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福岡市福祉のまちづくり条例(平成10年3月30日条例第9号)

目次
 第1章 総則(第1条―第9条)
 第2章 基本的な市の施策(第10条―第14条)
 第3章 市民福祉の推進
  第1節 市民の自立(第15条―第18条)
  第2節 地域福祉の推進(第19条―第22条)
  第3節 ボランティア活動の促進(第23条・第24条)
 第4章 対象施設等の整備
  第1節 対象施設の整備(第25条―第36条)
  第2節 公共車両等及び住宅の整備(第37条・第38条)
 第5章 雑則(第39条)
 附則

   第1章 総則
 (目的)
第1条 この条例は,すべての市民が一人の人間として尊重され,地域社会において相互に支え合い,生きがいのある生活が保障され,様々な社会活動に参加することができる福祉のまちづくりについて,基本理念並びに市民,事業者及び市それぞれの責務を明らかにするとともに,多数の者が利用する施設の整備に関する基本的な事項を定めることにより,福祉のまちづくりを総合的かつ計画的に推進し,もって優しさに満ちた健やかでやすらぎのある福祉社会の実現に資することを目的とする。

 (基本理念)
第2条 福祉のまちづくりは,市民が自立し,及び相互に連携して支え合うという精神のもとに,次の各号に掲げる社会の実現を目指すことを基本理念として行うものとする。

 (定義)
第3条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

 (市民の責務)
第4条 市民は,福祉のまちづくりに関する理解を深めるとともに,福祉のまちづくりに寄与する活動に積極的に参加し,及び当該活動においてその有する能力を発揮することにより,福祉のまちづくりの推進に努めなければならない。
2 市民は,高齢者,障害者等に対して,安全かつ快適に日常生活又は社会生活を送るための協力を行うよう努めなければならない。

 (事業者の責務)
第5条 事業者は,地域社会を構成する一員として,その果たすべき役割を認識し,積極的に福祉のまちづくりの推進に努めなければならない。
2 事業者は,自ら所有し,又は管理する対象施設及び公共車両等を,高齢者,障害者等が安全かつ円滑に利用できるようにするために,これらの整備その他必要な措置を講じるよう努めなければならない。

 (市の責務)
第6条 市は,この条例の趣旨にのっとり,福祉のまちづくりに関する施策を策定し,及び実施する責務を有する。
2 市は,自ら所有し,又は管理する対象施設及び公共車両等を,高齢者,障害者等が安全かつ円滑に利用できるようにするために,これらの整備その他必要な措置を講じるよう努めなければならない。

 (総合的推進)
第7条 市民,事業者及び市は,福祉のまちづくりに関するそれぞれの責務を自覚するとともに,相互に協力し,一体となって福祉のまちづくりの推進を図るものとする。
2 市は,市民及び事業者と連携し,福祉のまちづくりを推進する体制を整備するものとする。

 (地方公共団体間の協力の推進)
第8条 市は,福祉のまちづくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進するため,近隣の地方公共団体との必要な連携を図るとともに,近隣の地方公共団体に対し,情報の提供その他の必要な協力を行うものとする。

 (国際的協力の推進)
第9条 市民,事業者及び市は,福祉のまちづくりに関して,アジアその他の地域の都市又は国際的に福祉活動を行う団体への情報の提供その他の協力に努めるものとする。

   第2章 基本的な市の施策

 (基本計画の策定等)
第10条 市長は,福祉のまちづくりに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため,福祉のまちづくりに関する基本となる計画(以下「基本計画」という。)を定めるものとする。
2 市長は,基本計画を定め,又は変更したときは,速やかにこれを公表しなければならない。

 (市民の理解)
第11条 市は,市民の福祉のまちづくりに関する正しい理解を深め,福祉のまちづくりに積極的に参加しようとする意欲を高めるよう必要な施策を実施するものとする。
2 市は,福祉のまちづくりに関する情報の収集並びに調査及び研究を行うとともに,その情報を市民及び事業者に積極的に提供するよう努めるものとする。

 (福祉教育の推進)
第12条 市は,高齢者,障害者等に対する理解と思いやりのあるこどもを育成するため,福祉教育の推進に努めるものとする。

 (人材育成)
第13条 市は,社会福祉事業に携わる者の専門的,技術的能力その他の資質の向上を図るため,必要な措置を講じるよう努めるものとする。

 (表彰)
第14条 市長は,福祉のまちづくりの推進に関して功績のあった者に対し,規則で定めるところにより,表彰を行うことができる。

   第3章 市民福祉の推進

    第1節 市民の自立
 (健康の増進)
第15条 市民は,生涯にわたって自らの健康の保持増進に努めるものとする。
2 事業者は,その事業のために雇用している勤労者の健康の保持増進に努めるものとする。
3 市は,市民の健康の保持増進のため,保健,医療及び福祉に関する施策相互を有機的に連携させるとともに,これらの施策を総合的かつ計画的に講じるものとする。

