一般の税率を上げるということになると、それだけ行政の方が合理化しているのかなどの説明責任が働く。もちろん国レベルでの税源移譲の議論の現状等についても報告書をまとめる際に触れておく必要があると思うが、その上で目的税だけではなく超過課税についてもある程度記述をするのかどうかということ。

○ その際に、都市の論理で考えるだけでなく、地方では非常に過疎で、行政の投資的効果は薄くなる。税源移譲も超過課税も効果は大して上がってこない。もう一つ重要なことは、都会では考えられないような支出が出てくることである。道路の舗装でも、砂利を倍以上ひかないと1回の冬で凍ってダメになってしまう。道路の1mあたりの単価は非常に高い。雪が1回降ると除雪に2,000万円かかる。費用対効果でいうと政策目的のために使われるというよりも、自然現象と闘っているような状況である。

○ 課税自主権の行使についてアンケート調査の結果等について、論点ごとに検討を行ったが、いくつかとりまとめにあたっての示唆、見解が出てきたと思う。


2 都市計画(土地利用計画・規制)に係る条例について

   (事務局説明)

○ 資料2のP3(以下「P○」)に、「開発許可権限がないので困難」という回答があるが、実質的に困難なのか、それとも許可権限がないと条例が制定できないと誤解しているのか、調べておくことが必要。

○ P9に、「色彩のように、具体的な指標を定めることが困難な場合は、地区計画の内容を理解・納得させるだけの根拠が乏しい。」とあるが、どのような課題があるのか。

  →(事務局)地区計画で、色彩、意匠などを定めても、その実現のためには、建築基準法に基づく規制条例を定めなければならない。その条例に定められる内容は、高さ、建ペイ率のように、建築確認の際の判断基準になりうるような数値化できるものは問題ないが、色彩、意匠といったようなものを定めることは難しいので、地区計画に定めてもその実効性という点では課題があるということだと思われる。

○ P10に、「建築確認申請が民間検査機関に移行している現在」とあるが、むしろ逆に特定行政庁への申請が増えているのではないか。そうであるならば議論の前提が異なってくるので、特定行政庁と民間の指定確認検査機関への申請がどれくらいの割合になっているか、調べておくことが必要。

○ P15に、「特定建築等行為条例の検討段階で、開発許可へリンクすることを試みたが、国は慎重姿勢を示した」とあるが、国の当局の対応としては当然のことである。国に相談することなく、自治体は自ら法令を解釈して、必要であれば実施していく姿勢が必要。また、P10に、「裁判で負け多額の損害賠償を支払うことになるので、独自条例の制定には慎重を要する」とあるが、これも独自条例の制定を抑制する理由にはならない。きちんとした法解釈に基づく条例をつくれば問題は生じないはず。

○ P18「別紙1」のB市の条例に防犯灯、街灯の設置という事項があるが、これは横出し基準ということか。また義務付けがあるのか。

  →(事務局)法令には明確には記述のない基準なので、横出しということで回答があったものと思われる。また、条例には「設置するものとする」とあるので、「しなければならない」ほど強くはないが、義務付けしたものと考えられる。

○ 「委任条例」という概念について、機関委任事務の時代においては、明確な法令の委任がなければ条例が制定できなかったので「委任条例」ということだったと思うが、分権改革によって機関委任事務、団体委任事務という概念が消滅した後に、「委任条例」という概念を使い続けるべきなのかということについては疑問がある。この辺りもきちんと議論しておくことが必要 



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