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北海道職員の公務員倫理に関する条例

目次
 前文
 第一章 総則(第一条─第十条)
 第二章 公務員倫理保持のための原則及び公務員倫理規則等(第十一条・第十二条)
 第三章 贈与等の報告等及び公開(第十三条─第十六条)
 第四章 公務員倫理の保持に関する人事委員会の権限(第十七条)
 第五章 公務員倫理を監督する職員(第十八条)
 第六章 雑則(第十九条─第二十二条)
 附則

 すべて公務員は、全体の奉仕者として公共の利益のために全力を挙げて職務に専念する義務を負い、地域住民の福祉の増進を図る使命を有している。
 しかしながら、道においては、不正な予算執行などにより道民の道行政に対する信頼を損ねる事態を招くに至った。
 職員は、この事態を深く反省し、再びこのようなことが生ずることのないよう、公務員倫理の高揚に努めるとともに、一層その職務に専念することにより、道民との信頼関係を築き上げていかなければならない。
 このようなことから、職員の公務員としての自覚を促し、公務に対する信頼の確保を図り、道行政の健全な発展に資するため、この条例を制定する。

   第一章 総則

 (目的)
第一条 この条例は、職員が職務を遂行するに当たって、常に自覚しなければならない公務員倫理の確立及び保持に関し必要な事項を定めることにより、道民の不信を招くような行為を防止し、もって公務に対する信頼の確保を図ることを目的とする。

 (定義等)
第二条 この条例において「職員」とは、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第三条第二項に規定する一般職に属する職員及び同条第三項に規定する特別職に属する職員(議会の議員を除く。以下「特別職職員」という。)をいう。
2 この条例において「任命権者」とは、地方公務員法第六条第一項に規定する任命権者(同条第二項の規定により権限を委任された者及び特別職職員を選任し、又は任命した者を含む。)をいう。
3 この条例において「管理職員」とは、北海道職員の給与に関する条例(昭和二十七年北海道条例第七十五号)第十七条の二第一項、北海道学校職員の給与に関する条例(昭和二十七年北海道条例第七十八号)第十条の三第一項、北海道地方警察職員の給与に関する条例(昭和二十九年北海道条例第三十四号)第十九条の二第一項及び北海 道企業職員の給与の種類及び基準に関する条例(昭和四十一年北海道条例第六十五号)第三条の二に規定する管理 職員(教育長を含み、規則で定める者を除く。)をいう。
4 この条例において「部長級の職員」とは、北海道部設置条例(昭和二十七年北海道条例第九十一号)に規定する部の長その他規則で定める職の職員をいう。
5 この条例において「事業者等」とは、法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む。)その他の団体及び事業を行う個人(当該事業の利益のためにする行為を行う場合における個人に限る。)をいう。
6 この条例の規定の適用については、事業者等の利益のためにする行為を行う場合における役員、従業員、代理人その他の者は、前項の事業者等とみなす。

 (公務員倫理の高揚)
第三条 職員は、自らの行動が常に公務の信用に影響を及ぼすことを深く認識し、自らを厳しく律するとともに、道民から信頼される職員となるよう不断に公務員としての倫理の高揚に努めなければならない。       

 (全体の奉仕者であることの自覚)
第四条 職員は、すべて公務員は全体の奉仕者であって一部の奉仕者でないことを深く自覚し、道民の福祉の増進を目指して職務の遂行に努めなければならない。

 (公務の民主的かつ能率的な運営の確保)
第五条 職員は、公務が民主的かつ能率的に運営されるよう職務の遂行に努めなければならない。 

 (法令の遵守と信用の保持)
第六条 職員は、法令を遵守し、公務員の職の信用を損なうことのないよう努めなければならない。

 (服務上の義務の遵守)
第七条 職員は、関係法令に規定する服務上の義務を遵守しなければならない。

 (管理監督者の責務)
第八条 管理監督の立場にある者は、その職責の重要性を自覚し、部下職員を適切に指導監督しなければならない。

 (任命権者の責務)
第九条 任命権者は、公務員倫理の確立に資するよう、研修の実施、職員の遵守すべき事項を定めることその他の必要な措置を講じなければならない。

 (議会報告)
第十条 知事は、毎年、議会に、職員の公務員倫理の確立及び保持に関する状況並びに職員の公務員倫理の確立及び保持に関して講じた施策(第十二条第一項の公務員倫理規則の制定又は改廃を含む。)について、報告するものとする。

   第二章 公務員倫理保持のための原則及び公務員倫理規則等

 (公務員倫理保持のため職員が遵守すべき原則)
第十一条 職員は、職務上知り得た情報について道民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等道民に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たらなければならない。
2 職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務や地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならない。
3 職員は、法律又は条例により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者からの贈与等を受けること等の道民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない。

 (公務員倫理規則等)
第十二条 知事は、前条に掲げる原則を踏まえ、職員(規則で定める者を除く。以下同じ。)の公務員倫理の保持を図るために必要な事項に関する規則(以下「公務員倫理規則」という。)を定めるものとする。この場合において、公務員倫理規則には、職員の職務に利害関係を有する者からの贈与等の禁止及び制限等職員の職務に利害関係を有する者との接触その他道民の疑惑や不信を招くような行為の防止に関し職員の遵守すべき事項が含まれていなければならない。
2 知事は、公務員倫理規則の制定又は改廃に際しては、人事委員会の意見を聴かなければならない。
3 任命権者は、人事委員会の意見を聴いて、それぞれ職員の公務員倫理に関する規程を定めることができる。

