検  討  事  例

 

 「次第」の2 「いわゆる宅地開発指導要綱の条例化を図る場合の留意点について」
 (1) 「同意条項」の条例化の可否

   事業者に計画内容の周知や周辺住民との協議、その同意を得ることなどを求める条 項を条例に規定することは可能か。
(資料2-4の「8 周辺住民調整」参照)

 


宅地開発指導要綱の例

○ 横須賀市開発行為等指導要綱

 (周辺住民への周知等)

第8条 事業者は、…開発行為事前審査願又は建築相談願を提出したときは、開発行為等の場所、面積、土地利用計画、建築概要、計画住戸数、事業者の連絡先等を記載した表示板を開発区域等の見やすい場所に速やかに設置するものとする。ただし、表示板を速やかに設置できないことについて市長がやむを得ない事情があると認めたときは、この限りでない。
2 事業者は、開発行為等を行う土地の周辺区域の住民から説明会の開催を求められたときは、速やかに説明会を開催するものとする。
3 事業者は、開発許可申請又は建築確認申請を行うときまでに、開発行為等が次の各号に掲げる事項について、相当の影響を及ぼす区域の住民と協議を行い、その経過及 び結果を文書で市長に報告するものとする。
 (1) 土砂等の搬出入(1,000立方メートル以上のものに限る。)
 (2) 中高層建築物の建築に伴う日影
 (3) 中高層建築物の建築に伴う電波障害
4 事業者は、開発許可申請又は建築確認申請を行うときまでに、開発区域等の敷地境界線から10メートル以内の区域(…「隣接区域」という。)にある土地又は家屋の所有者及び賃借権者から当該開発行為等の施行について原則として同意を得るものとし、その経過及び結果を文書で市長に報告するものとする。ただし、隣接区域内に多数の所有者及び賃借権者がある中高層建築物が存在するときは、市長と事業者が協議して同意を得る者の範囲を定めるものとする。

 (2) 「開発負担金」の条例化の可否

 公共公益施設の整備に必要な費用を、法定外目的税又は分担金として事業者から徴収する条例は可能か。

 (関連した論点)


宅地開発指導要綱の例

 

○ 横須賀市開発行為等指導要綱

 (公益施設整備協力金等)

第19条 事業者は、快適なまちづくりに寄与する公益施設の整備に必要な費用として、計画住戸数1住戸につき30万円(専用面積が30平方メートル未満の単身者用の住戸にあっては、1住戸につき10万円)の公益施設整備協力金を市に提供するものとする。
2 前項に定めるもののほか、4階以上の建築物の建築を行う事業者は、次の各号に掲げるところにより、それぞれ算出した額の合計額の消防施設等整備協力金を市に提供するものとする。
 (1) 階数割 略
 (2) 面積割 略
3 開発事業者は、開発行為の許可を受けるときまでに第1項に規定する協力金の提供について市長と協議書を締結し、開発行為の工事完了検査を受けるときまでに協力金を納入するものとする。
4 開発事業者は、建築確認通知を受けるときまでに第2項に規定する協力金の提供について市長と協議書を締結し、建築工事の工事完了検査を受けるときまでに協力金を納入するものとする。この場合において、開発事業者が自ら建築確認通知を受けて建築物の建築を行わないときは、建築確認通知を受ける者が開発事業者に代わって同項に規定する協力金を納入するものとする。
5 事業者(前2項に規定する開発事業者を除く。)は、建築確認通知を受けるときまでに第1項及び第2項に規定する協力金の提供について市長と協議書を締結し、建築工事の工事完了検査を受けるときまでに協力金を納入するものとする。
6 市長は、開発行為等に係る建築物が次の各号のいずれかに該当するときは、第1項及び第2項に規定する協力金を減額し、又は第1項及び第2項の規定を適用しないことができる。
 (1) 社会福祉施設、医療施設、学校その他の公益施設であるとき。
 (2) その他市長が特に必要と認める建築物であるとき。


関係法律の規定

○ 地方自治法

 (分担金)

第224条 普通地方公共団体は、政令で定める場合を除くほか、数人又は普通地方公共団体の一部に対し利益のある事件に関し、その必要な費用に充てるため、当該事件により特に利益を受ける者から、その受益の限度において、分担金を徴収することができる。

 (分担金等に関する規制及び罰則)

第228条 分担金…に関する事項については、条例でこれを定めなければならない。

 (督促、滞納処分等)
第231条 略

3 普通地方公共団体の長は、分担金、加入金、過料又は法律で定める使用料その他の普通地方公共団体の歳入につき第1 項の規定による督促を受けた者が同項の規定により指定された期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、当該歳入並びに当該歳入に係る前項の手数料及び延滞金について、地方税の滞納処分の例により処分することができる。

○ 地方財政法

 (割当的寄附金等の禁止)