 (こどもの育成)
第16条 市民,事業者及び市は,こどもの心身ともに健やかな成長を図るため,母性の保護,子育ての支援及び家庭教育の環境の整備に努めるものとする。

 (生涯学習の推進)
第17条 市民は,生きがいのある豊かな生活を営むため,生涯にわたって学習するよう自主的に努めるものとする。
2 市は,市民が生涯にわたって学習する機会を確保するため,学習環境その他の条件の整備に努めるものとする。

 (就労の確保)
第18条 事業者は,障害者及び高齢者に対し,就労の機会を提供するよう努めるものとする。
2 市は,障害者及び高齢者の就労の機会を確保するため,事業者に対する広報,啓発その他必要な施策を講じるものとする。

    第2節 地域福祉の推進
 (地域福祉の推進)
第19条 地域の福祉の増進に寄与する関係団体及び個人は,地域社会で相互に尊重し,支え合い,連携して福祉の向上を図るものとする。
2 市民,事業者及び市は,前項の団体及び個人と連携して,健やかでやすらぎのある地域社会を構築するよう努めるものとする。

 (安全な生活の確保)
第20条 市民,事業者及び市は,災害が発生したときその他緊急時において,地域住民が相互に助け合うことができる地域づくりに努めるものとする。
2 市は,高齢者,障害者等が安全に生活を営むことができるようにするため,防災,交通の安全の確保等に関し,必要な施策を講じるものとする。

 (相互理解の促進)
第21条 市民,事業者及び市は,地域住民の相互理解を促進するため,交流の機会の確保に努めるものとする。

 (施設の提供)
第22条 事業者及び市は,自らが所有し,又は管理する施設を地域福祉の推進のための利用に供するよう努めるものとする。

    第3節 ボランティア活動の促進
 (ボランティア活動への参加)
第23条 市民及び事業者は,自らの能力を活かし,自主的にボランティア活動に参加するよう努めるものとする。
 (ボランティア活動への支援)
第24条 事業者は,その事業のために雇用している勤労者が,積極的にボランティア活動に参加することができるよう必要な条件の整備に努めるものとする。
2 市は,市民及び事業者によるボランティア活動を促進するため,ボランティア活動に関する情報の提供,助言,指導者の育成その他の必要な支援を行うものとする。

   第4章 対象施設等の整備

    第1節 対象施設の整備
 (整備基準等)
第25条 市長は,高齢者,障害者等が対象施設を安全かつ円滑に利用できるようにするための公共的利用部分の構造及び設備に関する基準(以下「整備基準」という。)を定めるものとする。
2 市長は,整備基準のほか,高齢者,障害者等が整備基準により確保される水準よりも高度な水準で対象施設を安全かつ円滑に利用できるようにするための公共的利用部分の構造及び設備に関する基準を定めることができる。
3 整備基準及び前項の基準は,対象施設の種類及び規模ごとに規則で定める。

 (整備基準の遵守)
第26条 対象施設の新設又は改修(対象施設が建築物である場合にあっては,増築,改築,建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第14号に規定する大規模の修繕若しくは同条第15号に規定する大規模の模様替をいい,対象施設の全部又は一部を別種の対象施設とする用途の変更を含む。以下同じ。)を行おうとする者(改修を行うことにより対象施設に該当することとなる施設の当該改修を行おうとする者を含む。)は,当該新設又は改修後の対象施設を整備基準に適合させなければならない。
2 前項の規定は,新設若しくは改修後の対象施設が整備基準に適合している場合と同等以上に高齢者,障害者等が安全かつ円滑に利用できるものであると市長が認める場合又は対象施設の規模,構造,利用の目的若しくは対象施設の敷地若しくはその周辺の土地の形状その他の事情により当該対象施設を整備基準に適合させることが著しく困難であると市長が認める場合については,適用しない。

 (既存施設の整備)
第27条 この条例又はこの条例に基づく規則の規定の施行又は適用の際,現に存する対象施設を所有し,若しくは管理する者又は現に対象施設の新設若しくは改修を行っている者は,当該対象施設を整備基準に適合させるよう努めなければならない。

 (維持保全)
第28条 対象施設を所有し,又は管理する者(以下「対象施設の所有者等」という。)は,第26条第1項又は前条の規定により整備基準に適合させた対象施設を引き続き当該整備基準に適合した状態に維持し,保全するよう努めなければならない。
2 市長は,前項の対象施設について,公共的利用部分の構造又は設備に関して高齢者,障害者等が安全かつ円滑に利用できるようにするための措置を講じる必要があると認めるときは,当該対象施設の所有者等に対し,必要な指導又は助言を行うことができる。

