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東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例(昭和五十三年七月十四日 条例第六四号)

 (目的)
第一条 この条例は、中高層建築物の建築に係る計画の事前公開並びに紛争のあっせん及び調整に関し必要な事項を定めることにより、良好な近隣関係を保持し、もって地域における健全な生活環境の維持及び向上に資することを目的とする。                      

 (定義)                                
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それそれ当該各号に定めるところによる。                    
 一 中高層建築物 高さが十メ−トルを超える建築物(第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域(都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八条第一項第一号に掲げる第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域をいう。)にあっては、軒の高さが七メ−トルを超える建築物又は地階を除く階数が三以上の建築物)をいう。    
 二 紛争 中高層建築物の建築に伴って生ずる日照、通風及び採光の阻害、風害、電波障害等並びに工事中の騒音、振動等の周辺の生活環境に及ぼす影響に関する近隣関係住民と建築主との間の紛争をいう。   
 三 建築主 中高層建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。            
 四 近隣関係住民 次のイ又はロに掲げる者をいう。          
  イ 中高層建築物の敷地境界線からその高さの二倍の水平距離の範囲内にある土地又は建築物に関して権利を有する者及び当該範囲内に居住する者
  ロ 中高層建築物による電波障害の影響を著しく受けると認められる者                               

 (知事の責務)                             
第三条 知事は、紛争を未然に防止するよう努めるとともに、紛争が生じたときは、迅速かつ適正に調整するよう努めなければならない。

 (当事者の責務)
第四条 建築主は、紛争を未然に防止するため、中高層建築物の建築を計画するに当たっては、周辺の生活環境に及ぼす影響に十分配慮するとともに、良好な近隣関係を損なわないよう努めなければならない。
2 建築主及び近隣関係住民は、紛争が生じたときは、相互の立場を尊重し、互譲の精神をもって、自主的に解決するよう努めなければならない。

 (標識の設置等)
第五条 建築主は、中高層建築物を建築しようとするときは、近隣関係住民に建築に係る計画の周知を図るため、当該建築敷地の見やすい場所に東京都規則(以下「規則」という。)で定めるところにより、標識を設置しなければならない。
2 建築主は、前項の規定により標識を設置したときは、速やかにその旨を規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。

 (説明会の開催等)
第六条 建築主は、中高層建築物を建築しようとする場合において、近隣関係住民からの申出があったときは、建築に係る計画の内容について、説明会等の方法により、近隣関係住民に説明しなければならない。
2 知事は、必要があると認めるときは、建築主に対し、前項の規定により行った説明会等の内容について報告を求めることができる。

 (あっせん)
第七条 知事は、建築主と近隣関係住民の双方から紛争の調整の申出があったときは、あっせんを行う。
2 知事は、前項の規定にかかわらず、建築主又は近隣関係住民の一方から調整の申出があった場合において、相当な理由があると認めるときは、あっせんを行うことができる。
3 知事は、当事者間をあっせんし、双方の主張の要点を確かめ、紛争が解決されるよう努めなければならない。               

 (あっせんの打切り)                         
第八条 知事は、当該紛争について、あっせんによっては紛争の解決の見込みがないと認めるときは、あっせんを打ち切ることができる。    

 (調停)                               
第九条 知事は、前条の規定によりあっせんを打ち切った場合において、必要があると認めるときは、当事者に対し、調停に移行するよう勧告することができる。                         
2 知事は、前項に規定する勧告をした場合において、当事者の双方がその勧告を受諾したときは、調停を行う。               
3 知事は、前項の規定にかかわらず、当事者の一方が第一項に規定する勧告を受諾した場合において、相当な理由があると認めるときは、調停を行うことができる。
4 知事は、調停を行うに当たって必要があると認めるときは、調停案を作成し、当事者に対し、期間を定めてその受諾を勧告することができる。
5 知事は、調停を行うに当たっては、東京都建築紛争調停委員会(以下「調停委員会」という。)の意見を聴かなければならない。        

 (調停の打切り)                           
第十条 知事は、当事者間に合意が成立する見込みがないと認めるときは、調停を打ち切ることができる。                   
2 前条第四項の規定による勧告が行われた場合において、定められた期間内に当事者の双方から受諾する旨の申出がないときは、当該調停は打ち切られたものとみなす。                     

 (調停委員会)                            
第十一条 知事の附属機関として、調停委員会を置く。         
2 調停委員会は、第九条第五項の規定による知事の意見の求めに応じ、必要な調査審議を行い意見を述べるとともに、知事の諮問に応じて、紛争の予防と調整に関する重要事項について調査審議する。       
3 調停委員会は、法律、建築又は環境等の分野に関し優れた知識及び経験を有する者のうちから知事が委嘱する委員十五人以内をもって組織する。
4 委員の任期は、二年とし、再任されることを妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 調停委員会に会長を置き、委員の互選によって定める。
6 会長は、会務を総理し、調停委員会を代表する。
7 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。
8 調停委員会は、知事が招集する。
9 会議は、委員の半数以上の出席がなければ開くことができない。
10 会議の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
11 前二項の規定にかかわらず、第九条第五項の規定による調停委員会の意見は、会長が事案ごとに指名する三人以上の委員の合意によることができる。

 (出頭)
第十二条 知事は、あっせん又は調停のため必要があると認めるときは、当事者の出頭を求め、その意見を聴くことができる。

 (関係図書の提出)
第十三条 知事は、あっせん又は調停のため必要があると認めるときは、当事者に対し、関係図書の提出を求めることができる。

 (工事着手の延期等の要請)
第十四条 知事は、あっせん又は調停のため必要があると認めるときは、建築主に対して、期間を定めて工事の着手の延期又は工事の停止を要請することができる。

 (公表)
第十五条 知事は、第十二条の規定による出頭若しくは第十三条の規定よる関係図書の提出を求め、又は前条の規定による工事の着手の延期しくは工事の停止を要請した場合において、その求め又は要請を受け者がその求め又は要請に正当な理由がなく従わないときは、その旨を公表することができる。

 (委任)
第十六条 この条例に規定するものを除くほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

   附 則

1 この条例は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。
 (昭和五三年規則第一五八号で昭和五三年一〇月一二日から施行)

2 次に掲げる中高層建築物については、この条例は適用しない。
 一 特別区の存する区域内の中高層建築物で、その新築、改築又は増築に関して、法律並びにこれに基づく命令及び東京都条例の規定による知事の許可を必要としないもののうち、延べ面積が一万平方メートル以下のもの
 二 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第四条第一項又は第二項の規定により建築主事を置く市の区域内の中高層建築物

   附 則

1 この条例は、平成十二年四月一日から施行する。

2 この条例の施行前にこの条例による改正前の東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例第七条第一項又は第二項の規定による申出があった中高層建築物については、なお従前の例による。

(注) 原文は、縦書きである。