第4条の5 …地方公共団体は…住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、寄附金(これに相当する物品等を含む)を割り当てて強制的に徴収(これに相当する物品等を含む。)するようなことをしてはならない。

 (市町村が住民にその負担を転嫁してはならない経費)

第27条の4 市町村は、法令の規定に基づき当該市町村の負担に属するものとされている経費で政令で定めるもの(※)について、住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、その負担を転嫁してはならない。
 ※ 地方財政法施行令§16の3
(1) 市町村の職員の給与に要する経費
(2) 市町村立の小学校及び中学校の建物の維持及び修繕に要する経費

○ 地方税法

 (都市計画税の課税客体等)

第702条 市町村は、…都市計画事業又は…土地区画整理事業に要する費用に充てるため、当該市町村の区域で…都市計画区域…のうち…市街化区域(…区域区分…が定められていない場合にあっては、…都市計画区域の全部又は一部の区域で条例で定める区域)内に所在する土地及び家屋に対し、その価格を課税標準として…所有者に都市計画税を課することができる。…市街化調整区域において(都市計画)法第34条第10号イに掲げる開発行為に係る開発区域内で…都市計画事業が施行されることその他特別の事情がある場合には、当該市街化調整区域のうち条例で定める区域内に所在する土地及び家屋についても、同様とする。

 (宅地開発税)

第703条の3 市町村は、宅地開発(宅地以外の土地の区画形質を変更することにより当該土地を宅地とすること又は宅地以外の土地を宅地に転用することをいう。…)に伴い必要となる道路、水路その他の公共施設で政令で定めるもの(以下…「公共施設」という。)の整備に要する費用に充てるため、当該市町村の区域で…都市計画区域…のうち…市街化区域(当該都市計画区域について…区域区分に関する都市計画が定められていない場合にあっては、…住宅地造成事業規制区域…)内において公共施設の整備が必要とされる地域として当該市町村の条例で定める区域内で権原に基づき宅地開発を行う者に対し、当該宅地開発に係る宅地の面積(公共の用に供される部分の面積を除く。)を課税標準として、宅地開発税を課することができる。
2 宅地開発税の税率は、宅地開発に伴い必要となる公共施設の整備に要する費用、当該公共施設による受益の状況等を参酌して、当該市町村の条例で定める。

 (法定外目的税の新設変更)

第731条 道府県又は市町村は、条例で定める特定の費用に充てるため、法定外目的税を課することができる。
2 道府県又は市町村は、法定外目的税を新設し、又は変更しようとする場合においては、あらかじめ、総務大臣に協議し、その同意を得なければならない。

 (総務大臣の同意)

第733条 総務大臣は、第731条第2項の規定による協議の申出を受けた場合には、当該協議の申出に係る法定外目的税について次に掲げる事由のいずれかがあると認める場合を除き、これに同意しなければならない。
 一 国税又は他の地方税と課税標準を同じくし、かつ、住民の負担が著しく過重となること。
 二 地方団体間における物の流通に重大な障害を与えること。
 三 前2項に掲げるものを除くほか、国の経済施策に照らして適当でないこと。

 (法定外目的税の非課税の範囲)

第733条の2 地方団体は、次に掲げるものに対しては、法定外目的税を課することができない。
 一 当該地方団体の区域外に所在する土地、家屋、物件及びこれらから生ずる収入
 二 当該地方団体の区域外に所在する事務所及び事業所において行われる事業並びにこれらから生ずる収入
 三 公務上又は業務上の事由による負傷又は疾病に基因して受ける給付で政令で定めるもの

都市計画法(平成年5月19日法律第73号による改正後の規定)

 (公共施設の管理者の同意等)

第32条 開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し、その同意を得なければならない。
2 開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為又は開発行為に関する工事により設置される公共施設を管理することとなる者その他政令で定める者と協議しなければならない。
3 前2項に規定する公共施設の管理者又は公共施設を管理することとなる者は、公共施設の適切な管理を確保する観点から、前2項の協議を行うものとする。

 (開発許可の基準)

第33条 都道府県知事(※指定都市・中核市・特例市の区域にあっては、当該指定都市等の長)は、…申請に係る開発行為が、次に掲げる基準(第4項の条例が定められているときは、当該条例で定める制限を含む)に適合しており、かつ、その申請の手続がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反していないと認めるときは、開発許可をしなければならない。
 六 当該開発行為の目的に照らして、開発区域における利便の増進と開発区域及びそ の周辺の地域における環境の保全とが図られるように公共施設、学校その他の公益 的施設及び開発区域内において予定される建築物の用途の配分が定められているこ と。

 (開発行為等により設置された公共施設の管理)

第39条 開発許可を受けた開発行為又は開発行為に関する工事により公共施設が設置されたときは、その公共施設は、第36条第3項の公告の日の翌日において、その公共施設の存する市町村の管理に属するものとする。ただし、他の法律に基づく管理者が別にあるとき、又は第32条第2項の協議により管理者について別段の定めをしたときは、それらの者の管理に属するものとする。