 (事前協議)
第29条 対象施設のうち規則で定める種類及び規模に該当する施設(以下「特定施設」という。)の新設又は改修を行おうとする者(改修を行うことにより特定施設に該当することとなる施設の当該改修を行おうとする者を含み,改修を行うことにより特定施設に該当しないこととなる特定施設の当該改修を行おうとする者を除く。以下「特定整備主」という。)は,新設又は改修を行おうとする特定施設及びその工事の内容について,規則で定めるところにより,あらかじめ市長と協議しなければならない。これらの事項について内容の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときも,また同様とする。
2 前項の規定による協議(以下「事前協議」という。)は,規則で定める日までに開始しなければならない。
3 市長は,特定整備主が計画する特定施設の公共的利用部分の構造及び設備が,整備基準に適合しないこととなると認めるときは,その特定整備主に対し,必要な指導又は助言を行うことができる。

 (工事完了の届出及び完了検査)
第30条 特定整備主は,特定施設の新設又は改修の工事を完了したときは,規則で定めるところにより,速やかに市長にその旨を届け出て,特定施設の公共的利用部分の構造及び設備に関し,市長の検査を受けなければならない。
2 市長は,前項の検査の結果,当該検査に係る特定施設が整備基準に適合していないと認めるときは,特定整備主に対し,必要な指導又は助言を行うことができる。

 (適合証の交付)
第31条 市長は,前条第1項の検査の結果当該検査に係る特定施設が整備基準に適合していると認めるときは,同項の規定による届出をした者に対し,当該特定施設が整備基準に適合することを証する証票(以下「適合証」という。)を交付するものとする。
2 前項に定める場合を除くほか,対象施設の所有者等は,当該対象施設を整備基準に適合させたときは,規則で定めるところにより,市長に対し,適合証の交付を請求することができる。
3 市長は,前項の規定による請求があった場合において,当該対象施設が整備基準に適合していると認めるときは,当該請求をした者に対し,適合証を交付するものとする。
4 市長は,交付した適合証に係る対象施設が整備基準に適合しないこととなったときは,適合証の交付を受けた当該対象施設の所有者等に対し,適合証の返還を命じることができる。

 (勧告)
第32条 市長は,特定整備主が第29条第2項に規定する日までに事前協議を開始しなかったときは,当該特定整備主に対し,直ちに事前協議を開始するよう勧告することができる。
2 市長は,特定整備主が第30条第1項の規定による届出を行わなかったときは,当該特定整備主に対し,直ちに当該届出を行うよう勧告することができる。
3 市長は,第29条第3項又は第30条第2項に規定する指導又は助言を受けた特定整備主がその指導又は助言に正当な理由がなく従わなかったときは,当該特定整備主に対し,その指導又は助言に従うよう勧告することができる。

 (立入調査等)
第33条 市長は,第26条及び第28条から前条までの規定を施行するために必要な限度において,対象施設の所有者等又は特定整備主に対し,対象施設が整備基準に適合するように設計され,工事され,又は維持され,保全されているかどうかについて,報告若しくは資料の提出を求め,又は職員に対象施設に立ち入らせ,及び調査させることができる。
2 前項の規定により立入調査をする職員は,その身分を示す証明書を携帯し,対象施設の所有者等又は特定整備主の請求があったときは,これを提示しなければならない。

 (国等に関する特例)
第34条 国,地方公共団体その他規則で定める者(以下「国等」という。)については,第29条,第30条,第31条第1項及び第32条の規定は,適用しない。
2 国等は,特定施設の新設又は改修を行おうとするとき(改修を行うことにより特定施設に該当することとなる施設の当該改修を行おうとするときを含み,改修を行うことにより特定施設に該当しないこととなる特定施設の当該改修を行おうとするときを除く。)は,その工事に着手する前に,規則で定めるところにより,市長に通知しなければならない。

 (対象施設の総合的整備)
第35条 土地区画整理事業,市街地再開発事業,一団地の住宅施設その他の市街地の整備に関する事業の施行者は,その事業の施行区域の全体を高齢者,障害者等が安全かつ円滑に利用できるように,対象施設相互の連続性に配慮して,総合的に整備しなければならない。

 (福祉に配慮した設計者等の育成)
第36条 市長は,福祉のまちづくりに配慮した対象施設の企画,設計及び工事の施工に携わる技術者を育成するよう努めるものとする。

    第2節 公共車両等及び住宅の整備
 (公共車両等の整備)
第37条 公共車両等を所有し,又は管理する者は,当該公共車両等を高齢者,障害者等が安全かつ円滑に利用できるようにするための整備を行うよう努めるものとする。

 (住宅の整備)
第38条 市長は,住宅(共同住宅の公共的利用部分を除く。)について,高齢者,障害者等が安全かつ快適に生活できるようにするための構造及び設備に関する指針を定め,当該指針に沿った住宅の普及に努めるものとする。

   第5章 雑則
 (委任)
第39条 この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。

   附 則
 この条例は,平成10年4月1日から施行する。ただし,第3条第2号から第4号まで,第5条第2項,第6条第2項,第14条及び第4章の規定は,規則で定める日から施行する。
     (平成10年規則第92号により附則ただし書に規定する規定は,平成11年4月1日から施行)