   第三章 贈与等の報告等及び公開

 (贈与等の報告)
第十三条 管理職員及び特別職職員(規則で定める常勤の者に限る。次条第一項において同じ。)(以下「管理職員等」という。)は、事業者等から、金銭、物品その他の財産上の利益の供与若しくは供応接待(以下「贈与等」という。)を受けたとき又は事業者等と当該管理職員等の職務との関係に基づいて提供する人的役務に対する報酬として公務員倫理規則で定める報酬の支払を受けたとき(当該贈与等を受けた時又は当該報酬の支払を受けた時において管理職員等であった場合に限り、かつ、当該贈与等により受けた利益又は当該支払を受けた報酬の価額が一件につき五千円を超える場合に限る。)は、一月から三月まで、四月から六月まで、七月から九月まで及び十月から 十二月までの各区分による期間(以下「四半期」という。)ごとに、次に掲げる事項を記載した贈与等報告書を、当該四半期の翌四半期の初日から十四日以内に、任命権者に提出しなければならない。

2 任命権者は、前項の規定により贈与等報告書の提出を受けたときは、当該贈与等報告書(規則で定める職の職員に係るものに限り、かつ、第十六条第二項ただし書に規定する事項に係る部分を除く。)の写しを人事委員会に送付しなければならない。

 (株取引等の報告)
第十四条 部長級の職員、教育長及び特別職職員(以下「部長級の職員等」という。)は、前年において行った株券等(株券(端株券を含む。)、新株引受権を表示する証券若しくは証書、転換社債券又は新株引受権付社債券をいう。以下この項において同じ。)の取得又は譲渡(部長級の職員等である間に行ったものに限る。以下「株取引等」という。)について、当該株取引等に係る株券等の種類、銘柄、数及び対価の額並びに当該株取引等の年月日を記載した株取引等報告書を、毎年、三月一日から同月三十一日までの間に、任命権者に提出しなければならない。
2 任命権者は、前項の規定により株取引等報告書の提出を受けたときは、当該株取引等報告書(部長級の職員に係るものに限る。)の写しを人事委員会に送付しなければならない。

 (所得等の報告)
第十五条 部長級の職員等(前年一年間を通じて部長級の職員等であったものに限る。以下この項において同じ。)は、次に掲げる金額及び課税価格を記載した所得等報告書(道から支給された給与以外に所得がない部長級の職員等にあっては、その旨の申出書)を、毎年、三月一日から同月三十一日までの間に、任命権者に提出しなければならない。

2 前項の所得等報告書の提出は、納税申告書(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二条第六号に規定する納税申告書をいう。以下同じ。)の写しを提出することにより行うことができる。この場合において、同項第一号イ又はロに掲げる金額が百万円を超えるときは、その基因となった事実を当該納税申告書の写しに付記しなければならない。
3 任命権者は、第一項の所得等報告書又は前項の納税申告書の写し(以下「所得等報告書等」という。)の提出を受けたときは、当該所得等報告書等(部長級の職員に係るものに限る。)の写しを人事委員会に送付しなければならない。

 (報告書の保存及び閲覧)
第十六条 前三条の規定により提出された贈与等報告書、株取引等報告書及び所得等報告書等は、これらを受理した任命権者において、これらを提出すべき期間の末日の翌日から起算して五年を経過する日まで保存しなければならない。
2 何人も、任命権者に対し、前項の規定により保存されている贈与等報告書(贈与等により受けた利益又は支払を受けた報酬の価額が一件につき二万円を超える部分に限る。)の閲覧を請求することができる。ただし、公にすることにより人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがあるものとしてあらかじめ規則で定めた事項に係る部分については、この限りでない。

   第四章 公務員倫理の保持に関する人事委員会の権限

第十七条 人事委員会は、第十二条第三項に定めるもののほか、次に掲げる事務を処理する。

   第五章 公務員倫理を監督する職員

第十八条 公務員倫理の保持を図るため、法律の規定に基づき各執行機関(規則で定めるものを除く。)及び議会に置かれる機関(公安委員会及び方面公安委員会にあっては、その管理に属する機関)に、公務員倫理を監督する職員(警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第五十六条第一項に規定する地方警務官を含む。)を置く。
2 前項の公務員倫理を監督する職員は、職員に対する公務員倫理の保持に係る指導及び助言その他の公務員倫理の保持のために必要な措置を講ずるものとする。

   第六章 雑則

 (任命権者による懲戒処分の概要の公表)
第十九条 任命権者は、職員にこの条例又はこの条例に基づく規則若しくは規程に違反する行為があることを理由として懲戒処分を行った場合において、公務員倫理の保持を図るため特に必要があると認めるときは、当該懲戒処分の概要の公表(第十四条第一項の株取引等報告書中の当該懲戒処分に係る株取引等についての部分の公表を含む。)をすることができる。

 (特別職職員に関する特例)
第二十条 第四章及び前章の規定は、特別職職員には、適用しない。

 (企業職員等に関する特例)
第二十一条 第十三条第二項、第十四条第二項、第十五条第三項及び第四章の規定は、地方公営企業法(昭和二十七年法律第二百九十二号)第十五条第一項に規定する企業職員及び地方公務員法第五十七条に規定する単純な労務に雇用される者には、適用しない。

 (規則への委任)
第二十二条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

   附 則
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 第十六条第二項の規定は、警察法第五十六条第二項に規定する地方警察職員に係る贈与等報告書については、当分の間、適用しない。

   附 則

 (施行期日)
1 この条例は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 (経過措置)
2 この条例による改正後の北海道職員の公務員倫理に関する条例(以下「改正後の条例」という。)第十三条の規定は、この条例の施行の日以後に受けた贈与等又は支払を受けた報酬について適用する。

3 改正後の条例第十四条の規定は、この条例の施行の日以後に行った株取引等について適用する。

4 改正後の条例第十五条の規定は、平成十二年分以後の所得及び同年分以後の贈与税に係る贈与について適用する。

(注) 原文は、縦書きである。