 (公共施設の用に供する土地の帰属)
第40条 略

2 開発許可を受けた開発行為又は開発行為に関する工事により設置された公共施設の用に供する土地は、…開発許可を受けた者が自ら管理するものを除き、第36条第3項の公告の日の翌日において、前条の規定により当該公共施設を管理すべき者…に帰属するものとする。
3 市街化区域内における都市計画施設である幹線街路その他の主要な公共施設で政令で定めるもの(※)の用に供する土地が前項の規定により国又は地方公共団体に帰属することとなる場合においては、当該帰属に伴う費用の負担について第32条第2項の協議において別段の定めをした場合を除き、従前の所有者…は、国又は地方公共団体に対し、政令で定めるところにより、当該土地の取得に要すべき費用の額の全部又は一部を負担すべきことを求めることができる。
※ 都市計画法施行令§32
(1)都市計画施設である幅員12メートル以上の道路、公園、緑地、広場、下水道(管渠を除く。)、運河及び水路、(2)河川

(受益者負担金)

第75条 国、都道府県又は市町村は、都市計画事業によって著しく利益を受ける者があるときは、その利益を受ける限度において、当該事業に要する費用の一部を当該利益を受ける者に負担させることができる。
2 前項の場合において、その負担金の徴収を受ける者の範囲及び徴収方法については、国が負担させるものにあっては政令で、都道府県又は市町村が負担させるものにあっては当該都道府県又は市町村の条例で定める。

 

 「次第」の3 「その他」(条例と国法制度との関係について)関係条例の手続規定への違反と法令による許認可
 法令に基づく許認可(開発許可及び建築確認)に関し、条例で、許認可申請に係る事前手続を義務付けるとともに、許認可申請書に事前手続の実施状況に関する書類を添付すべきことを規定した場合(別紙「墓地埋葬法による許可についての規定例」参照)に、その書類の添付がないことや事前手続が十分履行されていないことを理由に、当該許認可申請を不許可とすることができるか。

 


関係法律の規定

○ 都市計画法(平成12年5月19日法律第73号による改正後の規定)

 (開発行為の許可)

第29条 都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事(…指定都市、…中核市又は…特例市…の区域内にあっては、当該指定都市等の長…)の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる開発行為については、この限りではない。

 一〜十一略

 (許可申請の手続)

第30条 …開発許可…を受けようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。

 一〜五略
2 前項の申請書には、第32条第1項に規定する同意を得たことを証する書面、同条第2項に規定する協議の経過を示す書面その他国土交通省令で定める図書を添付しなければならない。

 (公共施設管理者の同意等)

第32条 開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し、その同意を得なければならない。
2 開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為又は開発行為に関する工事により設置される公共施設を管理することとなる者その他政令で定める者と協議しなければならない。
3 …公共施設の管理者又は公共施設を管理することとなる者は、公共施設の適切な管理を確保する観点から、前2項の協議を行う。

 (開発許可の基準)

第33条 都道府県知事は、…申請に係る開発行為が、次に掲げる基準(第4項の条例が定められているときは、当該条例で定める制限を含む。)に適合しており、かつ、その申請の手続がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反していないと認めるときは、開発許可をしなければならない。
一〜十四略
2 前項各号に規定する基準を適用するについて必要な技術的細目は、政令で定める。
3 地方公共団体は、その地方の自然的条件の特殊性又は公共施設の整備、建築物の建築その他の土地利用の現状及び将来の見通しを勘案し、前項の政令で定める技術的細目のみによっては環境の保全、災害の防止及び利便の増進を図ることが困難であると認められ、又は当該技術的細目によらなくとも環境の保全、災害の防止及び利便の増進上支障がないと認められる場合においては、政令で定める基準に従い、条例で、当該技術的細目において定められた制限を強化し、又は緩和することができる。
4 地方公共団体は、良好な住居等の環境の形成又は保持のため必要と認める場合においては、政令で定める基準に従い、条例で、区域、目的又は予定される建築物の用途を限り、開発区域内において予定される建築物の敷地面積の最低限度に関する制限を定めることができる。

○ 建築基準法

 (建築物の建築等に関する申請及び確認)

第6条 建築主は、…建築物を建築しようとする場合…においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定…その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。…)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。

 

(別紙)

墓地埋葬法による許可についての規定例


墓地、埋葬等に関する法律

 (法律の目的)

第1条 この法律は、墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が、国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることを目的とする。

 (墓地・納骨堂又は火葬場の経営等の許可)

第10条 墓地、納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事(※指定都市・中核市においては、当該指定都市・中核市の長)の許可を受けなければならない。
2 前項の規定により受けた墓地の区域又は納骨堂若しくは火葬場の施設を変更し、又は墓地、納骨堂若しくは火葬場を廃止しようとする者も、同様とする。
(注) 第10条の許可の基準に関する規定は、同法になし。

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