条例制定権の範囲に係る地方自治法の主な改正点について

1 従来、機関委任事務には地方公共団体の条例制定権が及ばなかったのに対し、自治事務であると法定受託事務であるとを問わず、法令に違反しない限りにおいて条例を制定することができることとなったこと。

(第14条第1項)

2 地方公共団体の事務の区分の見直し(機関委任事務制度の廃止等)に伴い、「義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によなければならない」として、「侵害留保の原則」を確認する規定が置かれたこと。

(第14条第2項)

3 条例中には、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例に違反した者に対し、刑罰に加えて「5万円以下の過料を科する」旨の規定を設けることができることとされたこと。

(第14条第3項)

4 市町村の事務に対する都道府県の関与を最小限にするという観点から、都道府県の条例による市町村の行政事務の処理に関する必要な規定の設定(統制条例)が削除された こと。

(旧第14条第3項、第4項)

5 機関委任事務の廃止に伴い、すべて手数料に関する事項は、条例で定めなければならないものとされたこと。

(第228条第1項)

6 都道府県は、都道府県知事の権限に属する事務の一部を、条例の定めるところにより、市町村が処理することとすることができるものとされたこと。

(第252条の17の2)

地方公共団体の事務の新たな考え方


条例制定の範囲

《憲 法》94条 地方公共団体は(中略)法律の範囲内で条例を制定することができる。
《自治法》
  2条2項 普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理するこ ととされるものを処理する。

改正前 普通地方公共団体は、その公共事務及び法律又はこれに基く政令により普通地方公共団体に属するものの外、その区域内におけるその他の行政事務で国の事務に属しないものを処理する。

  14条1項 普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第2条第2項の事務に関し、条例を制定することができる。
  14条2項 普通地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。

改正前 普通地方公共団体は、行政事務の処理に関しては、法令に特別の定があるものを除く外、条例でこれを定めなければならない。

  14条3項 普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、2年以下の懲役若しくは禁錮、百万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。

改正前(14条5項) 普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、2年以下の懲役若しくは禁錮、百万円以下の罰金、拘留、科料又は没収の刑を科する旨の規定を設けることができる。