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栃木県ひとにやさしいまちづくり条例(平成11年10月14日栃木県条例第25号)

   第1章 総則

 (目的)
第1条 この条例は、すべての県民が個人として尊重され、あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されることがまちづくりに重要であることにかんがみ、高齢者及び障害者等の日常生活又は社会生活における行動に制限を受ける者(以下「高齢者、障害者等」という。)を含むすべての県民が安全で快適な日常生活を営むとともに、積極的に社会参加ができるような生活環境の整備(以下「ひとにやさしいまちづくり」という。)について、県、市町村、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、ひとにやさしいまちづくりに関する基本方針を定めること等により、ひとにやさしいまちづくりの推進を図り、もって県民の福址の増進に資することを目的とする。

 (定義)     
第2条 この条例において「公共的施設」とは、病院、劇場、集会場、百貨店、官公庁の庁舎、公園、道路、公共交通機関の施設その他の不特定かつ多数の者が利用する施設及びこれに準ずる施設で規則で定めるもの並びにこれらに付帯する施設をいう。
2 この条例において「公共車両等」とは、一般旅客の用に供する鉄道の車両、自動車及び船舶をいう。

 (県の責務)                 
第3条 県は、ひとにやさしいまちづくりに関する総合的な施策を策定し、及びこれを実施するものとする。
2 県は、自ら設置し、又は管理する公共的施設を高齢者、障害者等が円滑に利用できるようにするとともに、ひとにやさしいまちづくりに関する施策の実施に当たっては、市町村との緊密な連携を保つように努めるものとする。

 (市町村の責務)
第4条 市町村は、県の施策と相まって、当該市町村の実情に応じて、ひとにやさしいまちづくりに関する施策を策定し、及びこれを実施するものとする。
2 市町村は、自ら役置し、又は管理する公共的施設を高齢者、障害者等が円滑に利用できるようにするとともに、ひとにやさしいまちづくりに関する施策の実施に当たって、県との緊密な連携を保つように努めるものとする。

 (県民の責務)
第5条 県民は、ひとにやさしいまちづくりに関し、理解を深めるとともに、県及び市町村が実施するひとにやさしいまちづくりに関する施策に協力するものとする。
2 県民は、高齢者、障害者等が円滑に利用できるよう配慮して整備された公共的施設及び公共車両等の利用の妨げとなる行為をしてはならない。         

 (事業者の責務)
第6条 事業者は、その事業の実施に当たって、ひとにやさしいまちづくりに積極的に取り組むとともに、県及び市町村が実施するひとにやさしいまちづくりに関する施策に協力するものとする。 
2 公共的施設を設置し、若しくは管理する事業者又は公共車両等を所有し、若しくは管理する事業者は、当該公共的施設又は公共車両等について、高齢者、障害者等が円滑に利用できるように配慮するものとする。

   第2章 ひとにやさしいまちづくりに関する施策

 (施策の基本方針)
第7条 県は、次に掲げる基本方針に基づき、ひとにやさしいまちづくりに関する施策を実施するものとする。
 (1) すべての県民がひとにやさしいまちづくりに関する理解を深め、自主的かつ積極的にひとにやさしいまちづくりに取り組むように意識の高揚を図ること。
 (2) 高齢者、障害者等が円滑に利用できるように公共的施設等の整備を促進すること。
 (3) 県、市町村、県民及び事業者が連携してひとにやさしいまちづくりを推進すること。

 (情報の提供)
第8条 県は、ひとにやさしいまちづくりに関し、県民及び事業者の理解を深め、自発的な活動を促進するため、適切な情報の提供に努めるものとする。

 (福祉教育の充実等)
第9条 県は、高齢者、障害者等に対する県民の理解を務め、思いやりのある心をはぐくむため、高齢者、障害者等の福祉に関する教育の充実及び学習の機会の提供に努めるものとする。                       

 (保健福祉に関するサービスの効果的提供)
第10条 県は、高齢者、障害者等が住み慣れた地域において安心して自立した日常生活を営み、及び社会参加をするために必要な保健福祉に関するサービスが効果的に提供されるように必要な施策の推進に努めるものとする。

 (堆進体制の整備)
第11条 県は、県、市町村、県民及び事業者が一体となってひとにやさしいまちづくりを推進する体制を整備するものとする。

 (表彰)
第12条 知事は、人にやさしいまちづくりの推進に関して著しい功績があると認められる者又は人にやさしいまちづくりの模範となる公共的施設等を整備した者を表彰することができる。

 (財政上の措置)
第13条 県は、人にやさしいまちづくりを推進するために、必要な財政上の措置を講ずるように努めるものとする。

   第3章 公共的施設等の整備
    第1節 公共的施設の整備

 (公共的施設の整備基準)
第14条 知事は、公共的施設の構造及び設備の整備に関し、高齢者、障害者等が円滑に利用できるようにするために必要な基準(以下「整備基準」という。)を定めるものとする。
2 整備基準は、出入口、廊下、階段、昇降機、便所、駐車場その他の知事が必要と認めるものについて、公共的施設区分に応じて規則で定めるものとする。

