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上越市景観条例(平成12年3月24日上越市条例第2号平成12年3月24日上越市条例第2号)

前文
 第一章 総則(第一条−第六条)
 第二章 美しい景観の形成
  第一節 景観形成基本計画(第七条)
  第二節 景観形成地区(第八条−第十四条)
  第三節 景観形成重要資源(第十五条−第十九条)
  第四節 景観形成に重大な影響を及ぼす行為(第二十条−第二十三条)
  第五節 景観を著しく阻害する要因に対する措置(第二十四条)
  第六節 報告等(第二十五条)
 第三章 市民主体による景観形成の推進(第二十六条−第二十八条)
 第四章 上越市景観審議会(第二十九条−第三十二条)
 第五章 雑則(第三十三条)
 附則

 景観は、その地域の風土やそこに生活する市民の文化をそのまま表現するものである。美しい景観は、都市の個性を生み、市民の心を豊かにし、誇りと愛着を感じさせる。
 私たちのまち上越市は、豊かな水とみどりにあふれている。自然は、四季の移り変わりの中で、古くから人々に潤いと恵みを与え、人々は自然と共存しながら長い年月をかけて歴史、文化をはぐくんできた。
 春日山城跡や高田城跡、五智国分寺などの歴史的遺産をはじめ、雁木、寺町、加賀街道の松並木に代表される歴史的まちなみは、いにしえの面影を今も私たちに伝え、広大な日本海や雄大な南葉の山々、そして山里のたたずまいや久比岐野に広がるのどかな田園風景は、上越市の原風景として、私たちの心のよりどころとなっている。
 都市の機能性や安全性のみならず、人間性を尊重した快適な生活が強く求められるこんにち、私たちは、これまで先人が大切に守りはぐくんできたこれらの共有財産を守り、いかしながら、上越市固有の景観をつくりだし、快適で美しく、魅力にあふれた「みどりの生活快適都市」を実現していかなければならない。
 私たちは、ともに力をあわせて自らの英知と情熱をかたむけ、景観が市民共有の財産であり、一人一人がまちづくりの主体であるという認識の下、地球環境との共生の中で、上越市をさらに住みよいまちに育て、次代の市民に引き継いでいくことを決意し、この条例を制定する。

   第一章 総則
 (目的)

第一条 この条例は、市民参加の下で景観形成を推進することにより、快適で美しく、魅力にあふれるまちの実現を図ることを目的とする。

 (定義)

第二条 この条例において「景観形成」とは、良好な景観及び事象を保全し、及び創造することをいう。
2 この条例において「建築物等」とは、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号に規定する建築物及び同号に規定する建築物以外の工作物で規則で定めるものをいう。
3 この条例において「広告物等」とは、屋外広告物法(昭和二十四年法律第百八十九号)第二条第一項に規定する屋外広告物及び専らこれを掲出し、又は表示する工作物等をいう。

 (市の責務)

第三条 市は、景観形成に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施しなければならない。
2 市は、景観形成に関する施策の策定及び実施に当たっては、市民の意見を反映させるように努めなければならない。
3 市は、公共施設の整備を行うに当たっては、景観形成に先導的な役割を果たすように努めなければならない。
4 市は、市民及び事業者が景観形成についての理解を深め、積極的にこれを推進することができるように、景観形成に関する意識の高揚及び支援に努めなければならない。
5 市は、必要に応じて、国、県その他の地方公共団体及び公共的団体等に対し景観形成について協力を要請するものとする。

 (市民の責務)

第四条 市民は、自らが景観形成の主体であることを認識し、地域の特性に配慮した景観形成に努めるとともに、市が実施する景観形成に関する施策に協力するものとする。

 (事業者の責務)

第五条 事業者は、その事業活動が地域の景観に強く影響を及ぼすことを認識し、事業活動を行うに当たっては、景観形成に最大限の配慮をするとともに、市が実施する景観形成に関する施策に協力するものとする。

 (財産権等の尊重等)

第六条 この条例の運用に当たっては、関係者の財産権その他の権利を尊重するとともに、公共事業その他の公益との調整に留意しなければならない。

   第二章 美しい景観の形成
    第一節 景観形成基本計画

第七条 市長は、景観形成の総合的かつ計画的な推進を図るため、景観形成基本計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。
2 市長は、基本計画を定めるときは、あらかじめ上越市景観審議会の意見を聴かなければならない。
3 前項の規定は、基本計画の変更について準用する。

