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佐賀県福祉のまちづくり条例(平成10年条例第007号)

目次

  第一章 総則(第一条〜第八条)
  第二章 福祉のまちづくりに関する施策(第九条〜第十九条)
  第三章 公共的施設の整備等
  第一節 公共的施設の整備(第二十条〜第二十三条)
  第二節 特定施設の整備(第二十四条〜第三十一条)
  第三節 公共車両等及び住宅(第三十二条・第三十三条)
  第四章 雑則(第三十四条)
  附則

  第一章 総則(第一条〜第八条)

 (目的)

第一条 この条例は、福祉のまちづくりについて、県、市町村、事業者及び県民の責務等を明らかにするとともに、福祉のまちづくりに関する施策の基本的事項及び障害者、高齢者等が安全かつ円滑に利用できる施設等の整備に関し必要な事項を定めることにより、福祉のまちづくりの総合的な推進を図り、もって県民の福祉の増進に寄与することを目的とする。

 (基本理念)

第二条 福祉のまちづくりは、すべての県民が個人として尊重され 、社会の一員として自立し、等しく社会に参加できる機会を有し、世代等を超えて交流する共生社会の構築に向けた取組みであるという県民共通の認識の下に、障害者、高齢者、妊産婦、子どもなど、日常生活又は社会生活を送るうえで様々な制約を受ける人々が自らの意思で自由に行動し、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加することを可能にする障壁のない地域社会の実現を目指すことを基本理念とする。

 (定義)

第三条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
  • 一 障害者、高齢者等 障害者、高齢者、妊産婦等で日常生活又は社会生活において行動上の制約を受けるものをいう。
  • 二 公共的施設 病院、劇場、集会場、店舗、ホテル、共同住宅、官公庁舎、学校その他の不特定かつ多数の者の利用に供する部分を有する建築物及び公共交通機関の施設並びに道路、公園その他の公共の用に供する施設で規則で定めるものをいう。
  • 三 特定施設 公共的施設のうち、障害者、高齢者等が安全かつ円滑に利用できるようにするための整備を促進することが特に必要な施設として規則で定めるものをいう。
 (県の責務)
第四条 県は、福祉のまちづくりに関する総合的な施策を策定し、及びこれを実施するものとする。
2 県は、自ら設置し、又は管理する施設について、障害者、高齢者等が安全かつ円滑に利用できるよう整備に努めるものとする。

 (市町村の責務)

第五条 市町村は、県の施策と相まって、当該市町村の実情に応じた福祉のまちづくりに関する施策を策定し、及びこれを実施するものとする。

 (事業者の責務)

第六条 事業者は、その事業の用に供する施設及び物品並びに提供するサービスを障害者、高齢者等が安全かつ円滑に利用できるよう努めるとともに、県及び市町村が実施する福祉のまちづくりに関する施策に協力するものとする。

 (県民の役割)

第七条 県民は、福祉のまちづくりについて理解を深め、自ら福祉のまちづくりに努めるとともに、県及び市町村が実施する福祉のまちづくりに関する施策に協力するものとする。 2 県民は、障害者、高齢者等が安全かつ円滑に利用できるように整備された施設の利用の妨げとなる行為をしてはならない。

 (総合的推進)

第八条 県は、市町村、事業者及び県民と連携して福祉のまちづくりを推進するために必要な体制を整備するものとする。
2 県、市町村及び事業者は、市街地開発事業その他の事業の実施の機会を捉えて、福祉のまちづくりを積極的に推進するよう努めるものとする。

  第二章 福祉のまちづくりに関する施策(第九条〜第十九条)

 (施策の基本方針)

第九条 県は、次に掲げる基本方針に基づき、福祉のまちづくりに関する施策を実施するものとする。
  • 一 県民一人一人が福祉のまちづくりに関して理解を深め、県民総参加の下に福祉のまちづくりに取り組むことができるよう、県民意識の高揚を図ること。
  • 二 障害者、高齢者等をはじめすべての県民が安全かつ円滑に利用できる施設等の整備の促進を図ること。
  • 三 障害者、高齢者等の積極的な社会参加の促進を図ること。
 (啓発活動)
第十条 県は、福祉のまちづくりに関して、事業者及び県民の理解を深めるとともに、その自主的な取組みを促進するため、広報その他の啓発活動を行うものとする。

 (情報の収集及び提供)

第十一条 県は、福祉のまちづくりを推進するために必要な情報の収集及び提供に努めるものとする。

 (教育及び学習機会の提供)

第十二条 県は、児童及び生徒が、障害者、高齢者等に対する理解を深めるとともに、すべての人に対する思いやりの心を育むことができるよう、福祉に関する教育の充実に努めるものとする。
2 県は、事業者及び県民が、福祉のまちづくりに関する学習に取り組むことができるよう、その機会の提供に努めるものとする。

 (ボランティア活動の促進)

第十三条 県は、県民の福祉のまちづくりに関するボランティア活動を支援するため、ボランティアに関する情報の提供、指導者の養成その他必要な施策を講ずるよう努めるものとする。

 (安全な生活の確保)

第十四条 県は、障害者、高齢者等が安全に日常生活及び社会生活を営むことができるよう、防犯、防災、交通安全の確保その他必要な施策を講ずるよう努めるものとする。

 (相談への対応)

第十五条 県は、障害者、高齢者等の社会参加に関する相談に適切に対応するため、必要な施策を講ずるよう努めるものとする。

 (障害者教育の充実)

第十六条 県は、障害者がその年齢、能力並びに障害の種類及び程度に応じ、適切な教育が受けられるようにするため、教育の内容及び方法の充実その他必要な施策を講ずるよう努めるものとする。

 (文化活動等の機会の確保)