 (整備基準の遵守)
第15条 公共的施設の新築、増築、改築、移転、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第14号に規定する大規模の修繕又は同条第15号に規定する大規模の模様替え(以下「新築等」という。)をしようとする者(施設の用途を変更して公共的施設としようとする者を含む。)は、整備基準を遵守しなければならない。ただし、地形又は敷地の状況、建築物の構造、沿道の利用の状況、事業者の負担の程度その他やむを得ない理由により、整備基準による整備が困難であると知事が認める場合は、この限りでない。

 (特定施設の新築等の届出)
第16条 公共的施設のうち規則で定める施設(以下「特定施設」という。)の新築等をしようとする者は、あらかじめ規則で定めるところにより、その旨を知事に届出なければならない。

 (指導又は助言)
第17条 知事は前条の規定による届出があった場合において、当該届出に係る特定施設が整備基準に適合しないと認めるときは、当該届出をした者に対し、必要な指導又は助言をしなければならない。

 (工事完了の届出)
第18条 第16条の規定による届出をした者は、当該届出に係る工事を完了したときは、速やかに、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。

 (検査)              ’        ̄
第19条 知事は、前条の規定による届出があったときは,当該届出に係る特定施投の整備基準への適合の状況について検査を行うものとする。

 (民有の特定施設に係る措置)
第20条 この章の規定の施行の際現に存する特定施設(現に新築等の工事中のものを含む。)を設置し、又は管理する者は、当該特定施設について、整備基準に適合するように努めなければならない。

 (適合証の交付)
第21条 特定施設を設置し、又は管理する者は、当該特定施設を整備基準に適合させているときは、規則で定めるところにより、知事に対し、整備基準に適合していることを証する証票(以下「適合証」という。)の交付を請求することができる。
2 知事は、前項の規定による請求があった場合において、当該特定施設が整備基準に適合していると認めるときは、当該請求をした者に対し、適合証を交付するものとする.

 (勧告)
第22条 知事は、特定施設の新築等をしようとする者が第16条の規定による届出を行わずに当該特定施設の新築等の工事に着手したときは、その者に対し、当該届出を行うべきことを勧告することができる。
2 知事は、第16条の規定による届出をした者が当該届出に係る特定施設の新築等の内容と異なる工事を行ったときは、その者に村し、当該内容の工事を行うことその他必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

 (公表)
第23条 知事は、前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わないときは、当該勧告の内容その他規則で定める事項を公表することができる。この場合において、知事は、あらかじめ、当該勧告を受けた者に対し、公表の理由を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。

 (立入調査等)
第24条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、特定施設を設置し、又は管埋する者に対し報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に当該特定施設に立ち入り、当該特定施設の整備基準への適合の状況について調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。                   ‘
2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

    第2節 公共車両等の整備

第25条 公共車両等を所有し、又は管理する者(以下「公共車両等の所有者等」という。)は、その所有し、又は管理する公共車両等について、高齢者、障害者等が円滑に利用できるように努めなければならない。
2 知事は、公共車両等の整備を促進するため特に必要があると認めるときは、公共車両等の所有者等に対し、当該公共車両等の整備の状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
3 知事は、前項の規定による報告があったときは、公共車両等の所有者等に対し、必要な指導又は助言を行うことができる.

    第3節 住宅等の整備

第26条 県民は、その所有する住宅について、居住する者が身体の機能の状況の変化に応じて安全かつ快適な生活ができるようにその整備に努めるものとする。
2 県民は、その居住する地域において、高齢者、障害者等に配慮した住環境の整備及び維持に努めるものとする。
3 住宅を供給する事業者は、高齢者、障害者等が安全かつ快適な生活ができるように配慮された住宅及び住環境が整備された住宅団地等の供給に努めるものとする。

   第4章 雑則

 (国等に関する特例)
第27条 第16条から第19条まで、第22条から第24条まで並びに第25条第2項及び第3項の規定は、国、地方公共団体その他規則で定める者(以下「国等」という。)については、適用しない。
2 知事は、国等に対し、特定施設及び公共車両等の整備の状況その他必要な事項について報告を求めることができる。

 (条例の適用除外)
第28条 公共的施設の整備に関し、市町村の条例によりこの条例の規定による整備と同等以上の整備が図られれると知事が認めるときは、当該市町村の区域における公共的施設の整備については、第3章第1節の規定の全部又は一部を適用しないことができる。

 (規則への委任)
第29条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

   附 則

 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第3章、第27条及び第28条の規定は、平成12年10月1日から施行する。