    第二節 景観形成地区
 (景観形成地区の指定)

第八条 市長は、次の各号のいずれかに該当する地区を景観形成地区として指定することができる。
一 市の将来都市像とするみどりの生活快適都市の実現に向け、特に景観形成が重要と認められる地区
二 重点的に景観の改善を図る必要があると認められる地区
三 住民の自発的な景観形成に関する活動が活発で景観形成についての合意が図られている地区その他市長が必要と認める地区
2 市長は、景観形成地区を指定するときは、あらかじめ当該地区の住民及び利害関係人を対象に公聴会を開催するとともに、上越市景観審議会の意見を聴かなければならない。
3 市長は、景観形成地区を指定したときは、その旨を告示しなければならない。
4 前二項の規定は、景観形成地区の区域の変更及び指定の解除について準用する。

 (地区景観形成計画及び地区景観形成基準)

第九条 市長は、景観形成地区を指定したときは、地区景観形成計画及び地区景観形成基準を定めるものとする。
2 地区景観形成計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 景観形成の目標
二 景観形成の方針
三 地区景観形成基準の作成のための指針
四 その他市長が必要と認める事項
3 地区景観形成基準は、地区景観形成計画にのっとり、景観形成地区の全部又は一部の区域について、次に掲げる事項のうち必要と認める事項について定めるものとする。
一 建築物等の規模、敷地内における位置、形態、意匠、色彩及び素材並びに敷地内の修景に関する事項
二 広告物等の位置、規模、形態、数量、色彩及び表示の内容に関する事項
三 土地の形質に関する事項
四 樹木の態様並びに伐採する場合の位置及び規模に関する事項
五 屋外において物品等を集積し、又は貯蔵する場合の位置、高さ及び遮へいに関する事項
六 その他市長が必要と認める事項
4 市長は、地区景観形成計画及び地区景観形成基準の案を作成するときは、あらかじめ当該地区の住民及び利害関係人を対象に公聴会を開催しなければならない。

 (景観形成地区協議会の設立等)

第十条 景観形成地区の住民及び利害関係人(以下「地区住民等」という。)は、市長に届け出て当該地区の景観形成を推進することを目的とする景観形成地区協議会(以下「地区協議会」という。)を設立することができる。
2 地区協議会は、地区景観形成計画及び地区景観形成基準の案を作成することができる。
3 地区協議会は、地区景観形成計画及び地区景観形成基準の案を作成するときは、あらかじめ地区住民等による意見交換会を開催しなければならない。
4 地区協議会は、地区景観形成計画及び地区景観形成基準の案を作成したときは、当該案について市長の承認を受けなければならない。

 (地区景観形成計画及び地区景観形成基準の決定等の手続)

第十一条 市長は、地区景観形成計画及び地区景観形成基準の案を作成するとき又は前条第四項の承認をしようとするときは、必要に応じて地区協議会及び上越市景観審議会の意見を聴くことができる。
2 市長は、地区景観形成計画及び地区景観形成基準を決定しようとするときは、その旨を告示するとともに、当該告示の日の翌日から起算して三十日間これらの案を公衆の縦覧に供しなければならない。
3 前項の規定による告示があったときは、当該告示に係る地区住民等は、同項に規定する縦覧期間の満了の日の翌日から起算して七日を経過する日までに、縦覧に供された案について、市長に対し意見書を提出することができる。
4 市長は、地区景観形成計画及び地区景観形成基準を決定するときは、あらかじめ上越市景観審議会の意見を聴かなければならない。
5 市長は、地区景観形成計画及び地区景観形成基準を決定したときは、その旨及び当該地区景観形成基準が適用される期日を告示するとともに、関係図書を公衆の縦覧に供しなければならない。
6 前各項の規定は、地区景観形成計画及び地区景観形成基準の変更について準用する。

 (地区景観形成計画及び地区景観形成基準の遵守)

第十二条 景観形成地区において第九条第三項各号に掲げる事項に係る行為をしようとする者は、当該行為が地区景観形成計画及び地区景観形成基準に適合するように努めなければならない。

 (届出)

第十三条 地区景観形成基準に定める事項に係る行為のうち市長が定める行為をしようとする者は、当該行為を開始する日(当該行為の手続について他の法令の定めがあるときは、当該手続を行う日)の三十日前までに、その内容を市長に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出をした者は、当該届出に係る行為を変更し、又は中止しようとするときは、速やかに市長に届け出なければならない。
3 第十一条第一項から第五項までの規定は、第一項の規定による届出を必要とする行為の決定、変更及び廃止について準用する。