第十七条 県は、障害者、高齢者等が積極的に文化、スポーツ、レクリエーション及びボランティアに関する活動に参加することができるようにするため、その機会の確保その他必要な施策を講ずるよう努めるものとする。

 (就業機会の確保等)

第十八条 県は、障害者、高齢者等がその意欲及び能力に応じて就業する機会が確保されるよう、職業能力の開発その他必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
2 事業者は、障害者、高齢者等の就業の機会の確保を図るよう努めるとともに、その雇用する障害者、高齢者等に配慮した職場環境の整備に努めるものとする。

 (財政上の措置)

第十九条 県は、福祉のまちづくりに関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

  第三章 公共的施設の整備等

  第一節 公共的施設の整備(第二十条〜第二十三条)

 (整備基準)

第二十条 知事は、公共的施設の構造及び設備に関し、障害者、高齢者等が安全かつ円滑に利用できるようにするために必要な基準(以下「整備基準」という。)を定めるものとする。
2 整備基準は、出入口、廊下、階段、昇降機、便所、駐車場、歩道その他の不特定かつ多数の者の利用に供するもの(以下「公共的部分」という。)について、公共的施設の種類の区分に応じて規則で定める。

 (整備基準への適合)

第二十一条 公共的施設を所有し、又は管理する者は、当該公共的施設を整備基準に適合させるよう努めなければならない。

 (維持保全)

第二十二条 公共的施設を所有し、又は管理する者は、当該公共的施設について、整備基準に適合している部分の機能を維持するよう努めなければならない。

 (適合証の交付)

第二十三条 整備基準に適合している公共的施設を所有し、又は管理する者は、規則で定めるところにより、知事に対し、当該公共的施設が整備基準に適合していることを証する証票(以下「適合証」という。)の交付を請求することができる。
2 知事は、前項の請求があった場合において、当該公共的施設が整備基準に適合していると認めるときは、当該請求をした者に対し、適合証を交付するものとする。
3 知事は、第一項の請求があった場合において、必要があると認めるときは、その職員に、当該請求に係る公共的施設の整備基準への適合状況について検査させることができる。

  第二節 特定施設の整備(第二十四条〜第三十一条)

 (新築等の届出)

第二十四条 特定施設の新築若しくは新設又は公共的部分の増築、改築、用途の変更(施設の用途を変更して公共的施設とする場合を含む。)、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第十四号に規定する大規模の修繕若しくは同条第十五号に規定する大規模の模様替(以下「新築等」という。)をしようとする者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出をした者は、当該届出の内容を変更(規則で定める軽微な変更を除く。)しようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。

 (指導及び助言)

第二十五条 知事は、前条の規定による届出があった場合において、当該届出に係る特定施設が整備基準に適合しないと認めるときは、当該届出をした者に対し、必要な指導及び助言をすることができる。

 (工事完了の届出)

第二十六条 第二十四条の規定による届出をした者は、当該届出に係る工事が完了したときは、規則で定めるところにより、速やかに知事に届け出なければならない。

 (勧告)

第二十七条 知事は、第二十四条の規定による届出を行わずに、特定施設の新築等の工事に着手した者に対し、当該届出を行うよう勧告することができる。
2 知事は、特定施設の新築等をしようとする者(新築等の工事に着手した者を含む。以下この項において同じ。)が行う特定施設の新築等の内容が整備基準に照らして著しく不十分であると認めときは、当該新築等をしようとする者に対し、当該特定施設を整備基準に適合させることその他必要な措置を講ずることを勧告することができる。

 (公表)

第二十八条 知事は、前条第一項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、勧告の内容その他規則で定める事項を公表することができる。
2 知事は、前項の規定により公表しようとするときは、当該勧告を受けた者に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。

 (報告の徴収等)

第二十九条 知事は、特に必要があると認めるときは、特定施設の新築等をし、又は特定施設を所有し、若しくは管理する者に対し 、当該特定施設の整備基準への適合状況その他必要な事項について報告を求め、又は必要な指導及び助言をすることができる。

 (立入調査)

第三十条 知事は、この節の規定の施行に必要な限度において、その職員に、特定施設又は特定施設の工事現場に立ち入り、当該特定施設の整備基準への適合状況について調査させ、又は関係人に質問させることができる。
2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

 (国等に関する特例)

第三十一条 国、地方公共団体その他規則で定める者については、第二十四条から前条までの規定は通用しない。
2 知事は、国、他の地方公共団体その他規則で定める者(次項において「国等」という。)に対し、その所有し、又は管理する特適合状況その他必要と認める事項について、報告を求めることができる。
3 知事は、前項の規定による報告があった場合において、必要があると認めるときは、当該報告をした国等に対し、必要な要請を行うことができる。

  第三節 公共車両等及び住宅(第三十二条・第三十三条)

 (公共車両等)

第三十二条 旅客の用に供する鉄道の車両、自動車及び船舶で規則で定めるもの(以下この条において「公共車両等」という。)を所有し、又は管理する者は、当該公共車両等を障害者、高齢者等が安全かつ円滑に利用できるよう努めるものとする。

 (住宅)

第三十三条 県民は、その所有する住宅について、居住者が将来にわたり安全かつ快適に生活することができるよう努めるものとする。
2 住宅を供給する事業者は、障害者、高齢者等が安全かつ快適に生活できるよう配慮された住宅の供給に努めるものとする。

   第四章 雑則(第三十四条)

 (規則への委任)

第三十四条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

    附 則

 (施行期日)

1 この条例は、平成十年四月一日から施行する。ただし、第三章の規定は、平成十一年四月一日から施行する。

 (経過措置)

2 第三章の規定の施行の際現に新築等の工事に着手している公共的施設については、第二十四条から第二十八条までの規定は適用しない。