 (助言及び指導)

第十四条 市長は、前条第一項及び第二項の規定により届け出られた行為が地区景観形成基準に適合しないと認めるときは、当該行為をしようとする者に対し、必要な措置を講ずるように助言し、又は指導することができる。

    第三節 景観形成重要資源
 (景観形成重要資源の認定)

第十五条 市長は、建築物等、樹木その他のもの及び音、風物詩等の事象(これらと一体となって景観を構成しているものを含む。)のうち市の景観上価値があると認められるものを景観形成重要資源として認定することができる。
2 市長は、景観形成重要資源を認定しようとする場合でその所有者(権原に基づく占有者又は管理者等がある場合は、これらの者を含む。以下同じ。)があるときは、当該所有者の意見を聴かなければならない。
3 市長は、景観形成重要資源を認定したときは、その旨を告示しなければならない。
4 市長は、景観形成重要資源がその価値を失ったと認めるときは、認定を取り消すものとする。
5 第二項及び第三項の規定は、景観形成重要資源の認定の取消しについて準用する。

 (景観形成重要資源の保全計画)

第十六条 市長は、景観形成重要資源の保全計画を定めることができる。
2 保全計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 保全の方針
二 管理上必要な措置
三 その他市長が必要と認める事項
3 市長は、保全計画を定めるときは、あらかじめ上越市景観審議会の意見を聴くとともに、所有者の同意を得なければならない。
4 市長は、保全計画を定めたときは、その旨を告示しなければならない。
5 前二項の規定は、保全計画の変更について準用する。

 (保全計画の遵守)

第十七条 保全計画が定められた景観形成重要資源の所有者は、保全計画に適合する管理を行うように努めなければならない。

 (届出)

第十八条 保全計画が定められた景観形成重要資源の所有者は、当該景観形成重要資源の現状を変更しようとするときは、通常の管理上の行為、軽易な行為その他規則で定める行為を除き、当該行為を開始する日(当該行為の手続について他の法令の定めがあるときは、当該手続を行う日)の三十日前までに、その内容を市長に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出をした者は、当該届出に係る行為を変更し、又は中止しようとするときは、速やかに市長に届け出なければならない。

 (助言及び指導)

第十九条 市長は、前条の規定による届出に係る行為により景観形成重要資源の価値が損なわれると認めるときは、当該行為をしようとする者に対し、必要な措置を講ずるように助言し、又は指導することができる。

    第四節 景観形成に重大な影響を及ぼす行為
 (景観形成に重大な影響を及ぼす行為の指定)

第二十条 市長は、次に掲げる行為のうち特に景観形成に重大な影響を及ぼすと認める行為を景観形成に重大な影響を及ぼす行為として指定することができる。
一 一定の規模を超える建築物等の新築、増築、改築、移転、大規模の修繕、外観の模様替え及び色彩の変更その他これらに準ずる行為
二 一定の規模を超える広告物等の新設、増設、改造、移転、大規模の修繕、外観の模様替え及び色彩の変更その他これらに準ずる行為
三 その他景観形成に影響を及ぼす行為
2 市長は、景観形成に重大な影響を及ぼす行為を指定するときは、併せて次に掲げる事項について定めなければならない。
一 指定する地域
二 指定する建築物等、広告物等その他のものの規模等
三 景観形成を適切に誘導するための基準(以下「誘導基準」という。)
四 その他市長が必要と認める事項
3 誘導基準は、第九条第三項各号に掲げる事項のうち必要と認める事項について定めるものとする。
4 第十一条第一項から第五項までの規定は、景観形成に重大な影響を及ぼす行為の指定、指定の変更及び指定の解除並びに第二項各号に掲げる事項の決定、決定の変更及び決定の取消しについて準用する。

 (誘導基準の遵守)

第二十一条 景観形成に重大な影響を及ぼす行為をしようとする者は、当該行為が誘導基準に適合するように努めなければならない。

 (届出)

第二十二条 景観形成に重大な影響を及ぼす行為をしようとする者は、当該行為を開始する日(当該行為の手続について他の法令の定めがあるときは、当該手続を行う日)の三十日前までに、その内容を市長に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出をした者は、当該届出に係る行為を変更し、又は中止しようとするときは、速やかに市長に届け出なければならない。
3 第一項の規定は、第二十条第四項において準用する第十一条第五項の規定により告示された誘導基準が適用される期日から適用する。

 (助言及び指導)

第二十三条 市長は、前条第一項及び第二項の規定により届け出られた行為が誘導基準に適合しないと認めるときは、当該行為をしようとする者に対し、必要な措置を講ずるように助言し、又は指導することができる。

     第五節 景観を著しく阻害する要因に対する措置

第二十四条 市長は、建築物等及び広告物等並びに光、音、におい、水質等の環境的要素その他のものが景観を著しく阻害していると認めるとき又は阻害するおそれがあると認めるときは、その所有者又は原因者に対し、必要な措置を講ずるように協力を要請するものとする。
2 市長は、前項の規定により協力を要請するときは、必要に応じて上越市景観審議会の意見を聴くことができる。

    第六節 報告等

第二十五条 市長は、第十三条第一項及び第二項、第十八条並びに第二十二条第一項及び第二項の規定による届出をしない者又は虚偽の届出をした者に対し、これらの規定により届け出るべき事項について報告を求めることができる。
2 市長は、前項の報告をした者に対し、必要な助言又は指導をすることができる。
3 市長は、第一項の規定による報告の求めに応じない者に対し、市長が定める期日までに報告するように勧告することができる。

   第三章 市民主体による景観形成の推進
 (景観形成市民団体の認定)

第二十六条 市長は、一定の地域における景観形成に寄与する活動を行うことを目的として市民により組織された団体のうち次に掲げる要件を具備する団体を景観形成市民団体として認定することができる。
一 その活動が景観形成に有効と認められること。
二 その活動が財産権その他の権利を不当に制限するものでないこと。
三 その活動が地域住民の大多数の支持を得ていると認められること。
四 規則で定める要件を具備する規約が定められていること。
2 前項の規定により景観形成市民団体の認定を受けようとする団体は、市長に申請しなければならない。
3 景観形成市民団体が解散したときは、市長に届け出なければならない。
4 市長は、前項の規定による届出があったとき及び景観形成市民団体が第一項各号のいずれかの要件を具備しなくなったと認めるときは、その認定を取り消すものとする。

 (景観協定)

第二十七条 一定の区域に存する土地、建築物等、広告物等、樹木その他景観形成において配慮すべきものの所有者は、その位置、規模、形態、数量、色彩その他景観形成に必要な事項について互いに協定を締結することができる。
2 市長は、前項の規定により締結された協定のうちその内容が景観形成に寄与すると認める協定を景観協定として認定することができる。
3 前項の規定により景観協定の認定を受けようとする者は、市長に申請しなければならない。
4 景観協定を締結した者は、当該景観協定を変更し、又は廃止したときは、速やかに市長に届け出なければならない。
5 市長は、前項の規定による廃止の届出があったとき及び景観協定の内容が景観形成に寄与しなくなったと認めるときは、その認定を取り消すものとする。

 (景観形成に寄与する活動等に係る助成等)

第二十八条 市長は、次に掲げるものの活動又は行為に係る経費の一部を助成することができる。
一 地区協議会
二 景観形成地区において地区景観形成基準に適合する行為をしようとする者
三 景観形成重要資源の維持管理をする者
四 景観形成市民団体
五 景観協定に基づく行為をしようとする者
六 その他景観形成に寄与する自発的な活動を行っている団体及び個人
2 市長は、景観形成に努めようとする者に対し、技術的援助を行うことができる。

    第四章 上越市景観審議会
 (設置)

第二十九条 景観形成に関する基本的事項及び重要事項を調査審議するため、上越市景観審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、市長の諮問に応じ調査審議するほか、景観形成に関し市長に意見を述べることができる。

 (組織)

第三十条 審議会は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する十五人以内の委員をもって組織する。
一 市民
二 事業者
三 学識経験者
四 関係行政機関の職員

 (委員の任期)

第三十一条 審議会の委員の任期は、二年とし、再任は妨げない。ただし、委員が欠けた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

 (審議会の運営等)

第三十二条 審議会の運営等に関し必要な事項は、市長が規則で定める。

    第五章 雑則
 (委任)

第三十三条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

   附 則

 この条例は、平成十二年十月一日から施行する。ただし、第四章の規定は、平成十二年七月一日から施行する。